俺は違う
完成させる事が出来るか不安ですが、頑張ります。
荒野を歩く人物がいる、足取りは強く早い。 その体躯は大きく鍛えられていた。 そして目は猛獣のように鋭い。 背には通常よりも一回り大きい両手剣があり手入れが行き届いている。 胴体には鉄製のプレートをまとい籠手とすね当ても着けていた。
この人物は王国最強と言われる男、ガイナス。 魔王の城を目指す途中であった。
「話によればもう少しか」
彼は王命により魔王を倒すべく向かっている。 魔王の領域に入ってかれこれ一月経っていた。ガイナスは歩きながら鞄から干し肉を取り出すと一口齧りゆっくりと咀嚼する。
(そろそろ食糧が尽きそうだ、帰還を考えると少し面倒だな)
干し肉を十二分に噛むとゆっくりと飲み込んでいく。 飲み終わると、干し果物を口に入れ同様に咀嚼していく。 そうこうしていると、前方に建造物らしき物が見えてきた。
「あれだな」
ガイナスは目を凝らしながら呟く。 歩くペースには些かの乱れもない。 魔王の城をを目の前にしても、この男の精神は小揺るぎもしなかった。 やがて城門の前まで辿り着いたが誰もいなかった。
「此処もか。 随分胆のすわった魔王さんだ」
ガイナスが此処までの道中徐々に魔物の数が減っている事に気付いたのは半ばを過ぎた頃だった。 王国を旅立った直後は弱い物の魔物と多く遭遇したが、進むにつれ個々の強さは上がるが数が減っていき、今朝は門に辿り着くまで一度も遭遇していない。 意図的にしているとしか思えなかった。
だが魔王の思惑はどうあれガイナスの目的は只一つ、魔王を倒すのみ。 ガイナスが門に近づくと門は音をたて開いていく、正に来るなら来いである。
「では、ご招待にあずかるとするか」
ガイナスは軽く笑いながら門を潜っていく。 中はうす暗く誰も居ないかのようにひっそりとしていた、壁にはランプが等間隔で設置され最低限の灯りは確保されていた。 そしてランプはガイナスが進む度に灯っていき案内をするかの様だった。 そのまま進むとやがて巨大な扉が見えてきた。
「魔王さんはこの扉の奥ってとこか、よし」
ガイナスは水を一口飲むと鞄を床に置き身を軽くして身体を伸ばす。 身体を解し終え扉に近づくと案の定ゆっくりと開いていった。 開いた先には巨大なホールがあり多くのランプが灯りその奥に魔王が悠然と座っていた。
姿を確認しガイナスはゆっくりと近づいていく、魔王は黒を基調とし金や銀で刺繍されたローブを纏っている。 顔は黒い仮面を着けているので表情等はわからなかった。 ある程度近づいてガイナスは立ち止まった、そして魔王を見据えたまま軽く頭を下げた。
「お初にお目にかかる、俺はガイナス、魔王陛下に相違ありませんか?」
「いかにも、余が22代魔王である。 ようこそ我が城へ歓迎するぞ勇者よ」
仮面のせいか少し曇った声だが老人のような声だった。 魔王は流れるように立ち上がると、ローブを脱ぎ捨てた、ローブの下からは鎧等ではなく体型に合わせて作られた服で動きを妨げないような工夫が見てとれた。
ガイナスは何時でも動ける様に力を抜きつつ腰を僅かに落とし構えた。
(……この武装、格闘術か? 少し意外だな。 もっとこう魔法何かを打っ放すイメージがあったんだが)
魔王は足を広げ手を前にゆっくりと構えていく、その動きは洗練され無駄がなかった。 ガイナスもまた背中の剣を抜き構える。
「そちの用は分かっておる、なればお互い言葉は無用であろう? ゆくぞ選ばれし勇者よ」
「話が早くて助かるが一つ訂正しておく。 俺は選ばれし勇者じゃない」
「? ここに来たという事はそちは勇者であろう?」
「いいや俺は付き添いだ。 勇者は、俺が殺した」
非常に拙い文章ですが、ご容赦下さい。 ここまで読んで頂き有難う御座いました。