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ゆうかアプローチ  作者: 旭流遊
序章(アプローチ0):初デート
19/43

漫画選び

前回のあらすじ:アニメグッズとCD、DVD、BD等を見てまわりました。

 一階に戻り、漫画コーナーにやってきた。

「さてさて、メインイベントですよ、先生」

これが終わったらって気持ちをごまかすように、ちょっとテンションをあげて言ってみる。楽しまなきゃ意味ないしね。

「どういうの読みたいとかある?」

「あまり詳しくないからどういうのがあるのかすらよくわからないんだよね」

「じゃあスポーツものの少年漫画とかどうかな?結構女の子人気も高いんだよ」

「へぇ、意外。そういえばステップ読んでるって言ってたね」

「そうだね。アニメ化されて人気なのは最近だとこのバスケの漫画とバレーボールの漫画かな。バスケのほうは超人的な能力がいろいろ出てくるファンタジー寄りの漫画で、バレーボールのほうはやったことないからわからないけどリアル寄りだとは思う」

平積みにされた漫画を指差しながら虹村くんが語る。

「どっちも面白いんだけど、個人的にはこれかな。高校相撲の漫画なんだけど展開が超熱くて……って完全に僕の趣味だったね」

「いいよ、むしろこういう風に楽しそうに語ってるほうが一緒に選んでもらってるかいがあるってもんだし」

虹村くんが語っていた相撲の漫画を手に取ってみる。見るからに熱そうな漫画だ。

「ひとまず、これは保留にしてほかにも見てみようかな。さっき、女の子ばっかり出てくる四コマ雑誌がいくつもあるって言ってたけどそういうのはどうなの?」

「実はその辺はあまり読んだことがなくて漫画自体はそんなに知らないんだ。アニメ化作品をアニメで見るくらいかな」

「アニメで面白かったのは?」

「うーん、その辺は面白いとか面白くないとかそういう尺度で測るものじゃないんだよね。女の子たちの日常を楽しむみたいな。それに、アニメと漫画でいろいろ違うってこともあるから、アニメの良し悪しでは語れないんだ」

「なんか難しいなあ」

よくわからないけど複雑そうだしこれ以上は突っ込まないほうがいいかな。

「毎週ステップは読んでるんだよね?」

「うん」

「じゃあステップの漫画は詳しいの?」

「詳しいかって聞かれると難しいけど、最近のはだいたい読んでるよ」

「なら、今日はステップの漫画にしようかな」

結局こうなるよねって感じではあるけど、無難なラインだと思う。

「なるほど、じゃあ適当に気になるのを手にとってもらおうかな。それにいろいろコメントするって感じでどう?」

「わかった。探してみるね」

ステップの漫画が並ぶ棚に目を向ける。名前だけなら聞いたことのあるような漫画もちらほらあるようだ。ただ、巻数がすごく多い。面白いんだろうけど財布には厳しいかな。いや、待て。巻数かなり少なくないとまずいぞ。夏休みを控えている身としてはここで散財するわけにはいかない。となると夏休みに漫画を読んでという計画自体に無理がある気がしてきた。

「ん、どうかした?難しい顔してるみたいだけど」

顔に出ていたらしい。

「いや、予算的に夏休みを漫画読んで過ごすのは厳しいなと」

付き合ってもらっているのにすごく申し訳ない。

「たしかに、一冊一冊はそこまでしないけどそれが何巻も続くってなると厳しいよね」

気遣って同情してくれてるけど、申し訳なさがどんどん広がっていく。

「でも、せっかく来てもらったのに……」

「いや、全然気にしないよ。お店の中一緒にまわるだけでも楽しかったし、僕もいざお店に来てやっぱりやめようってなることもあるからさ。それに……」

「それに……?」

「すごく言いづらかったんだけど正直漫画よりアニメのほうが好きなんだよね、僕。だからさ、もしも僕の趣味に付き合ってくれるっていうならアニメを見てくれたほうがうれしいかも。せっかく見放題なんだしね」

あまりにも都合の良すぎる展開でなかなか信じがたい。が、正直これに乗らないと厳しいどころではなく、納得するしないに関わらず乗らざるをえない。

「ごめん、今日はやっぱりやめておこうかな」

「いやいや、こちらこそ。なんか騙してたみたいでごめんね。変にプレッシャーかけてたみたいだし」

「いやっ!そんなことな……」

声が大きくなりかけたところでシーっと虹村くんに制止される。

「じゃあ、おあいこってことで、ね?」

ありがとう、虹村くん。本当、無計画ですみません。

夏休みのイベントを考えていたら漫画を買っている場合じゃないという結論に。

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