指名師
はい小説ですがやっぱり駄文です
今回はバトルものを書きたかったんですが…なんかバトルシーンが少ない気が…
しかも少し内容が微妙かも…
それでもいいかたは是非見てください!
―――時は昔、戦乱の日本―――
政治は悪に染まり、土地は枯れ、民は貧困していた。
しかしそんな世の裏にもまだ影がある―――氏霊―――それがこの世を乱す元凶の一つである。
これは裏の世界の‘人ならざる者’を退治していく人の生き様を書く物語である。
ここはとある村。
村は活気は無く、政治の悪化で村の経済や食料も尽きてきていると思われるような雰囲気の村である。
さらに壁には刀の傷があり、貯水用の壷が割れていたりとどうやら盗賊までが出ているようである。
「やっと、人がいるところについたぜ…」
「もう文句言わないの。こっちだって疲れてるんだから!」
そんな村の前に男女の一組がやって来た。女の方は十代後半くらいの女の子だろうか。見た目は一見どこにでもいる農民の服のようなみすぼらしい身なりをしているが、所々に装飾品を着けているのがわかる。その為この時代、貴族以外では珍しくお金をある程度持っていると思われる。
しかし問題は男の姿である。歳は十代前半くらい、服装はどこから見ても僧の姿をしているが、背負っているものがおかしいかった。
背中には人間が持てるかわからないほどに大きな唐草模様の風呂敷を背負っており、そこからは僧らしく錫杖や旅のためと思われる食料に衣服、さらには僧には似合わない武器の数々が見えている。
はたから見ても僧と女の子の二人旅でこれほどの量ましてや旅とは関係の無い物を持って旅とはおかしな話である。
それを見ていた村人達もこの変な二人組がやってきたとばかりに目をこちらに向けている。
と村人の一人が二人の前にやってこようと歩いてきた。それに気づいた女の子の方もその村人の方へ歩き出す。女の子は大量の荷物を持っていた男の子をほっといて歩きだす。向かい合わせになると村人は話しかけてきた。
「旅の方ですか?この村は止めといた方がいいですよ。」
「どうしてですか?盗賊…とか?」
村人は来てそうそう二人に忠告する。それに疑問を持ち、それは盗賊が原因かと女の子は村人に聞く。男の子は後ろの方で俺を無視して二人で話しをしだすな!とか言っているが二人はガン無視で会話を続けている。
「盗賊も恐ろしいですが…ここにはもっと恐ろしいものがあるのです…」
「恐ろしいもの?」
「ここには疫病が流行っているのです………」
暗くなりながらもその村人はその病を説明しだした。
村人が言うにはその病は半月ほど前、ある村人から突然発生したそうだ。その村人はいきなりだった。朝咳をし始めたと思ったら、今度は吐血しだし、果てにはいきなり倒れてそのまま息を引き取ったそうだ。その時他の村人は何がなんだかわからず、亡くなったと悲しみつつ村の近くの墓地に埋葬してあげたそうだ。
そこからはあっという間だった。前に亡くなった村人から4日後、次は4人亡くなった。さらに4日後今度は16人も亡くなったそうだ。
これで村人は合計21人も病気で亡くなって、村人達は悲しみに包まれ、次は誰かと怯える毎日を過ごしてると。そこで話を真摯に聞いていた女の子はいったん区切るように村人に聞く。
「次の4日後はいつですか?」
「明日…」
話していた村人は落ち込むようにその質問に小さい声で答えた。
その答えを聞いた女の子は明るく返事をする。
「明日なら大丈夫です。私達がその問題を解決してあげますよ、私達はそういう医者ですから!」
だから心配はしないでと後に付け加え、村人に微笑んだ。
「医者でしたか…それはそれはありがとうございます。生憎この村には何にもありませんがゆっくりしていってください…そしてどうにかこの村を救ってやってください。」
村人は元気がないながらも精一杯の気持ちを言う。眼には涙がつたっていた。
「あと私の家でよければ泊まっていきますか?えっと…」
その村人はせめてもと思い自分の家に泊っていってくださいと申し出るが、二人の名前を知らないため言葉を詰まらしてしまう。
