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第二十話 メイスという男

メイスの過去編?的なのをやります。事前に言いますが、尺稼ぎです!!!すいません!!!尺稼ぎです!!!

メイス・クリムゾンは、『サン』という神によってこの世に生を受けた。

クリムゾン家は比較的裕福な家庭で、絶対王政を行っており、ウルグがいる一家でもある、ハース家とも肩を並べる程の権力を持つ家庭だった。

クリムゾン家のアリア・クリムゾンは、夫であるスカイ・クリムゾンと二人の子供を産んだ。メイス・クリムゾンと、カイ・クリムゾンである。

二人の子供の出産は、クリムゾン宅で行われた。何しろ裕福だったので、家に専用の助産師をつけ、専用の部屋も作ったのだ。

出産後、二人の子供を、魔法で保護されているカプセルに入れた。そして助産師やアリア達全員が一瞬目を離した。そしてカプセルを開くと、カイはいなかった。代わりに残っていたのは、メイスの体全体にベットリと付着した血液。


メイスはカイを食らったのだ。


その後、五歳で炎の魔法を使い、クリムゾン宅を燃やし尽くした。魔法による事故は、世の中よくある事だ。そのため、魔法保険という保険まで用意されている。だが、クリムゾン宅程の豪邸を燃やし尽くす力は、今まで見たことも聞いたこともなかった。結果、十歳に至るまでに、親戚含む、クリムゾン一家を皆殺しにした。

そして、そこに実力を感じた前ギルド長(イズミさんの一つ前の代のギルド長)はメイスを勇者に誘ってしまった。結果、他の三人の勇者はメイス・クリムゾンに殺害された。

だが、ギルド長はそれすらも隠蔽した。勇者は引退したということにし、新しい勇者を三人雇った。そして、全ての仕事を友人であるイズミに押し付け、ギルド長も行方不明になった。

後日分かったことだが、そのギルド長も証拠隠滅のためにメイスに殺害されていたという。


だが、そんな時メイスに『サン』は忠告をした。目立たず、主であるウルグ・ハースだけを殺せと。

結果、メイスは裏で手回しをして、ウルグ・ハースの父親であるシャンドル・ハースに虐待を行わせた。だが、それでもウルグは勇者になってしまった。

そして現在に至る。現ギルド長であるイズミは実は、その全てを知った。出張先で、調査をしていたイズミは、出産に携わった助産師や、昔の勇者の遺族の話を聞き、メイスの狂気の全貌を知り、出張を中断して急いで向かってきた。

これがメイスという男である。こんな実力があっても、伝説の勇者はメイスにはなれなかった。


イズミには分かっていた。才能が大切なのではない。力を得ようとする努力が、人を惹きつけ、結果的に強くなるのだと。


第二十話 完

締め方が分からなかったので、無理やりイズミさんで締めました。

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