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別れを選ぶ勇気は、運命線の先にあった

作者: 空詩
掲載日:2026/01/17

私は彼と一緒に、少し緊張しながら占い館を訪れた。

「いらっしゃいませ。お二人でのご来店は初めてですか」

先生は私たちを座らせてくれた。


「はい、そうです。今日は手相を見て欲しくて…」

「それと、二人の相性もお願いします」

私は伝えた。


彼は黙って頷いていた。

最近の私たちは会話が減ってきていた。

五年も付き合っているのに。


先生はまず私の手を取った。

「運命線が…途中で二つに分かれてますね」

「それって…」

「選択しなければいけない時期に入っていますね」


次に彼の手を見る。

「あなたの運命線はまっすぐね」

「でもね…お二人の運命線交わってないの」

「え、」

一気に、部屋の空気が静まり返った。

「でも、私たち五年も一緒にいるんです」

私は必死に訴えた。

「一緒にいることと、運命線が交わることは別物なの」

先生は受け止めるよう優しく伝えてくれた。


「…俺も薄々は気づいていました」

彼が初めて口を開いた。

「今でも好きだ。でも、このままじゃ未来が見えない」

そんな彼を見て私は涙が溢れた。


「別れるべきですか」

私は言いたくなかった。でも勇気を出して聞いた。


「これは私が決めることじゃない。ただ…」


先生はもういちど私の手を見た。

「どの選択をしても、あなたはちゃんと幸せになれる」

「どの選択でも…」

私は深呼吸をした。

そして彼に伝えた。

「別れよう」

彼は泣きながら頷いた。


「ありがとう、五年間」

「こちらこそ、ありがとう」


占い館を出る時、私たちは最後に手を繋いだ。


「じゃあね」

「元気でね」

私たちは別々の方向へ歩き出した。


私にはまた次の新しい道が続いている。

「どんな選択をしても私は幸せになれる」

そう心の中で呟いた。

そして別れを選ぶ勇気も、二人の愛の形なんだと気づいた。


明日から私は、一人だ。

だけど怖くはなかった。

運命線の先に、新しい光が見えた気がした。

読んでいただきありがとうございます、


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