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ゆうかアプローチ  作者: 旭流遊
序章(アプローチ0):初デート
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初デート前日

前回のあらすじ:友達の理沙にからかわれながらも少し勇気をもらいました。

 授業が終わった。今日はひたすら眠たかった。

 昨日の夕食後すくーるらいふを見始めたのだったが、思いの外ハマってしまった。最終回まで見終わったあと続きがあることを知り、ついつい続編も最後まで見てしまったのだった。気がつけば朝で、遅刻こそしなかったものの授業中はひたすら睡魔と戦って時折負けた。授業が終わった今は不思議と眠気が飛んでいったため目が冴えている。

 ただ、実のところ眠気によってこの時間になってしまったことに対してはあまり後悔していない。実のところ今日の立ち回りに関しては難しいと感じていたので、このように半強制的に行動が決まったのはある意味ツイていたと言えるかもしれない。さらに、潜在的な眠気によって今夜はよく眠れることだろう。

 今日は早めに帰って明日のデートに備えねば。服とかプランとか、昨日は全然考えてなかったし。寄り道して服でも見ようかな。


 結局何も買わずに帰ってきた。こういうときの服ってあまり気合い入ってる風じゃないほうがいいのかすごく迷う。なるべくなら見た目にもいい印象を与えたいところではあるんだけれど、張り切っていると相手にもプレッシャーかけるみたいで気が引ける。目指すべきはそこそこの見た目でかつ飾り気がなく自然な雰囲気。新品じゃなくてちょっと着慣れた感じが良いかなと思って何も買わないことにした。大丈夫だよね?妥協ではなくあくまでもベストの追求なのだ。

 タンスの中を見ていたらサロペットが目に止まった。これはいいかもしれない。たしかチェックのキャスケットを持っていたはずだしボーイッシュな雰囲気にしてみようかな。それなら自然でかわいい感じに着飾れそうな気がする。これを中心にコーデしてみようかな。

 これでどうだ。デニムのショート丈サロペットにちょっと袖がひらひらした感じの白いトップス。キャスケットには缶バッジを2つつけた。ニッコリマークとハートでちょっとあざとかわいい感じを演出してみたつもり。自分にしては上出来に見えるけど自分の姿って見慣れてるせいか正直よくわからない。理沙に送って意見を聞くことにしよう。

挿絵(By みてみん)

 携帯が鳴った。メッセージが届いたようだ。案外早い返信だな……って虹村くん?

「明日、何時にどこで待ち合わせにする?そういえば、今日はずっと眠たそうだったけど大丈夫?」

明日のことに関する連絡のようだ。ちょっとした気遣いの言葉がうれしい。見てくれてたんだ。

「虹村くんが漫画を選びやすいところの近くの駅がいいかな。それと心配かけてごめんね。昨日教えてもらったすくーるらいふ!が面白くて徹夜しちゃった。ゆっくり話したいからお昼前に集合して一緒にお昼食べたいな」

返信が長くなってしまった。打っているときはそうでもないんだけど、縦長の画面で見ると結構圧巻だ。引かれたりしないかな。

「わかった。じゃあ山中台駅に十一時半でどう?」

「おっけー。よろしくね」

お辞儀スタンプを続けて送った。具体的な時間と場所が決まって一段落した感じがする。なんだか落ち着かない。期待と不安とで胸がいっぱいだ。せっかくのデートなんだから楽しみたいし、楽しく終わりたい。いろいろシミュレーションしておかないと。

 再び携帯が鳴る。今度は理沙からのメッセージだ。

「あざとい(笑)でもまあ、かわいいしいいんじゃない?がんばってきな」

太鼓判ってことでいいのかな?

「ありがとう。がんばる。」

声に出してつぶやきながら送った。

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