「申し遅れましたね。私の名は、月見里香です。先生の助手をしております。そしてこっちの…」
と香は横を向き自分と一緒に旅をしていた男の子も自ら紹介しようとしたが隣にはいなかった。後ろを振り返って見ると………寝ていた。それも自分の荷物を枕にしてぐっすり寝ていた。それはもう鼻から鼻ちょうちんを出す勢いで寝ていた。
香は額に怒りマークを浮かべながら、寝ている男の子の方に歩いていく。
「全く…起きなさい!」
そして男の子の前につくと、言葉を発するのと同時に頭の上に拳骨を落とした。ゴツンと良い音を立てると男の子は涙目で眼を覚ました。
「イッテー!何すんだよ、もう少しマシな起こし方があるだろ!」
「あなたが人の話も聞かずに寝ているからでしょ。そんなことより名前を言いなさいよ、今自己紹介中なんだから。それとも何?もう一回やられたい?」
眼を覚ました男の子は頭を痛がり、起こし方に文句を述べる。しかし香はそんなことどうでもいいとばかりにさっさと名前を言えと男の子に拳を見せて催促する。
「いえ結構です!」
それを見た男の子はカッと眼を開き、勢いよく立ち上がる。そしてきっぱりと自分の名前を言い自己紹介をしだす。
「俺の名前は加久間紅鷹っていうもんだ!」
色々とあったがなんとか自己紹介を済ませた二人は先ほどの村人の家にやってきた。
「申し送れました。私は田中 半助って言います。」
村人の名は半助と言うそうだ。
「でいきなりなんですがどうやって治療するのですか?死ぬ直前まで病気の人はわからないのですよ?」
半助は紹介を終わらせるとすぐにでも知りたいのか紅鷹達に単純な疑問をぶつける。顔はいかにもという感じの不安顔だった。
一村人の半助からしたらやっぱり正体不明の未知の病気、しかも4日に一度の割合で日々亡くなっている人が増えるのだから不安な気持ちになるのも無理はない。まともな人ならその気持ちになるのは当然のことと言えるだろう。
「大丈夫ですよ。隣にいる先生なら治せますから。」
「そうだ、安心しろ。僧の格好しているが、いちよう医者だからな。とりあえず村人を一箇所に集めてくれないか?村人全員調べてみる。」
「わかりました。」
香は半助に安心させるようにつぶやくと、それに呼応するように紅鷹も安心するようにという。そしてさらに紅鷹は診察のためか半助に集めるようにと伝える。
紅鷹に言われた半助は早速とばかりに外に出た。半助は村人達に村の中央に集まるようにと伝え始めた。
そうして30分も経たない内に村の中央に村人達が集まった。小さい村だったので思ったよりも集まった。しかしそれよりも村人達は不安だったのだろう。未知の病気のため、それを診てくれるという医者が来たのだからわれ先にと人々は押し寄せた。
しかしそれを今はない。どうやら村長あたりがなだめ、落ち着かせたのだろう。そう判断していた二人だったが、さっき集めろと伝えていた半助がこっちにやって来た。たぶん報告かなんかだろうなぁと思っている二人だった。
「全員村人が集まりました。」
「わかりました。紅…じゃなかった…先生出番ですよ。」
報告を聞き終えた香は隣にいる紅鷹に早くしろと促してきた。そのとき香は名前の言い直しをしたが気にしないでおこう。
「わかってるって。下準備はできてるんだからな、後は発動させるだけっだっと。」
香に言われた紅鷹は文句を言いながらも準備はできていると述べそういうと―――――
―――発動した。
それは村全体に広がる大きな結界だった。東西南北に光る柱のようなものが立っていた。その結界の境界は誰もが通れないようになっている。もちろん魑魅魍魎も
「これであいつらは逃げられないぜ。…さて除霊の時間だ!」
そう叫ぶと50は超えるであろう村人の中から何かが出てきた。それはまさしく『霊』と呼べるような姿であった。魂が抜け出たような姿をしており、存在していないような雰囲気だかやはりそこには触れないが存在しているのである。その霊は村人のすぐ真上でふわふわと漂っている。
「またこりゃ、うようよと出てきたもんだな…。香、一気に行くぞ!」
「はい!」
