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片鱗

ちょっと長いかな~と思いつつ投稿。

2話に分けると一本あたりが短い気がして……

 凜として立つ。


 まさしくその言葉がぴったり来るような少女の姿に、クザクは目を奪われた。

 年の頃はクザクと同じ高校生だろうか。黒いコートに身を包んでいるので、体型の程はハッキリとしないが、太っているという印象は受けない。

 むしろその肩幅は少女のものであり、刀を携えながらも逞しさより可憐さが際立つ。

 黒く長い髪は後頭部でまとめられており、さらさらと流れる髪は絹糸より繊細で美しい。

 羞花閉月しゅうかへいげつとは、まさにこのことかとクザクは思う。


――なかなか格好良かったぞ――


 そう言われたものの、自覚は無い。というより、目の前に立つ少女の方が余程格好良い。

 その少女は、あっさりと黒骸骨……いや『ヴァニタス』を一体屠った後、ゆっくりともう一体に向き直る。

 悠然と振り向く様は絶対的な自信の表れに見え、クザクとは見えている世界が違うのだと否が応にも思い知らされる。

 生きる世界が、ではない。見える世界――心の持ちようから感じる世界が違うのだ。

 だからこそ、クザクは見惚れた。

 それは憧れ。憧憬。

 他人と関われず傷つく事を恐れたクザクから見れば、確固たる意志で化け物に向かい合う少女は物語の中の主人公のように華やかで、映画のワンシーンの様に美しかった。


「この場は私に任せて、君は逃げろ.あちらに出口がある」


 少女は左手奥を指して、言い放つ。自分がここを抑えることが、然も当然の如く。


「まだ、動けるな?」


 その言葉に惚けるのを止め、クザクはコクコクと頷く。

 少女一人をこの場に置いて、自分だけ逃げることに抵抗はあった。

 だが、直後にはその躊躇いは霧散した。


 ギギギギギギィンッ!


 こちらに視線を寄越していた少女に、好機を感じ取ったか残ったヴァニタスが少女に襲いかかる。

 危ない! と叫ぶ間もなく、ヴァニタスの爪が少女に伸びるが、その攻撃を碌に目視もせずに少女は手にした刀で防いだ。

 しかも音から判断して一撃や二撃ではない。クザクには殆ど見ることの出来なかった攻撃を、猫の手でもあしらうように、全て刀で受け止めた……いや、迎え撃ったのだ。

 証拠に、ヴァニタスの苦悶の叫びが上がると同時に、何か黒い棒状の――例えるなら刀身の様な者がクルクルと回転しながら向かって左手の闇の中に消えていく。

 自分だけ逃げるというのが間違った選択肢なのでは無く、むしろここに残る方が彼女にとって足手纏いになることを、クザクは簡単に理解してしまった。

 同時にこの場にいることがいたたまれなくなる。


「何も……出来ないのかよっ……俺は……」


 立て続けに繰り広げられる少女とヴァニタスの攻防を目の当たりにして、自分に出来る事は逃げることだけだと改めて思い知らされた。

 足元もおぼつかないような暗がりであっても、全く揺るがぬ安定感でもってヴァニタスの攻撃を捌き続ける少女は、この為の鍛錬を続けてきたであろう自信に溢れている。

 人間をあっさりひねり潰し、鉄塊を切り裂く化け物を向こうに回し、それと解った上で戦いを挑んでいる。

 明らかにクザクとは違う世界の住人なのだ。

 たった一人で化け物に立ち向かう少女に対し、その少女に促されたからとはいえ、戦うという選択肢を一瞬で消し去った自分が、酷く矮小な存在に思えた。

 そんな自分が格好良いと言われるなどあり得ないし、理由についてもクザクには思い当たる節がない。故に何かの聞き間違いだろうと思った。

 むしろ情け無さが先に立っている今、格好良いなどと言われたなど、空耳としか思えない。

 クザクは悔しさに歯噛みしつつも、先程少女が指し示した方向に向かって走り出した。


 それを見て、少女は安堵したうような笑みを浮かべて、ヴァニタスに再度向き合った。


「さて、最下級――Fランクのヴァニタスとは言え、これ以上好き勝手させる訳には行かんな」


 そう呟くと、右手に持った黒い刀身の刀を構え直す。

 正直なところ、少女にもそれほどの余裕があった訳では無い。

 ただ、クザクが無事に逃げられるまでは眼前のヴァニタスの注意を引き続ける必要があった。

 その為に、わざと隙を見せて攻撃を受け続けた。


 ヴァニタスは少女にあっさり攻撃を防がれたことが、かなり癪に障ったらしく、少女に対する攻撃を益々激化させている。

 ヴァニタスの意識は、今や完全に少女に向けられており、クザクのことなど完全に忘れ去っているようだった。


 激しい戦闘を背に、クザクは工場の出口に向かってひた走った。

 少女の示したとおり、通用口と思われる小さな扉が見えてくる。

 同時に扉の少し手前に何かが突き刺さっているのを発見する。


「剣……? いや……」


 それは先程の少女との戦闘で切断されたヴァニタスの尻尾だった。

  最初に両断された『ヴァニタス』は即座に煙となって消滅したが、この尻尾は本体が生き残っているためか、まだ現存している。今、少女が戦っている『ヴァニタス』が倒されれば、これもまた煙のように消えるのだろう。

