全知全能の俺
俺はこの世のすべてのことを知っている。
この世の1%のことすら一人の人間は知ることが出来ないなどと言われるが、俺は神なのである。
名前は成田飛右馬。年齢は32歳。職業はニートだが、テレビのクイズ番組で現在3回連続優勝を誇っている。
全知全能の俺は人間どもに俺の素晴らしさを知らしめるため、知能指数テストを受けにやってきた。
会場にはいけすかない顔をしたやつらがたくさんいた。まるで自分を全知全能とでも思っているようなやつらだ。
彼らは勘違いしているのだ。うぬぼれているのだ。自分のことを神か何かだと思っているのだ。
ただの人間のくせにかわいいやつらだ。
テスト用紙が配られる。
ぱっと見た感じ、幼稚園のお遊戯みたいな問題ばかりだ。
俺は鉛筆を取ると、名前を書く欄からまず埋めはじめる。
「あっ。君!」
試験官に声をかけられた。
しまった、まだ名前も書いてはいけないルールだったか?
いかに俺が全知全能といえどもそんなルールまでは知らなかった。
試験官は、言った。
「名前の書き順、間違ってるよ」
大人が書き順を間違えやすいらしい『成』『田』『飛』『右』『馬』を名前に使ってみました。
ちなみに私は『田』以外すべて間違ってました(*´ω`*)