伝説のレアアイテム
菜々子が新たに取り出したアイテムは......。
それは幾多の勇者達が苦難を乗り越え、呪われたダンジョン最深部を攻略し、富も名誉も故郷すらも投げ捨てて最後に辿り着く伝説のレアアイテム
【縞々パンツ&ブラ(水色/白ツートンスタンダード)】
だった。
「!!!」
こ、こいつ解ってやがる俺の性癖を......。
これが例えば(黄色/白)や(緑/白)はたまた(ピンク/赤)とかだったのなら、こんなにも食指が動くことは、なかっただろう。
ここで水色&白のストライプを持ってくるとは、我が妹ながら本当に本当に恐るべし!
鏡に写った美少女には、絶対似合うだろうな。
これが自分自身じゃなきゃもっといいのに......でも似合うだろうな。
チラッチラッと菜々子の持つそれに視線を投げ掛ける。
「うん? 着ないの? これ私が中学の時に買ったんだけど、結局一度も履かなかったから新品だよ」
「!」
妹の下着を履くことに躊躇していたけど、その一言で何かが吹っ切れた。
今着てる似合わないセクシーなものより、この娘には似合う!
この娘のためだ!
決して俺のためじゃないんだよ?
気が付けば部屋の中はいつの間にか暖房が付いていて、下着のままでも全然寒くない。
こういった気配りが出来るのが菜々子のよいところなんだよね
「そ、それじゃ、ちょっと、き、着替えるわ」
ドキドキと胸が早鐘を打つ。
「!」
邪の視線を感じるとやはり菜々子がガン見しているじゃありませんか!
俺はカアッと恥ずかしくなる。
「ちょっと......お姉ちゃん! 恥ずかしいから、あんまりジロジロ見ないでくれる!!」
「「!!!」」
ぶっ!?
言うに事欠いて菜々子のことお姉ちゃんって!
しかももろ女の子言葉、この姿に感化されて思わず口走ってしまったのか!?
菜々子の顔が唖然とした顔から能面のような顔になり、そしてニヤニヤにやけ顔になった。
そりゃもう普段冷笑しか見たことなかったクールビューティな妹よ、貴女は何処に行ってしまったのだ。
「うーん? 何々、聞こえなかったからもう一度言って?」
絶対言うかっ!!
「えっ? 何聞こえないの? もう一度言って?」
しつこーい! 俺はちょっとプンスカした表情を浮かべ、菜々子を無視して着替えることにした。
ま、まずは、パンツだ。
両手の指で左右を軽く開いてまじまじと目の高さに持ってくる。
ごくり......ゲームのアバターやアニメでは定番のアイテムとはいえ、実物をこの手で触れる、しかも今まさに着用しようとは。
女の子に生んでくれてありがとう母さん!
『何か母のツッコミが聞こえた気がするが気のせいだろう』
そこで俺は重大なことに気がついてしまいフリーズした。
『これってもしかして...』
急に真剣な表情で押し黙ったまま固まってる俺に只ならぬ気配を感じたのか菜々子が
「ど、どうしたの」
それは不安そうに聞いてきた。
「う......うん」元気なく応える。
しばし見つめ合う二人。
「どっちから着てもアンバランスなんだよっ!!」
俺は心の底から魂の叫びを発した!
そうなのだパンツからでもブラからでも異種組合せ、特に今回のような完全に相反するタイプでは違和感半端なく、下手すると致命的なバッドスキルが発動してしまいかねない。
「パコン!!」
実にいい音がした。
菜々子は何処からか取り出したハリセンで俺の後頭部を軽く叩く。
「あんたアホかっ! 一旦両方脱いでから着たらええだけやろ!」
うん、胡散臭い関西弁だけど的確なツッコミを、ありがとう我が妹よ。




