第三話 運命の分かれ道
これから文字数は大体1000文字で統一します。よろしくお願いします。(*^^*)←なんかこいつ出てきたんだが
ヴォイド・スカルと俺の睨み合いにメイスさんが割って入った。
「ウルグ君との関係はよく分からないし、そこに踏み入るのも野暮だろう。とはいえ、お前が危害を加えない証明もない。武器は捨ててもらおう。」
「…まぁいいや。ほら。」
そう言うとヴォイドはピストルをポイと地面に捨てた。
「ウルグ・ハース君と話したいからお前たちはどっかに行っててくれるかな。」
そう言うとヴォイドは自分の頭をクイッと押した。すると突然、勇者様達は消えた。…消えた?何の話だ?
「あれ…なんでこんな所に…?そ…そうだ。ヴォイド・スカル!」
確かヴォイド・スカルを追ってここまで来たんだ。
「僕の魔法は恐らく『無知』ってとこじゃないかな。僕の生活には違和感が多すぎるし、物理学に反した物事が起こりすぎてる。三歳で気づいたんだ。」
ヴォイド・スカルは淡々と話す。初耳なのに何故か昔から知っているかのようだった。
「で、僕はこの魔法を工夫できるようになったんだ。記憶の部分をちょいといじくれば、存在するものを知らなかったことに出来る。例えば林檎のことを知らないようにすれば、林檎はこの世から無くなる。その力で僕は今何かを消したんだ。最も君も僕もそれが何かは覚えていないけどね。」
何かの話をしているが、なんの事だ?まるで周りの誰かに話しているようだった。誰もいないのに。
「…お前の言ってることはよく分からないが、簡単にまとめると、こういうことだろ。『無知』っていう魔法は、特定の物を知覚できなくする能力。だから間接的に言えば、その“特定の物”はお前の認知できる場所から消える的な。」
「そういうこと。飲み込みが早いと助かるね〜。ま、とはいえなんとなくの予想はできる。説明は面倒臭いし、割愛させて貰うけど恐らく今僕が消したのは『勇者』とかのリーダー的人物って所だろう。」
そう言うと、ヴォイドは「さて」という風に一息ついて口を開いた。
「本題に入ろうか…久しぶりだね。ウルグ・ハース君。確か前に出会ったのは君が五つの時か。」
「十二年。あれから十二年俺がお前のせいでどんな生活を…!」
「知ってるさ。いちいち騒ぎ立てるな。」
圧の籠った声でヴォイドは言った。
「あの日の事を別にどうとも思っちゃいないよ。強いて言うなら後悔があるかな。別にだからどうとかいう話でもないけど。」
「じゃあ何の用だ。」
「あの日僕は見たんだ。君の家族、ハース家の『秘密』を。簡潔な言い方をすれば、“人類殲滅”かな。増えすぎた人類を間引くってとこ。」
ため息をつきながらヴォイドは「馬鹿じゃないのか?」という表情でこちらを見てきた。
「俺だって…別にシャンドルの意見には反対だよ。なのになんで俺を、俺だけを狙ったんだ!」
「フッ…フフフ…そうだよねぇ?そりゃあ誰だってそれが気になるはずだ…」
笑いを堪えてヴォイドは言った。
「僕があの日君を狙って不遇な人生を送らせたのはある人物の指示さ。僕がさっき消した中の誰かがね…」
するとヴォイドは脳のスイッチを押すようにして、先程のように頭を押した。
瞬間、忘れていた勇者様達が復活した。
「っ…!ヴォイド!」
するとランスさんは手が凍っていくのも気にせずに、氷の嵐を起こした。
そんな中で風邪で倒れているメイスさんが口を開いた。
「ここで…ここであいつを倒さなければ、人類は滅びる…!!あいつを殺せ!」
第三話 完
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