君との距離は?
二時限目の終わりを知らせるチャイムが鳴り響く。
あぁ、明日からなつやすみか…今年は何をしようかな?
でもいいや、もう少しだけボーッとしてよう。
やさしい夏の風が頬を撫でる。
教室の雑踏も耳には入っては出ていく。
「おい春斗!起きろよ!」
静かだった俺の世界に誰かの音が混ざってくる。
お願いだからもう少しだけ静かにしてくれよ。
「春斗!…霧藤さん、もう夏休みは終わりましたよ。」
だから、夏休みは…終わったの!?
「おい待てよ!俺の夏休みはまだ始まってないんだけど!」
クラスの連中の視線が一斉に俺と祐へ集まってくるのが分かる。
「またあいつらかよ…」
また俺たちだよ!!
「祐くんってカッコいいよねぇ」
女子ども、祐は俺の嫁だから渡さないぞ?
「春斗が僕を嫁って認めてくれた♪」
そうそう、お前は俺のって…
「なんで俺の考えが分かるんだよ!?」
「春斗の嫁だから?」
なぁ…そこの即答は止めてくれよ。
いや、確かにお前は俺の嫁だけどさ
「そんなこと言われると、僕…照れちゃうよ」
なんで俺の考えが分かるんだろうなぁ…
なんでなんだろうな…
まぁいいか、そんなところを含めてこいつが好きなんだしな♪
「春斗…顔がにやけてるよ?」
え?マジかよ…
「ちょっと見てよ!!霧藤君またのろけてるよ!!」
「男同士で止めて欲しいよね…」
「霧藤くん×祐きゅん…いけるわ!この世にまた1つ萌の対象が増えたわ!」
いや…なんか怖いのもいるけど…俺は俺だよな!
「祐そうだよな!」
「そうだよね♪」
そうそう、だからお前が好きなんだよ祐…
「そんなことを話しているうちに時は流れ…流れ…流れて祐と付き合い始めました。」
祐の口から紡ぎ出される偽りの言葉はどこか儚く、それでいて叶えてあげたいと思ってしまうようなそんな感じがした。
「祐…」
口から祐の名前が溢れでてしまう。
どうして溢れ出したのかなんて分からない。
それでも、口が勝手に祐の名前を紡ぎ出してしまった。
ただそれだけのことだ、他意なんて…ないはずだ。
「春斗…」
祐の口からも俺の名前が紡がれていく。
いつも笑っている、いつも冗談を口が俺の名前を紡ぎ出す。
俺は…こいつに答えられるのか?
そうじゃない、俺はこいつの、祐の望みを分かっているのか?
それでも今はまだいいのかもしれない。
まだまだ時間はあるのだからゆっくり理解していこうか。
だから俺は紡ぎ出す、祐が嫌がっても絶対に止めてやらないからな。
「祐、大好きだよ」
読んでくださりありがとうございました。
需要があれば続きを書きたいと思うのでコメントおねがいします。