 その刀剣の様な尻尾が当たり前のようにコンクリートの床に突き刺さっている。

 どうやらここもそれほど安全では無いらしい。クザクの背中を冷たい汗が滴った。

 尻尾の横を素通りし扉に駆け寄ってドアノブに手をかけたところで、クザクはふと気になって背後を振り返った。


 先程の少女が戦っている。

 その細身の身体に比べて、やや大きめの黒いコートをはためかせ、彼女が『ヴァニタス』と呼んだ化け物と互角以上の戦いを繰り広げている。

 いや、互角以上では語弊があるだろう。素人目にも、少女の方が相当に優勢なのが在り在りと分かる。

 勿論、クザクにはその攻防の全てが見えているのではない。暗がりであることも理由として挙げられるが、何より動きが速すぎて、捕らえることが出来ない。

 そんなクザクであっても、少女の方に余裕すら感じるのだから、あの少女は相当な手練れなのだろう。恐らくは少女が化け物に負けることはないように思えた。


 クザクが安堵したその時、視界の隅に何かがいるような気がした。

 顔を上げ、上方の暗がりに目を凝らすと、何かが天井に張り付いて仄暗い焔のような双眸を直下の少女に向けていた。


 それを見たクザクの中で、恐怖と躊躇、焦り、そしてそれらに対抗するような正体不明の感情が混ざり合い、大きな塊となってゴモリと蠢く。

 考えるより先に駆け出すと、床に突き刺さったヴァニタスの尻尾を鷲掴みにして引き抜くと、槍投げのように天井のヴァニタスに向かって投げつけた。

 天井は体育館ほどの高さがあり、クザクの位置から天井のヴァニタスを狙っても、ギリギリ届くかどうかというところだ。クザクも投げつけようとした瞬間に、流石に届きそうにないと感じていた。それでも少しでも届くよう願いを込めて叫んだ。


「届けぇっ!!」


 指先から剣状の尾が離れるその瞬間、クザクは何かがぴったりと『嵌まる』様な感覚に全身を貫かれた。全ての力が指先から余すこと無く伝わるような不可思議な感覚。手から放たれても、その感覚は投擲した尾に伝わり続けているようだった。


