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ゆうかアプローチ  作者: 旭流遊
アプローチ2:創作の体験資料
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食事中の祝辞

前回のあらすじ:下着を一緒に買いにいくための言質をとりました。

「下着はあまり描かないってことは肌のほうが好きってことなの?」

「難しいところなんだよね。肌でも全面的に出ていると綺麗さのほうが目立ってしまって、エロさって意味では多少隠れているほうがあるとは思うんだけど、だからといって隠しているものそのものが好きかと言われるとそうでもないし」

「見えそうで見えない肌が好きってこと?」

「そんな感じのような違うような」

「そんな女体好きの博樹くんに朗報があります」

「ざっくりまとめたね。しかも嫌な予感しかしない」

「いや、まさか。なんと私、堂島優華。CカップからDカップになりました」

「えらいドストレートな報告だな」

「これに際しまして祝辞を述べていただきたいと思います。博樹くん、どうぞ」

「どうぞ、ってなんだ!どうぞって」

「友達だとしてもバストアップは祝うものだよ」

んなわけないけど。

「……はぁ。仕方ない。えー、このたび優華のおっぱいにおかれましては、CカップからDカップになったということでワタクシのほうでもお慶び申し上げたいと思います。キュートのCからデビルのDになったということで、その魅力はきっとさらに増したであろうと推察いたします。あの頃手の平で触れたおっぱいがさらに成長を遂げ、このようになったということには懐かしさと少しの寂しさを覚えます。しかしながら、ワタクシは優華の友人としてその成長を祝し、さらなる発展を願っています」

「……くっ。ぷっ……、ごめ……ははっ」

「笑うなら笑えよ」

「キュートのC、デビルのDって……。はははははっ」

祝辞がいろいろツボでヤバい。息ができない。

「ちょっと笑いすぎじゃ……」

「やー、ごめんごめん。ははははっ。明日腹筋痛くなりそっ」

「真面目に言ってみたんだけどなぁ」

真面目だからだよっ。まずは息を整えよう。

「すぅーっ、はぁーっ。落ち着いた。すばらしい祝辞だったよ、ありがとう」

「笑ってたじゃん」

「まあまあ、そう怒らないで。本題はここからなんだから」

「今までのは余興だったのか……」

「そう、カップサイズが上がった。というよりブラがキツくなってきて、下着の総取っ替えをおこなわなければならないんだよね」

「はぁ。それで?」

まずは無茶苦茶なほう言ってもうひとつの無茶なほうをマシに見せる。

「つまり、私のCカップ下着は不要になるわけだ」

「まあ、そうだろうね」

「そして、そこに参考資料用のトラベるが置いてある棚があるでしょ?」

「あるね」

「つまり、参考資料として私の古い下着を置くのはどうだろうか」

「いいわけないってわかってるよね?」

わかっているともさ。

「先の会話で下着の参考資料があったほうがいいかなと思って提案したんだけど……。ほら、必要になったときに手にとっていろんな角度から眺めながら見られるし」

「部室にそんなもの置けるわけないでしょ」

ごもっともです。

「じゃあ、持って帰ってもらってかまわないからさ。ほら、その、使ったりするでしょ?」

ここは虹村くんも譲らないラインだと見ているし、受け入れられても少し戸惑う。汚れてないか心配になるしね。

「持って帰らないし、使いもしないよ」

「え、私をオカズにしたりしないの?」

「……します」

溜めがあったけど、おそらくごまかせるかごまかせないか考えたうえでの判断だろう。まあ、そのへん好きじゃなくてもするだろうし覚悟に免じて深く言及しないことにしよう。

「本当にいいの?このままだと燃えるゴミになっちゃうけど」

「なんかもらったら大事ななにかを失いそうだからやめておくよ」

ふう、ひと安心。食いつかれても困ったからね。次、本命にいくとしよう。

「そう。じゃあ次。私はこれからデビルカップのブラを新調しに行くんだけど、付き合ってくれない?」

「え、なんで?」

「そりゃ女の子としてはさ、好きな人の趣味にあったものを身につけたいし、好きな人が選んでくれたものってだけでうれしくなるじゃん?」

さらに言えば、相手が自分の選んだ下着をつけているという征服感から所有欲を刺激したいという意図もあるんだけどね。

「下着だとイメージつかないけど、まあなんとなく理解はできなくもない」

「それに、博樹くんのためでもあるんだよ?きっと一人じゃランジェリーショップなんて行けないだろうからいいきっかけになると思ったんだけどな。資料用の下着の受け取りは拒否されちゃったし、もうこの手しかないと思うんだけど」

「周りの視線が」

「大丈夫、カップルで来てる人とかもいるし」

「カップルじゃないんだけどなぁ」

「でも、彼女作る気なかったらチャンスなんてずっと来ないよ?」

「……っ」

「異論はないようだね。じゃあ、食べ終わったら行こっか」

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