なりふり構わず、私は貴方を捕まえたいの!
私は、好きな男性と結ばれない女なのかもしれない。
今までの私の恋愛は? 好きになった男性を他の女
に取られる人生だった。
どんなに私が相手を好きでも、伝わらない。
報われない恋愛。
初めて好きになった男の子も、彼には既に他に好きな女の子がいて
ちっとも彼は、私の事を見てくる事はなかった。
私の一方的な片想いで終わる。
私が、高校一年生の時に初めて彼ができた。
でも? その数ヶ月後、私の親友の女の子に彼を取られる。
彼女は、私を放課後呼び出し二人きりの時にこう言ったの。
『ごめん、和花! ワタシ、律希クンの事が好きになっちゃって!
本当にごめんね。別に、和花を傷つけるつもりはなかったんだよ。
でも、どうしても律希クンの事を諦めきれなかったの!』
『・・・もう、別にいいよ。』
『えぇ!?』
『私も、律希クンの事は好きだったけど、親友の蘭が律希クンの事が
好きなら、仕方ないじゃん!』
『和花、ありがとう。』
『・・・うん。』
私は、親友の蘭にそう言われて簡単に身を引いてしまった。
勿論、一人で部屋に居る時には、後悔してずっと泣いていた事を
憶えている。
何故? 私は親友の蘭に彼を渡してしまったのか?
何故? 身を簡単に引いてしまったのか?
私は、律希クンの事があって高校の3年間は、、、?
他の男性を好きになる事ができなかった。
私に、告白してくれた男子もいたのだけど? 断り続けた。
あの時の私は、まだ律希クンの事を忘れる事ができなかったからだ。
*
・・・あれから数年の月日が流れた。
私は、やっと昔の恋愛のトラウマから解放される。
時間と共に、あの時の辛い記憶が薄れていったからだろう。
また、ステキな恋愛がしたいと思えるまでに回復していた。
そんな時、会社の同僚が紹介してくれた男性がいる。
私は、すぐさま彼に恋心を抱いた。
彼も、私の事が少しは気になっていたようだ。
初めて会った帰りに、私と彼はLINE交換をした。
直ぐに、彼から私にLINEがきた。
【お疲れ様! 今日は、ありがとう。】
【私こそ! ありがとうございます。】
【久しぶりに、今日は凄く楽しかった。】
【私もです。】
【また、今度! 次は、二人きりで会ってくれないかな?】
【えぇ!? あぁ、はい!】
【じゃあーまた連絡するね!】
【はい! 待ってます。】
【じゃあ、おやすみ。】
【おやすみなさい。】
これが! 最初の彼とのLINEのやり取りだった。
私と彼の心の距離は、次第に縮まっていく。
私も彼の事が気になるようになり彼も私と居ない時は
私の事を考えてくれるようにまでなっていたというのに、、、。
私の会社の女性の同僚に、バッタリと私と彼が居る時に出会ってしまった。
彼女は、人のモノを欲しがる女の子だった。
彼が、彼女の目に留まってしまう。
知らないところで、彼女が彼の職場を調べて連絡して
私の知らないところで、勝手に二人で会う仲になっていた。
それを知ったのは? たまたま彼が私と一緒に居たい時に
“彼女”からLINEが入ってきた、それを私が見てしまう...。
何にも知らない私がバカみたいだけど、、、?
知らなかった私が悪いと諦めようとも思っていた。
でも? またあの時の恋愛みたいにはなりたくない!
今度こそは、どんな事があっても彼を渡さないと決めた私は
彼を連れて彼女に会いに行った。
ここからは、案の定! “修羅場になってしまった”
『どういう事なの? 二人の関係は、いつから?』
『・・・・・・』
『柊クンは、何も悪くないの! 全部、ワタシが悪いんだから。』
『どっちが悪いかなんて聞いてないでしょ! 何時からこんな関係を?』
『・・・初めて、紗菜ちゃんと会った時からだよ。』
『その時から、私を柊は騙してたんだね。』
『・・・ち、違うんだ! 俺が好きなのは、和花だけだよ!』
『えぇ!?』
『じゃあ、証明して!』
『・・・どうやって、』
『彼女の前で、もう金輪際会わないって! 約束して!』
『・・・・・・』
『・・・分かった。』
『柊クン、』
『済まない! 俺が好きなのは和花なんだ! だから君とはもう会わない
和花にも約束するよ。』
『・・・サイテー男! もういいわ! ワタシからお別れしてあげる。』
『紗菜ちゃん、』
・・・彼女は、そう言って席を立ち、その場を去って行った。
私は、なりふり構わず貴方を捕まえていたいだけ。
もう、後悔したくなかったから。
でも、今はこれで良かったと思ってる。
ずっと彼が私の傍に居てくれるから。
最後までお読みいただきありがとうございます。