 直後、投擲した尾が途轍もない速度で天井に向かって飛翔した。


 まるでクザクの意志を引き継いだかのように、自ら加速し、衝撃波すら発生させて天井のヴァニタスを貫いたのだ。

 土手っ腹に大穴を開けられた――否、身体が千切れかかるほどのダメージを負ったヴァニタスは、苦痛の声すら上げずに落下して床に激突する。


「な……なんだよ? 何が……って、やべぇっ! 巻き込んで無いよな?」


 一瞬の出来事にクザクは唖然とするが、丁度落下点あたりで戦っていた少女が巻き添えになっていないか心配になり、様子を窺うために再度近づいた。



          ■



 少女は目の前のヴァニタスを相手取りながら、天井にもう一体存在することに気が付いていた。いや……正しくは感知していた。

 少女は常時、自身を中心に何重もの結界を、かなり広い範囲で張っている。

 防御としての側面も確かにあるが、同時に結界内に入り込んだヴァニタスを感知するために張っている結界だった。

 この結界は少女に周囲の状況を克明に伝えるように術式を構成している。

 ろくすっぽヴァニタスの方を見ずに防御を可能としていたのは、この結界の作用に依るところが大きい。

 当然の如く、工場を去るクザクの位置も掴んでいたし、天井に張り付くヴァニタスの位置も把握していた。

 その結界を通して少女は想定外の事態が発生していることを知覚した。


 今しがた退避させた――自分と同年代にみえる少年が投擲したヴァニタスの身体の一部――先程切り落とした尾だろう――が、音速を超えて天井のヴァニタスを貫いたのだ。


 普通の人間がそんなことを出来る筈がない。

 野球のボールの様に投げるのに適した形状であっても、一般人なら時速百キロを超えられれば大したものだろう。だが、先程のあれはそんな次元ではなかった。


「同調した? 『交感』も無しに?」


 あり得ない現象を前に、困惑と疑問、そしてクザクに対する僅かな疑念と大きな興味が沸き上がる。

 天井から降ってきたヴァニタスの身体が、もう一体のヴァニタスを押しつぶし、床に叩きつけられる。

 少女は間髪入れずに止めの一撃を放つ。滑るように放たれた一撃は二体のヴァニタスをまとめて両断した。

 刀を収め――といっても鞘に収めたのではない、刃渡り七〇センチメートル以上あったであろう刀は忽然とその姿を消していた――静かな動きでクザクの方に向き直る。

 逃げたはずの少年は少女から十歩程度の距離まで戻って来ていた。


「大事はないか?」


 少女は優しげにクザクに向かって微笑んだ。



          ■



 クザクは一瞬ビクリと身体を震わせたが、その言葉に促されるようにコクリと頷いた。

 凄惨な現場に呑まれていたのではない。

 間近で少女の顔を見たクザクは、改めてその美貌に見惚れてしまった。

 見惚れてはいけないと、クザクの中で何かが訴える。恐らくは過去の自分、経験から来る恐怖心が臆病な心に訴えかけているのだ。間違って気になってしまっても……好きになってしまっても良いことはないと、過去の経験が嫌になるほど思い起こされる。


 だから視線を外した。

 目を見ていると引き込まれる気がした。

 早々に礼を言って立ち去ろう。何より深入りしてしまって、先程の様にわざわざ自身を危険に晒すのも、御免被りたい。


「あの……それじゃ……ありが……」

「ところで君、先程の投擲なのだが……」


 クザクの機先を制するように少女がクザクに問いかける。

 クザクはビクッと肩を振るわす。何かしてしまっただろうか? いや、確かに一歩間違えば少女に危害が及んでいた可能性もある。責められたとしても仕方ない。


「あ……あれは……その」


 何と答えたものか、しどろもどろになっていたクザクに、少女は予想だにしない問いかけをしてきた。


「君は……何処かの地区の担当なのか?」

「は?」


 少女の問いの意味が全く分からず、素っ頓狂な声が上がる。


「それにしては妙だ。局員であれば自前の装備は持っているはずだし……」


 自問するように呟く少女に、どう返答すべきかクザクは迷った。

 彼女は何かを勘違いしている様だが、それが何なのか想像がつかず、下手に返答できない。

 ここは正直に話した方が良さそうだ。


「地区とか局員とか……何のことか分からないんだけど……た、助けてくれてあり……」

「なんだ! 違うのか?」


 今度は少女の方が素っ頓狂な声を上げた。

 何に対してそれほど驚いているのか、クザクには想像すらできない。そもそも会話が微妙に噛み合ってないのでそれも仕方ないのだが。


「では、あれは偶然だとでも? いや、同調は偶然で出来るものではないし……ならば『契約者』という可能性も……だが、それではヴァニタスに襲われていた理由が分からぬし……」


 少女の独り言に完全放置状態となったクザクは、暫し考え込んで――やはり、ここは立ち去った方が無難だな――と結論づけた。

 いや、その結論すら生温い。

 ブツブツと独り言を続ける少女から、次第に剣呑な空気が発せられつつあり、クザクの脳内には『立ち去るが無難』を通り越し『即時撤退』文字で埋め尽くされていた。

 そうと決まれば後は行動あるのみ。


「それじゃ! ありがとうございました!」


 ズパッと頭を下げ、クルッと回れ右して、ダダッと駆け出す。


「あ……君、ちょっと……待たぬか、こら」


 背後からそう呼び掛けられるが、聞こえないフリをして足早に立ち去る。

 幸い、追いかけてくる様子は無かった。


 後ろ髪を引かれる気持ちは、正直あった。

 彼女は明らかにクザクを認識していた。その上でクザクを助け、さらには気遣ってもくれたのだ。父親以外で、クザクに対してここまでの対応をした人物は、恐らく生まれて初めて出会った。

 だが……今日クザクを認識した存在は彼女だけではない。

 少女がヴァニタスと呼称した、あの黒骸骨達も明らかにクザクを認識していた。

 ともすれば彼女も人間ではない可能性もある。

 そう考えれば、あの場に留まらなかったのは正解だと、自分に言い聞かせた。

 そう言い聞かせることで、自らに芽生えた淡い期待を断ち切ろうとした。

 クザクを認識した人物は、クザクにとって、喉から手が出るほど欲しいものだったが、その期待が裏切られるのが恐くて、踏み込むことをしない。出来ない。

 決して相手に踏み込まず、逆に距離を置いてしまう。自ら関係性を持つような選択肢を選ぶことができず、諦めることしか出来ない。

 これで二度と会うことは無いのだ。

 如何なる時も、そう言い聞かせてきたのだ。

 そう言い聞かせることで頭が一杯だったクザクは、少女が黒いコートの下にクザクが通う学校――鳳聖高校の制服を身につけていることに、気が付かなかった。



          ■



 ヴァニタスとの戦闘を終えた少女――時纏井ときまといサクヤは目の前の少年、杜乃浦クザクのことを少々訝しんでいた。最大の理由は先程、クザクが見せたヴァニタスの尻尾を用いての攻撃である。

