蛙の田中(仮)の人生
蛙の一念発起でご近所さんにあいさつ回りをする田中(仮)ですが…
ご近所さんにあいさつ回りをしてきました。
広田さん(仮)からは「ウケる(笑)」といわれ、成田さん(仮)からは「気は確かか!?」と言われ…剛田さん(仮)夫婦には「…(気まずそう)」って対応をされましたが、私はめげませんよ!
…さて、今日は雨降り。
私の旅立ちには絶好の日和です。
…が、1つ問題が。
今日に限って毛のある怪物(人間は猫と呼ぶ)が、畦道をうろついてるんです。
雨なのに。
奴らは濡れるのが嫌いなのか、雨の日は来ないはずなんですよ。
なのに…なのに今日に限って!
私の一念発起を「無駄」と言わんばかりの感じで!
白と黒のもふもふが!
「いざゆかん!」と私が田んぼから顔を出すと「じー」っとこちらを見るのです!
奴にだけは構われたくない!
何が嫌かって、奴ら我々を食べないんですよ!
人間と一緒にいるからか、腹は減ってないのに!
我々を捕まえて、散々虐めた挙句…人間のところに持って帰ったり、知らぬ場所に放置したり、散々です!
考えてみてくださいよ!
あなた方も「知らない奴に知らないとこに連れて行かれ、散々虐められて怪我してるのに放置」って嫌でしょう?
まだ、腹が減ったから食うわーって言われたほうが報われますよ!
「あ、私、糧にされるー」みたいな感じで。
「おもしろっ(笑)」って遊ばれて、必死で逃げても捕まって!
奴ら、蛙だからってバカにしてるんですよ!
(でも何もできない…私は無力な蛙です…)
はぁ、早くどこかに行ってくれないかな…
もふもふは今はおやつ(バッタ)にちょっかいだしてますね。
あ!くわえた…あ、即効出した…
私、あのおやつ(バッタ)は食べないようにしようっと…なんか嫌だから…
行動理念がわからないのですよね、彼らは…
あ、今度は寝転んでくねくねしてる…
なんだろう、あの行動は…
理解に苦しみますが、見てるぶんには暇つぶしにはなりますかね…
そうこうしているうちに、段々と夜が更けてきました。
私はジメジメ田んぼに居座ってます、はい。
…おや?
白黒怪物はいなくなってますね!
よし、少しタイムロスしましたが、気を取り直して出発ですっ!
…畦を…もう少しで…越えられる…ふぅ。
田んぼから出て、畦を越えてきました。
途中でおやつ(バッタ)を見かけたので、休憩がてら小腹を満たしていたら、少し時間がかかってしまいましたね。
…あれ?
もふもふがちょっかいだしてくわえたおやつ(バッタ)じゃなかったよね、これ?
…まぁいいか。
…よっこいしょ。
…ふう。
とりあえず、道路とやらに着きました。
…思ったより固いですね、道路とやらは。
しかもこれは…なんと広い。
四角い怪物(車)が通る場所ですから、それなりの広さを想像はしてましたが、予想外でした。
早く行かないと怪物がきそうですが、10回くらい跳ばないと、反対側には行けなさそうですね。
…よし。
気合をいれて…さぁ!行くぞ…
ピョコピョコ…ハァハァ…
ピョコピョコ…ふぅ…
あと少し…ですが、何やら眩しくなって…
うわっ!
と、遠くから…怪物が迫って…
ピョコピョコ…あぁ…
ピョコピョコ間に合わないっ!
………!!!
お読みいただき、ありがとうございます。
田中(仮)は、ご近所さんにあいさつ回りをして、旅立っていきましたね。
でも、旅立った先で四角い怪物(車)が遠くから迫ってきました…。
田中(仮)の運命は、次のエピソードで!
…引っ張ってよかったのかな…(笑)