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ゆうかアプローチ  作者: 旭流遊
序章(アプローチ0):初デート
18/43

アニメショップ(2)

前回のあらすじ:アニメショップの一階を見てまわりました。

「わあっ。すごい!」

「二階はグッズフロアだね」

 一階の書店のような雰囲気とはまた違って、雑貨屋のような感じがする。書店や雑貨屋っぽくはあるんだけど、どちらもすごい独特で、その独特さは似たような方向性のように思う。

 フロアを見てまわっているとあることに気がついた。

「あれ?結構キラキラした感じの男の子が多いんだね」

「ああ。それはたぶん女性のほうが関連グッズを買うことが多いからだね。だからグッズのところでは結構女性向けアニメの商品が他の部分より多くなってるんだ。まあ、店ごとに違うんだけど、この店はそういう商品が多めかな」

「女性向けのアニメとかもあるんだね」

「うん。数はそれほど多くないんだけど、それだけに人気が集中して、BDやDVDは結構売れるらしいんだよね。たまに見るけど面白いよ」

「なるほどね」

見てみようかなって言いかけたけど、虹村くんの趣味とズレたのを好きになってもなあってことで保留にしておく。

 見てまわっているともうひとつ気がついた。

「あれ、フィギュアがないんだね。意外」

「たしかに。売っている店もあるんだけど、こういうところにはないイメージのほうが強いかな。受注生産してることも多いし、店頭に並べるっていうよりは予約するほうがメジャーなのかもしれないね」

「そうなんだ」

今特段ほしいわけでもないからいいか。

 グッズはシャツやタオル、クリアファイルやマグカップといった実用品が案外多いらしい。ほかにはキーホルダーやぬいぐるみ、お菓子など、まあいろいろあるもんだ。

「次行こう次!」

 二階は一通り見てまわったので三階に移動する。

 三階はどちらかというと一階に雰囲気が近い。DVDやBD、CDなどが並んでいる。まずはCDの売場に行ってみる。

「こっちもキャラと人とがあるんだね」

アニメキャラの描かれたパッケージと人が写ったものが並んでいるようすが雑誌コーナーを彷彿とさせる。

「そうだね。主題歌を歌うのはもちろん現実的には人なんだけど、アニメの顔とも言える曲なわけだからそういう要素も捨てがたい」

「たしかに。あちら立てればこちら立たずってなるよね」

「そこで、これとか見てほしいんだけど」

虹村くんがCDを二枚手に取る。人が写ったものとキャラが描かれたものだ。

「あれ、同じタイトルだ」

「そう、こんなふうにアニメ版とアーティスト版で二種類用意することもあるんだ。ほかにも表と裏でそれぞれキャラと人が印刷されてたりするのもあったり」

「へぇー……じゃあこれは?」

CDのパッケージを眺めているとさっきの曲と同じタイトルでちょっと違う感じのアーティスト版パッケージが目に入った。

「ああ、これは初回限定版だね。この場合はDVDがついてるみたい」

「数百円しか違わないからちょっとお得感あるね」

「わかる。よくよく考えると払う金額自体は高いんだけど、謎のお得感はあるよね」

「そういえば、すくーるらいふ!のオープニングの曲気に入ったんだけど売ってるかな?」

「どうだろう。ちょっと前の作品だからあるとしたら旧譜コーナーだろうけど」

「じゃあちょっと探してみようかな」

 旧譜コーナーに移動する。どうやらアニメのタイトル順になってるらしい。

「えっと、あ……か……さ……す、ここか」

すで始まるアニメの棚を見つけた。低い位置にあるのでしゃがみこんで探す。

「うーん、あれ、ない……?」

「ああ、なかった?どれどれ……」

虹村くんもしゃがみこんで探し始める。近いよぅ。ドキドキしてきた。単純だなあ、私。

「あー、これはたしかにないね。たしかヒロインの声優さんがキャラ名義で歌ってたやつだから声優コーナーにもないだろうし、たぶん売ってないね」

「そうか、残念」

「まあ、曲を聴きたかっただけなら配信で販売してるのもあるから、音質とかパッケージとか特典にこだわりがなければこっちのほうが安くつくよ。曲単体でも買えるしね」

「そういうのもあるんだ」

「僕の場合は配信があればそれを買ってなければCDって感じかな。まあ、CDが出てるのはまだ親切な方で、たまにBDやDVDの特典になってたりもするんだよね」

いろいろあるんだなあ。

「あ、あった」

話を聞きながらスマホの音楽アプリで探してみると、それっぽいのが見つかった。目の前のCDは千円を越えているけど、この曲を買うだけなら数百円だ。

「たしかに安い。買っちゃおう」

ついつい勢いで買ってしまった。あとで聴こう。

「さてとお次は……」

BDやDVDの売場へ移動する。これで最後かな?

「すごい値段、これは手が出せないや」

第一の感想、値段がすごい。

「ちなみに、それ二話でその値段だからね」

「シリーズ十二話あったら単純にこの六倍……」

「映像だけで見ても全部絵で描かれていることを考えたらコスパ自体はいいんだけど、本当に好きな人じゃないとなかなか手は出せないね」

「でも、これ、テレビとか配信サイトで見られるんだよね?それでも好きなら買う人はいるんだ……」

「いろいろあるんだよね。パッケージとかもそうだし、おまけの映像やCDがついてたり、あとは本編の裏で声優さんとかスタッフが話しているオーディオコメンタリーがあったり、イベントのチケットの先行抽選に応募ができる券があったり。あとは本編も少し違うことがあって、放送時にはうまく描けていなかったところを修正してあったり、あとは、その……ヒロインの乳首とかが、見えるようになったり……とか……」

最後、はずかしそうにしててかわいいな。

「いわゆる特典商法ってやつだ」

最後ばかりに気をとられてあまり内容を覚えていないが、とりあえずなんか聞いたことある言葉を言ってみる。

「そうそう。まあ、それでも買う人は限られてて、それだけに売上数が作品の人気の指標のひとつになるんだ」

「そうなんだ……」

最初からわかっていたことだが買うつもりはない。そろそろ離れるかな。

「じゃあ、いよいよ漫画コーナーだね」

 店内は一通り見た気がするのでいよいよメインイベントに入る。好奇心とノリでまわり始めたけど、充実していて楽しかった気がする。

「虹村くんと一緒にまわれて楽しかった。ありがとう」

「うん。僕も楽しかったよ」

なんかもう終わりみたいな感じがするやりとりになってしまった。いや、もうほぼ終わりか。漫画を選んだあとはもう予定がない。本日の最終イベントにさしかかるところなのだ。そう考えると寂しくなってきた。

序章を早く終わらせたいものの、優華ちゃんの気持ちになるとこのあとも何かイベントをって思ってしまう今日この頃。

序章が終わらない。

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