 あのとき、クザクは間違いなくヴァニタスの身体の一部を武装として『覚醒』させた。

 それが出来るのは『交感の儀』を済ませた『対策室』の局員、または『ヴァニタスの契約者』に限る。他の可能性もあるのかも知れないが、少なくともサクヤの知識には無い。


 『対策室』の局員であれば、『交感武装』を所持していなければならない。先程の素人同然の対応からすると、新人かもしれない。が、『交感の儀』を行えるのはサクヤが所属する首都本部のみなので、新人の『交感の儀』が行われたのであれば、本部付きの人間であれば情報が伝わって来るのが普通だ。ところが少なくともここ半年で、そのような話は無かった。


 となれば個人がヴァニタスと契約をし、『ヴァニタスの契約者』となった場合が考えられるが、『ヴァニタスの契約者』がヴァニタスに襲われることは無い。何故なら『ヴァニタスの契約者』は身も心もヴァニタスに恭順した者だけが成り得るのであり、通常ヴァニタスを裏切ることや、ヴァニタスが裏切ることなどはあり得ない。


 例え心変わりがあって契約者がヴァニタスに反旗を翻しても、契約者の命はうの昔にヴァニタスに握られているのだから、わざわざ襲わなくても容易に殺害する事が出来る。

 いずれにせよ、話を聴く必要があると判断したサクヤは立ち去ろうとしていたクザクに声をかけた。


「あ……君、ちょっと……待たぬか…………え?」


 突然、サクヤの認識からクザクが消えかかるのを感じて驚いた。

 声をかけても逃げ出すようなら、多少強引にでも引き留めるつもりだったのだが、まさか自分がクザクを見失いかけるとは夢にも思っていなかった。

 サクヤは常時、周囲の状況を把握するための結界を展開している。

 先程の戦闘中も結界内の状況――クザクやヴァニタスの位置を細かく把握しながら、戦闘をこなしていた。これがサクヤの戦いを支える骨子の部分であり、高い状況把握能力が、サクヤの戦闘力を数倍に引き上げている。

 現在構築している結界の範囲はサクヤを中心に半径二〇〇メートルに及ぶ。サクヤの能力であればもっと広範囲の結界――およそこの十倍のサイズを張ることも出来る。しかし今回は近接戦闘用に探知性能を上昇させる代わりに範囲を二〇〇メートルまで絞っていた。

 なのにたった今、僅か数メートル先にいるクザクの気配が消え、ほぼ認識出来なくなった。探知性能を強化した状態にもかかわらず、である。

 消えてしまったのでは無い。いまだサクヤの眼はクザクの姿を捉えているが、それなのに目の前にクザクがいることに確証が持てなくなる。それほどまでに、存在そのものが希薄になっていた。


「そ……そんな筈は……」


 実際のところ、結界の効果があるからこそ、サクヤはいまだにクザクを捉え続けることが出来ている。結界が無ければ……いや、探知性能を強化した結界でなければ今頃、完全にクザクを見失っていただろう。

 見失っていないのはサクヤの能力が高いからなのだが、サクヤ本人にとっては結界内にいる筈の存在を見失いそうになっているという事実は、サクヤの自信を根底から揺るがすほどの事象だった。

 目の前に姿が見えているのに、それが信じられなくなるなど、有り得るのかと自問する。

 今起きている現象を理解しようとして、逆に思考の空白が生まれた。

 その間に、クザクは工場から出て行ってしまい、そこには初めから誰もいなかったかの様な空気に包まれていた。


「いまだ……信じられんな……」


 乾いた喉からやっとの思いでその言葉だけ出る。自分でも違和感を感じるほど嗄れた声が漏れ、恥ずかしそうに口許を抑えた。

 ただ、確かに今の今まで、そこには誰かがいた。それだけは間違いが無い。

 すっかり夜の帳がおりた暗がりの中で、サクヤの結界が先程クザクが立っていた位置に何かが落ちているのを感知した。

 サクヤは少し屈むと、床に落ちたもの――手帳を拾い上げた。


「身分証……いや、生徒手帳か……しかもウチの学校だと?」


 パラパラとめくって中身を確認する。予定などは一切記述されていない、新品同様の手帳。

 身分証には先程見た顔写真と、名前や所属クラスが記載されていた。


「杜乃浦クザク……二年A組か……ふ……明日届けるとしようか」


 サクヤは面白いものを見つけたかのように小さく笑うと、手帳を懐にしまった。

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