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1 フリッツァ、在校生代表として入学式で祝辞を述べる

主な登場人物

フリッツァ・ペングラム:帝大附属高等部、神理騎兵科3年。

「新入生の皆さま、帝国大学附属学院高等部への御入学おめでとうございます。このたびは皇帝陛下、皇后陛下のご臨席を賜り、皆さまをお迎えできることを在校生の一人として喜ばしく思います」


 ミストア帝国七二〇年四月吉日、帝大附属高等部大講堂。


 金髪碧眼の少年が壇上に立ち、よく通る声で新入生たちに語りかけた。帝大附属高等部の第一種礼装を身にまとい、在校生代表として祝辞を述べているこの少年はフリッツァ・ペングラム、神理騎兵科しんりきへいか三年生だ。


 フリッツァは再び口を開き長広舌をふるった。

「百年前、偉大なる皇帝キュクレス大帝が次のように御決心あそばされた時から本校の歴史は始まりました。

『我が子を臣民の子供たちと共に学ばせよう』

『国中からひろく俊秀しゅんしゅうを集め、国家有為こっかゆういの人材を育てよう』

 かくして帝国大学附属学院建学の詔が宣布され、宮殿と近衛騎士団より用地提供を受けて開学のはこびと相成あいなりました」


 ここで一旦切って、周りを見渡す。眼下には静かに拝聴する新入生たちの姿が、視界の左端には皇帝皇后以下賓客のお歴々が見えた。


 フリッツァの祝辞は続く。

「……『皇族の子と国民の子が一同に会する学び舎を作りたい。これは帝国宗室の愛民精神の発露であり、皇室の臣民を愛育すること厳父慈母のごとし。君臣一体の国づくりがこれより始まったのである』……学院史にはそのように書かれております。

 いうまでもなく教育は国家百年の礎であります。大帝の偉大なる構想が百年の歳月を経て今日の帝国の繁栄の基となりました。

 皆さまは第一〇〇期生として学業研鑽に努め、次の百年を支える人材とならねばなりません。

 皆さまは今日より本校の生徒になります。それは皆さまがキュクレス大帝の生徒になるということであります。大帝の生徒であることを誇りとし、また、それに恥じぬ学生生活を送ってください。在校生代表、神理騎兵科三年フリッツァ・ペングラム」


 拍手が湧き起こった。貴賓席に向かって深くお辞儀、降壇してもう一度皇帝皇后に一礼、学院関係者席に戻る。続いて入学生の代表が答辞のために立つ。第一〇〇期生――今年の新入生――には皇族がいるのだが入学生総代には選ばれなかったようである……


はじめまして、竹取翁と申します。なろう初心者です。よろしくお願いします。

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