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草食系男子ですが~高校卒業と同時にTSして女子高生にジョブチェンジしました!  作者: Ciga-R
第二部 学校に行ってみよう!

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決戦! 第3新レーン(前)

 

 全員のボール選びが終わり、隣り合ったレーンに四人づつ別れゲームすることとなった。


 右側の第4レーン画面に表示されている順番は


『ヨウイチ、イロハ、ヒロキ、ミヤコ』


 左側第3レーンの順番は


『コウタ、ヒナノ、リョウ、サエ』


 ナンパ三人組の中でリョウという名の彼が冴衣先輩と勝負することとなっている。


 何かの不具合かレーンが破損したのか、この第3と第4レーンだけが修繕され真っ新となっているため、借りたシューズが滑らないかちょっと心配だ。


 冴衣先輩が13ポンドのボールを事も無げに持っている姿を見たのか同じ重さのボールを使用するリョウは驚きを隠せず


「女性でその重さ使用するなんて、姐さんやっぱりただ者じゃないですね!」


 いつのまにやら姐さん呼ばわりして、しきりに感心する。


「姐さんか......そなた歳はいくつぞ」


 リョウは、先ほどから続いて用いられるその古風な言い回しに目を白黒させながら


「17、今年18になる高校三年生ですね......姐さんはJD? もしかして、その落ち着きようから会社勤めのOLさん? いやまてよ、風格からして社長秘書? いやいやこの佇まい! もしかして警察関係者とか?!」

 

 先輩から滲み出るオーラがそう言わせるのか、まくし立てる彼と陽一ふくむ男性陣が、然もあらんと大きく頷く姿にイラッときたのか


「まだ16歳のうら若き乙女をつかまえて戯けたことを抜かすな!」


 憮然としながら言い募る先輩を男四人はあんぐりとした表情で見つめる。


「年下とは......サバ読んでないッスよね?!」


 ――陽一お前がそこでそれをズバリと言うの?


「サバ読む必要が何処にあるのか! お主ら......まあよい。それよりさっさと始めるか、リョウとやら手加減抜きで勝負だぞ」


 実際、歳相応に見られることが少ないのだろう、いつもの事だと自分を納得させたのか、ゲームを始めることを催促する。


「そうですね、ちなみに姐......えっとサエさん? スコアどれぐらいなんですか?」


 年下と判っても先輩が醸し出す畏怖堂々とした威厳が名前を呼び捨てにしたり、ちゃん付けで呼ぶのを躊躇わせるのだろう。


 サエちゃん......うん、まったく似合わないよね。


 そう呼んだ時の先輩の反応を考えただけで、ぞくりと背筋が凍る。


「初めてだから、いくつ出るかは判らんよ......しかし心配は無用、不様な姿はみせん」


 自信満々にウソぶく冴衣先輩の輝く瞳を見て、もしかしたら足運び、手の振り方、体捌き等を見ることにより、先ほど観察していたセミプロと同じ動作が瞬時に出来るようになる武道家ならではのアビリティを備えているのかと勘繰ってしまった。


「はあ?! ボーリング初めて? そんなので勝負とかないしょ!?」


 驚愕するリョウに心配無用とばかりにフフッと妖艶に微笑みを浮かべる。


「それじゃー! 一球目いくッス!」


 最初は、順番に投げていくことになり、また自然とレーンごとの男女続きでペアとなった。


 陽一がボールを持った手を豪快に振り上げ一投する。


 パッカラーーン!!


 スピードの乗った15ポンドのボールは右サイドより正面を捕らえ、全てのピンが後方に吹っ飛ばしていった。


「よっしゃー!」


 ガッツポーズを決める陽一に、皆が感嘆の声を上げ拍手を送る。


「さすが陽さん! オレも続く! この一投は、ヒナノちゃん、貴女に捧げます!」


 真面目な顔で大言するコウタ、ちょ! ペアとはいえども、そんなこと素で言われたら照れますやん。


 真っ赤に顔を染める俺を冷やかす面々、ヒロキだけは美味しいところ持っていきやがってと少々面白くなさそうだ。


 レーンを走るボールは、これも正面を捕らえ、陽一に続くストライクを期待したのだが、一本だけ残ってしまい二投目も僅かに外れスペアを取ることは叶わなかった。


 大袈裟に落ち込むコウタ、ペアの俺は次は頑張ってと奥ゆかしく励ます。


 そのお愛想ともいえる笑顔でも単純に喜ぶコウタを見ると、菜々子に男女グループ時の女の子のとるべき姿、というのをレクチャして貰っていたが、色々気を使うことが多くひそかに嘆息してしまった。


 次は彩帆ちゃんが投げる番となり、皆から声援が送られるが盛んに声を掛けているのはペアの陽一だった。


 なんか彩帆ちゃん殊のほか嬉しそうだな......こりゃ陽一にモテ期到来、本当に来たかも知れん。


 これぞ滅多にボーリングしませんといったフォームで投げられたボールは、ガータにこそならなかったが端の四本を倒すだけとなり、二投目合わせて7の数字が画面に映る。


 てへっ とチャーミングに笑い、まあまあかなっ 俺に頑張ってねとバトンタッチする、その笑顔に陽一ふくむ男性陣の鼻の下が伸びるのを感じた。


 さすが俺の師匠、これぞ自然な女子力を見せてもらいました!