紅鷹は数の多さにため息をつく。しかしそれも一瞬で次の瞬間には内ポケットにしまっていたメスを取り出して、香に合図を送る。
合図を受け取った香はすぐに呪文か何かの言葉を唱え始める。
「名が成す世界の万物よ。我が力となりて、彼の剣に魂を与えよ!氏霊術開放!」
「よっしゃ、行くぜ!刀剣変化!」
すると香が言い終わるのと同時に紅鷹の持っていたメスが光輝く。輝くのと同時に紅鷹も呪文を唱えながらメスに文字を刻む。そして輝きが収まるとメスは見事な刀に変わっていた。その刀はどこかの名のある人が打ったに違いない見事な刀で一振りすればなんでも切れそうな刀であった。
刀に変わった瞬間紅鷹は地面を大きく蹴ると一番近くにいた霊を頭からスバッと一撃で両断する。
「よし、一人目!」
一人目を一瞬で切ると、次に二人目、三人目と次々に紅鷹は霊に切りかかっていく。宙で2、3切ると1度地面や木、屋根の上になどに着地して体勢を立て直し、また飛び跳ねる。それを何回も繰り返している。
もちろん霊の方も抵抗しないわけではない。念力かなんかの力で岩やら木やらを紅鷹の方に飛ばして攻撃している。しかし紅鷹はその飛んできたものを何の問題もなさそうに切っていく。少し刀を振っただけで何もかもきれいに切れてしまっていた。
「たく、こうも数が多いとめんどくせぇな。」
紅鷹は文句をブツブツ言いながらも霊を切っていく。
「なんだこれは…」
半助はこの光景に口を開けて愕然としていた。他の村人もこの光景に目を疑っていた。口々に何が起こっているんだだの、これは夢なのかだのと言いあっている。
「驚いた?って言うまでもないわね。」
驚いている半助の横に香がやってきて話かけてきた。
「これは…いったいなんなのですか?」
「いつもながらこれは一般人には見てもわからない状況よね…」
半助は驚きながらも香にこの状況の説明を求めた。それに香はいつもいつも同じことが起きているが、毎回どこも反応が同じに少しばかりあきれている。
「私達は見ての通り普通の人ではないのです。私達は『指名師』と言います。正確には先生だけが『指名師』で、私はただの助手ですが…」
そう香が言い出すと、半助に『指名師』そして今現在の出てきている『霊』を続けて説明しだした。
―――指名師。それは名前のための医師である。名前を名づけられると名前自体に魂が宿り、名前によって魂の善し悪しも変わってくるという。魂は1度宿ると名前が変わるまでもしくは名前がついた人及び物が亡くなったり、壊れたりするまではそこに宿り続けるという。
では死んだり、壊れた後宿っていた魂はどうなるか。もちろん正しくいけば無事成仏するだろう。
しかし例外もある。それがこの現状を作り出していた霊たち……『氏霊』である。名前がその土地に多く生まれるとそこに魂も多く生まれる。その魂たちが成仏できずにこの世に溜まり過ぎると限界がくる。
魂は始めの頃は無害だが、年月を重ねることにこの世の悪意を取り込み続ける。悪意を取り込み限界が来て現世に現象として起きるのが氏霊である。この村に起きていた病もこの氏霊が原因だと香は言った。
そして氏霊を救う存在こそ指名師である。指名師には氏霊に対抗するための能力を持っている。それはさっきやった『氏霊術』だ。氏霊術はその名の通り氏霊に対抗するための術である。
さらに氏霊術といっても内容はさまざまで攻撃手段や回復とたくさん種類がある。現代のものに置き換えると魔法といったところだろう。
そして現在香が使っている技は『氏霊術開放』、紅鷹が使っている技は『名装変化』である。氏霊術開放は氏霊術の中でも基礎中の基礎、その他の氏霊術を使うため土台であり、これが使えなければ指名師にはなれないくらい重要な技である。
これは対象となる物を変化させる準備をする技だ。名装変化は氏霊術開放によって準備された物を実際に変化させる技である。そして名装変化が解除されるのと同時に変化していた対象も元に戻る。
香はそれらの長い説明を半助にし終えると紅鷹の方に目を向ける。向けた方向を半助も見ると氏霊の数はあと少しばかりになっていた。
「もうそろそろ……ッ!」
