月日は流れて
その日、珍しく僕は気落ちしていた。
小学校からの腐れ縁である折笠や相良は勿論、人の状態など全くお構いなしの越智まで近寄って来なかった。
2、3日して、とりあえず気力は回復した。話し掛けられて返すことが出来るようになった。
折笠はいつもの調子で話をし始め、相良はいつも通り冷静な眼で僕を見ていた。
何日か経ったある日、手紙が来た。消印は仙台になっていた。差出人の名前はない。
開けてみると『友人とは何か答えよ』とワープロ打ちされた紙片が出て来た。それを見てすぐに解った。相良だ。
僕は返事を書いた。そして相良がやったのと同じように、他県に住む友人に頼んでそこから手紙を出してもらった。
それから数日後、相良が僕の元へやって来た。
「興味深い答えを有難う」
「どういたしまして」
そう返すと、相良は愉快そうに微かに笑った。
「すぐ俺からだって解った?」
「最初は悪戯かと思ったけどね。あんな手の込んだこと、他の奴が考えっこないし、第一、計画倒れで終わるだろ」
相良は満足しているように見えた。そんな奴を見て、僕は言葉を零した。
「タイミング悪いよな」
「そうみたいだな」
相良も解っていたようだった。
僕達は互いを認めながら、それ以上歩み寄れないと解っていた。
僕が相良に人として興味を持った時、相良は無関心だった。
今度は相良が僕に興味を持ったらしいが、僕の興味はもう誰にもなくなっていた。
そして今日。
「悪い。待ったか?」
「いや」
横浜駅の構内で、僕達は5年振りの再会を果たした。
END
本作品は学生の頃に書いたものです。
時代を感じさせる単語が出てきますが、あまり手を加えたくないためそのままにしました。
数字や漢字の表記は一部修正しております。




