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変身、女の子!

  

「ルンルンルン♪」


 三面鏡の前に座る俺の髪をブラッシングしながら菜々子が鼻唄をハミングしている。


 妙に機嫌が良い......。


 俺が陽一宣言した後、とりあえずは落ち着いてリビングで話しをしようと決まり、部屋を出ようとしたところ、裸でいることに気が付いた。


 別に陽一の服で問題なかったのだけど、菜々子は俺の手を引くと半ば強引に自分の部屋へ連れて行った。


[nanako]至ってシンプルなネームプレイトの掛かった部屋に入るのは、約二年振り以上、どういった心境で部屋に入れてくれる気になったのだろう。


 部屋に入るとすぐ左側に床から天井近くまである巨大な姿見が目に飛び込んできた。


「!!!」


 菜々子の後ろで手を引かれながら、戸惑いを浮かべている女の子の姿が鏡の中に写り込んだ瞬間、俺は息を呑み込んだ。


 絹のようなサラサラストレートヘア。

何かを見つけてびっくりしたように見開いているが、二重瞼の大きな目は子猫みたいで愛らしい

ツンと尖ったそれでいて愛嬌のある鼻は、鼻血の影響かちょっと赤くなっているけど小さ過ぎず大き過ぎず綺麗に整っている。

 唇も何かを塗ったわけじゃないのにピンク色で艶々している、頭突きの時に切ってしまったのか端が少し切れて痛々しいけど。

 肌は抜けるように白いのに、不健康なイメージが全くない


 全体的に非常に整った容姿端麗な年の頃は、12から15歳ぐらいの美少女がそこには写っていた。


 まず大きな街とかでも、なかなか遭遇しないであろうレベル。

 某アイドルグループでもセンターいけるかも?

 ぐらいの可愛さ


 俺は思わず赤面してしまった。

すると鏡の中の女の子もパッと頬を桜色に染めると、上目遣いにこちらを見上げる。


 ヤバいマジでヤバいです。


 でも誰かにすごく似ている......母さん!?


 写真で見た母さんの若い頃とよく似ているけど、鼻とか目元に父さんイコール菜々子似のところもある。


 陽一も似たような感じで父母似だったが、さすがに女顔とはいえここまで可愛くはなかったし、どちらかといえば全体的には地味なイメージがあった。


 あっ自分で言ってて悲しくなった......まぁ草食系ダメ男子だったし......。


 鏡に写った女の子は、何処からどうみてもまず間違いなく、父さんと母さんのDNAが流れていることが感じ取れる容姿であった。


 しばらくの間、ぼぉーと鏡の中の女の子に魅せらていると、鏡の中でマジマジとこちらを見ている菜々子と目が合う。


「!!」


 実に楽しそうにニヤニヤ笑ってやがる!


 兄の不幸がそんなに楽しいのか!?

というか俺の正体がさっぱり不明な状態で、何この余裕って感じなんですけど。


 まあ鏡の中に写る女の子の無害感は、男の頃の俺と比べても大幅に上回ってはいるのですけどね。


 例えると生まれてすぐのニャニャ鳴いている赤ん坊仔猫クラス。フシャー!って怒ったとしても実際はふにゃあ~って感じにしかならない無害感そして癒し力、半端ないです。


「あっ! いつまでも裸だと寒いし、そろそろ着替えようか♪」


 菜々子は、タンスの中を探してあるアイテムを取り出した。


「――絶対似合うと思う♪」


「!!?」


 取り出した物を見て、即座に俺はフリーズした。



菜々子無双続きます(笑)

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