紅鷹がそう呟くのと同時に、今まで切って成仏していたと思われた氏霊たちが一箇所に集まり、巨大な霊となった。
巨大な霊は紅鷹に睨みを利かせ、そして殴りかかってきた。巨大化し、力がついたことにより実際に殴る蹴るなど、存在するものを直接攻撃できるようになったようだ。
「最後の仕上げだな。香!」
「わかってます!」
紅鷹は出てきた巨大な氏霊に驚くことなくその攻撃をすべて避けると香にまたもや合図を送る。
香わかっていたようで、すぐさまにでもできるように準備が整っていた。
『古来長き世の名が紡ぐ力の源よ。我が力となりて、彼の剣にさらなる魂を与えよ!』
二人は同時に呪文を唱え、紅鷹は呪文と同時にさっきと同じように文字を刻んでいく。するとまた光輝き、それも収まるとさっきの刀は青白く光っていた。
紅鷹はそれを見て何か思ったのか皮肉っぽくニヤリと笑う。それも少しの間で、紅鷹は巨大な氏霊目掛けて大きくジャンプすると氏霊に向けて大きな声で叫ぶ。
「俺の大技受けとれぇぇぇ!法名滅相刃!!!」
技名を吠えたながら紅鷹は大きく振りかぶり、そして真上から巨大な氏霊を真っ二つに切る。氏霊は何もできないまま二つに切られた氏霊は光となって消滅していった。
紅鷹と香はそれを見て満足したのか二人は微笑んでいた。
「ああ、ついに…この村が救われたぞ!!!」
『わあああぁぁぁ!!!』
霊の消滅や二人の笑顔を見た半助はこの病の正体が二人の尽力な行動により救われたのだと安心して、さらに嬉しさによって叫んだ。それに呼応するかのように村人達も大きな声で叫び、喜びを表現した。村人たちは抱きしめあったり、涙を流していたりと心から歓喜した。
「また一つ村が救われたな。」
「そうだね。」
この光景を見ていた二人も笑っていた。二人も自分の行いのおかげでまた一つ救われたと喜んでいるのだ。
そこに半助がやってきた。
「本当に…ありがとうございました。」
半助は頬に涙が伝うほどの涙を流しながらも、二人にお礼と言った。
「そんな気にしないでくだいさい。これが私達の仕事ですから。」
香は手を横に振って謙遜するように半助に言った。
「あと私達はもう行きますね。」
「もうですか!一日だけでもゆっくりしてってくださいよ!」
「俺達はまだまだ救わないといけない村があったりするからな。一刻も早く他の人たちも救いたいんだ。」
香が自分達はこの村からすぐに出ると告げると、半助は驚き、そして少しでもお礼がしたいと二人に言う。しかし紅鷹は次に旅立つ理由を言うと、半助もしぶしぶとだが納得してくれた。
「では、旅のご無事を。」
「おう、俺らは強いから大丈夫だ。」
「半助さんたちもお元気で。」
3人は村の入り口まで来た。そして最後の挨拶をお互いに済ませるとは紅鷹と香村から去っていった。
「ああ、あんなこと言った手前また野宿になるのか…」
「次の村や町だって私達が必要かもしれないんだし仕方ないでしょ。一人でも救うために急がないと。」
「わかてるよ。よっし、次もがんばるぞ!一人でも多く助けるんだ!」
さっきの村から少し経っている道中で、紅鷹は今日の寝床を心配していた。だが香が次の場所の心配をして、それを理由に紅鷹を納得させた。紅鷹もそれがわかっているのでそれ以上何も言わず、代わりに意気込みを叫んでいた。
この話はここで終わる。だが二人の旅はまだまだ続くのであろう。危険なことや悲しいことなどあったかもしれない。だがそれ以上に嬉しいこと喜ばしいことがあったに違いない。
これはどこかの物語。これからもこの話は受け継がれていくのかもしれない。
―――the end
いかがでしたでしょうか
紅鷹「おい待て、お前なんで俺が短編なんだよ!」
仕方ないだろ
これ連載にするほどネタが思いつかなかったんだよ
2、3話なら思いつくがな
だから短編
紅鷹「チクショー、俺の出番はもうこれで終わりか…」
ごめんね
あともう少しいろいろ設定とか出したかったんだけどね
でもこれからもこれを読んだ人達の心の中でいき続けるから
紅鷹「お前その台詞痛くないか?」
うるせー
では感想・評価できればよろしくお願いします