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不老不死者と幼女の幸福な日々  作者: 野咲由仁
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異世界に追放されます

一応現代日本を舞台にと思っています。

魔法なんかも出る予定です。

年代を感じさせない白亜の城、ピカピカに磨きあげられ覗くと顔が写りこむ大理石の床を忙しなく行き交う人々の足音と声音のなんとうるさいことか。

ここは、神聖サンライズ王国で人間と魔族の混じり物の所謂『半魔人』が作り上げた楽園、理想郷である。創立は何年たったか…国王が10代くらいは変わっていたような気もする。軽く首を捻ってから考えるのはやめた。どうせ、思い出せはしないだろう。

頭を振って歩を進める。今日は何故だか王太子に呼びだしをくらっているのだ。いや、この間で王になったのだったか?どうだっただろうかと考えているうちに目的地へとついてしまう。

考え事をしていると時間の流れははやく感じてしまうものだ。

不老不死の能力を得てからは時間の流れが感覚が掴みづらくなっている。遅くなったりはやくなったり、正直面倒くさいことこの上ない。…この能力を望んだのは紛れもなく自分ではあるのだが。

小さくため息をつくと扉をノックする、返事はない。しかし、問題はないと扉を開ける。


扉を開けると緑の絨毯が床一面に敷かれ壁には本棚や戸棚が敷き詰められ部屋の中央にはいくつかの机に向かう人とそこに山積みにされた書類。そして、その奥に偉そうにふんぞり反っているのが目的の人である。

「やぁ、お邪魔するよ。」

差し支えのない挨拶をして用件を促す、さっさと部屋に戻りたい。が、コレはその意思を汲み取ってはくれないだろうな。

「俺は王様だぞ!お前風情がため口をきいていい相手じゃない!!」

ほら、やっぱり来た。こいつは俺を昔から目の敵にする、周りからなにかと気を使われていた俺を快くは思っていないのだ。

気を使われていたのも俺が不老不死者で扱いが難しかっただけなのだが目立ちたがりやはそうは思ってくれなかったらしい。

……というか王様になっていたんだな。下手に声をかけなくて良かったと思っていたら現王様が大声で笑い始めた。なんなんだ?コイツ?訝しげにしていると現王様は唐突に俺を指差し言った。

「お前は国外追放だ!!!」


はっ?そう声もでないまま俺は部屋に入ってきた大男二人に連れられ城の地下へとひきづられてきた。

ポイッと巨大な魔方陣の上に投げられ、受け身をとれずに体を強打する。いったぁ…昔なら簡単にとれたのに…そう思い毎日の訓練は大切なんだなぁと気がついたところで…現王様(くそ野郎)が地下へと降りてきた。ニヤニヤとイヤらしい笑みを称えて、あれ?これっていつかできいたことある「エロ同人みたいに!」っていう不思議ワードの展開では?慌てて辺りを見渡すと黒いローブを羽織った奴らが何人も魔方陣を取り囲んでいた。こいつら…魔術師か、ということは…。俺は現王様を見る、これからコイツがやろうとしていることは…!


「君は俺への不敬罪で国外追放…いいや、この世界から追放する。」

現王様が片手を挙げる、すると周りの魔術師どもは一斉に詠唱を始めた。



…あぁ、これで終わりか。


あっけないものだったと思う、俺は静かに目を閉じた。




初代国王だった親友(とも)を思い出す、約束を思い出す。


永遠(とわ)を生きるお前が心配で仕方ないんだ。もし、もしもこの国がお前を捨てることがあったのなら、俺の生まれ故郷に行け。あそこはいいぞ、きっとお前は楽しくて仕方ないくらいには…な。神々(みわ)家はお前を歓迎するさ…。』


ベッドに横たわる老人はその様を見られないのが実に残念だと笑っていた。



ああ、あそこまで言ったんだ。二言はなしだぞ。




俺はゆっくりと目を開ける。

そこは、すでに城の地下ではなかった…がこれは一体どういうことなのだろうか?

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