 まあ女の子であんまりボーリング上手くってもそれはそれで、KYとか思われちゃうものね。


「ヒナノ、行くわよ」


 俺は自分に言い聞かせるよう呟き、持ってみた感じは男だった時に使用していた12ポンドと違和感のない、実際は9ポンドのボールを右サイドから投じた。


 ボールは、先頭のピンを捕らえストライクを確信したが、やはり軽くなった分、右奥の1本だけが残ってしまい、二投目は左側から斜めになるよう投げてスペアをGETした。


「陽菜乃ちゃん! ボーリング上手いんだね......陽一さんと同じすごく綺麗なフォームだから、びっくりしたよ! 」


 彩帆ちゃんは、素直に称賛してくれるが少しだけ訝しげな表情をしている。


 あっ そうだ......俺みんなに小さい頃から入院していて、余り女の子としての知識や経験がないって説明していたんだっけ


「うん......ボーリングは体動かすのに病院の近所にあったから、入院先で知り合った人たちと頻繁に行ってたの......自分じゃ判らないけど陽一、兄さんとは今日が初めてボーリングするから、似てるっていわれてもよく判んないや」


 てへっと笑い、ぎこちなく心苦しかったけどそう言い訳をした。


 納得したのかそれ以上は、特にその事に触れずに見た目の華奢で可憐な姿『世間一般の俺を見た時の評価らしい』からは想像出来ないボーリングの上手い女の子として皆から認識されたみたいだ。


 ペアを組んでいるコウタが、ぎこちない笑顔を浮かべていたが、ヒナノちゃん上手だからオレも頑張るよとあくまでポジティブな応えがあったので、KYかなって思っていた俺は安心することができた。


 続いて投げたヒロキもスペアを取り、ホッとした顔をする。


 いよいよ、冴衣先輩と勝負しているリョウの出番となり、実力いかにと場が白熱する。


 パッカラーン!


 陽一ほどではないが、それでも十分にスピードの乗った13ポンドのボールは、全てのピンを吹き飛ばすに至った。


 よっしゃー! と雄叫びを上げるリョウをみて先輩は素直にお見事と讃ずる。


 そんな裏表のない真っ正直な先輩に少し顔を赤くしながら、サエさんも頑張って下さいと照れながら返す。

 

 都ちゃんが投げる番となり、ボールを片手にぶら下げたまま、てくてくと歩いていく。


「ちょ! 待ってえー もしかして初めて?」


 それを見てペアのヒロキが投げるのを止めさせ、自分のボールを持つと持ち方から足の運び、テンポよく歩幅を合わせ少し膝を落とした姿勢にすること投げる時は中心から二番目の三角形を目標に手を離す際は力まず出来れば最後までまっすぐに振りぬくこと、最初は、陽さんやヒナノちゃんみたいなバックスウィングは、あまり気にしない方がいいよと親切丁寧に指南する。


 その的確な教え方に、軟弱なナンパ師としか見ていなかった俺たちは、気持ちを改めさせられた。


「ありがとう......」


 恥じらいながら呟く都ちゃんを、こちらも盛大に顔を真っ赤にして、大したことじゃないとヒロキは手を大きく振って照れ隠しする。


 ぎこちなさはあったが最初の姿からは大幅に改善されたフォームで投じたられたボールは、ガータにならず後ろのピンに当たるとパタパタと連鎖を起こし、前のピンも含めて六本も倒れた。


 気をよくしたヒロキが残ったピンの当てるべき場所をレクチャする。


「承知しました......教官」


 教官と呼ばれたヒロキは、大袈裟に仰け反り


「ズッキュウウウウン」


 叫びながら胸を押さえてイスに崩れ落ちるように座り込んでしまった。


 教え方が良かったのか、都ちゃんが教えられた通りに実行できるセンスを持っていたのか、はたまた偶然かは判らなかったが、理想の場所に当たったボールは、残りのピンも全て倒しスペアを取ることができた。


「やりました......教官」


 都ちゃんは、よっぽど嬉しかったのか普段からは考えられないことに、両足をぴょんぴょん跳ねて小躍りする。


 ――揺れる、揺れる。揺れている!大々的に揺れています!


 そして、ワンピの裾が捲れて生太ももがチラりと眩しいのです。


 彩帆ちゃんと先輩以外のみなの視線が揺れにあわせて激しく上下する。


「陽菜乃ちゃんまで......陽一さんと一緒ですごくスケベな顔してるよ!」


 彩帆ちゃんが珍しく怒ったように、ぷぃっと横を向く。


 ああー 先輩と俺たち三人では、いくらジャンプしても揺れることないもんね。


 そんな俺たち二人をじぃと見ていた先輩


「ふふッ 彩帆はそんなことでふくれているわけでも、実際には陽菜乃に怒っているわけでも無いさ」


 えっ!? もしかして冴衣先輩も紫月先輩と同じくスタンドポイントと自ら名付けていた、人が内心で考えていることをある程度判ってしまう能力を身につけているのだろうか。


「ああ、安心していい......私はあいつほど明確に理解することは出来ない、人よりせいぜい勘が鋭い程度さ」


 その能力は最低限しかないが、そのかわりに私だけに授けられた私だけのスキルがあるのさ、力強く言葉に言い現し優雅な仕草でボールを持つと静かにレーンに向かって行った。

 


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