第六話 乱闘
ウルグの一人称が、間違えて「俺」から「僕」に間違えていることがあります。できるだけ直していこうと思いますが、気づかず間違えている場合はすいません。
「しゃがめ!ゼノ!」
しゃがんだゼノさんの上を通るように、空手家の男に、メイスさんは炎を浴びせた。だがその男は地面を蹴り、宙に浮いてからメイスさんにかかと落としを食らわせようとした。だがメイスさんは一歩下がって攻撃を避けた。
「これをくらえっ!」
俺はそこらじゅうに落ちているダンボールを一つ拾って『廃品処分』の能力で燃やした。そして燃え上がったダンボールを空手家の男に投げた。
空手家の男は必ず避けるはず。だが避ければ背後の大量に積まれたダンボールに燃え移ってここの資源諸共全焼するだろう。そしてその棚すらも倒れて木っ端微塵だ。
俺達の安全は保証できないが、一か八かの賭けだった。
「くぁっはっぁ!無意味なり!」
そういうと空手家は音がなるほど息を吸った。するとそれを一気に吐き、ダンボールの火を消した。するとその風圧で逆に俺達の背後の棚が倒れてきた。
「うわぁっ!」
「メイス!」
「分かってる!」
メイスさんが火を出して棚ごと破壊しようとした。だがその炎は棚を貫通し、当たることは無かった。
「まずい!避けろぉっ!」
崩れ落ちる棚からギリギリで避難した。
「メイス!お前何やってる!」
「違う、恐らくあの空手家の能力だ。あいつ見た目に反して特殊な攻撃をしてきやがる。」
「くぁっはっぁ!無意味無意味ぃっ!死にゆく貴様らに我の能力を教えてやろう!その名も『無干渉』、我の決めた無生物に貴様らは干渉出来なくなる!だが同時に使用はできず、一度使うと一分のクールタイムを必要とする!そして…」
いかつい顔つきを歪めるようにしてニヤリと笑った。
「今の説明で一分が経った。」
瞬間、天井の巨大な円形の電気が落ちてきた。
「だが貴様らは『無干渉』なり!」
俺とゼノさんは逃げようと走ったが、メイスさんは肩にポンと手を乗せてきて、「俺のそばでしゃがんでな」といった。
そして俺達はしゃがんでいた。だがメイスさんに電気が当たりそうになった瞬間、魔法を放った。
「『灼熱』!」
当たるはずがない。なのにその攻撃は電気に直撃して破壊ができた。
「ふぅっ、危ない危ない。」
「ちぃっ!バレたかぁっ!」
「どういうことですか?メイスさん。」
「あいつの能力は無生物に干渉出来なくする能力。てことは普通その物は俺達に当たらないはず。だがそれが当たるってことは能力を解除してるってことだ。だからあいつは俺達に当たる直前、能力を解除して当たるようにしてるんだ。言っちまえば、干渉出来ないのは途中までの見掛け倒しの能力ってこった。」
それだから灼熱が当たったのか。そう言われると余裕そうに空手家の男は笑った。
「何!それがバレたからどうしたというのだ!」
「お前が弱くなったってんだよ。脳みその回転まで弱くなったのか?」
空手家の男は怒りで、血管を浮き出させ、顔を真っ赤にした。
「くぁぁぁぁぁ!本当の我の力見せてやるううう!!」
メイスさんは飛びかかってきた空手家の男の頭をかかと落としで地面に落とした。埋まった男の表情が怒りで歪んでいたのが見えた。
「やっぱり、見掛け倒しかよ。」
こうして俺達はヴォイドベースを占領出来たのだ。
第六話 完
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