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異世界へと中二病患者が参る  作者: HH
お前は何しに異世界へ
1/10

異世界に中二病が来たら

投稿してみました。

「ど、どこだ……ここは?」



 俺――久遠達真くおんたつま……真名『カオス・オブ・アルティマ』が目を覚ました場所は真っ白な空間だった。その世界はすべてを包み込む純白の世界。どこまでも広がる果てのない世界に俺は一人、まるで取り残されたかのように、立っていた。



「なんだ……これは、まさか俺の力を封印する為の精神世界にでも迷い込んでしまったのか……?」



 そんな中二病のような事を発していた達真が初めに目にしていた人物が居た。それは真っ白な世界にポツンと佇む、青年のようだった。なんだ。まさか俺の分身……いや、もしかすると、俺の精神世界に居た師匠……!?



《いや、僕、師匠でもなんでもないから、というか君、不思議な人だね? 普通、こんな所に来たら、怯えの一つでもするもんだけどね》



「フッ、慣れているからな……」



 片目を抑えつつ、俺はそう言う。向こうもおそらく、俺のこの真の実力には勘付いてないだろう。この俺が本来の力を取り戻したら、世界を破滅へと導いてしまうからな――ダークネス・ワールドへと変貌させた世界など、俺が望むべきものではないのだろう。



「……フフフ」



《まぁ、いいけどさ》

「それよりも、貴様……先程から、この俺の心を覗き見ているようだが、一体何者だ?」

《いや、別に見たくて見てる訳じゃないんだわ。つか、勝手に見えるっていうか?、君を見てると、勝手にこっちに入ってくるんだわ》

「ほう、随分と良い能力じゃないか、まぁ、俺にはその程度の事は造作もないが……」

《奇異な人だね、君も……まぁ、いいや。こっちの方が遥かに話が進みやすいし、もっと時間掛かる人もいる訳だしね、じゃあ、まずは自己紹介とそれと同じぐらい言ってきた言葉を――僕は神で、あなたは……死んだ》

「死んだ……だと? これは夢じゃないのか?」

《いいや、現実だよ。まあ、話を進めよう。君には二つの選択肢がある。一つはこのまま魂が浄化され、生まれ変わるか、二つは魂をそのままにして、別の世界へと転生するか……二つに一つだね。どちらもある意味では転生。普通は一つ目を選ぶモノだけど、稀に居るんだよね、二つ目を選ぶ人……君はどちらにする?》

「……無論、決まっているだろう。二つ目だ。俺は俺が好きだからな、わざわざ魂を浄化されるなど、本来の俺を取り戻す為に、俺は転生を選ぼう」

《うん。じゃあ、世界はこちらで勝手に選択しておくから、君は転生してね、魂がそのままだけど、身体も今のままで、容姿も一切変わらないから。それじゃ、良い人生を――》



 そこから、俺の意識は途切れる。






●●●●●






 目が覚め、初めに目に入ったのは、街並みだった。この街はそこそこの広さを持っており、家やらバザーが立ち並んでいる。どうやら俺はこのような世界に来たようだ。別の世界はどうなっているか知らないが、俺はここに選ばれたようだ。

 手と足を見ても、生前と同じ格好だ。真っ黒なコートに指貫手袋はしており、腰には最近買った模擬刀だけがあった。



(どうやら、すべて同じのようだ)



 これはある意味コンテニューのようなモノなのだろうか、俺は死んで、一からやり直すはニューゲームで俺が選んだのはコンテニューという訳か、大半はコンテニューを選びそうなモノだが、ニューゲームを選んでしまうのが、人間の性なのか。



「さてと、ひとまずは情報を集めないとな、まったく訳がわからない状況という事には変わりないのだから」



 片目を抑えながら、俺はそう宣言する。そうと決まれば、まずは酒場だ。こういうのの定番はやはり誰がなんと言おうと酒場だろう。俺は酒場へと直行する。幸い、言葉も通じれば、文字も読めるようだ。それはまさにあの神様のおかげと言った所か、フッ、俺の中では師匠と呼んでおこう。



《呼ばんでええわ》



 何か声がした気がしたが、気のせいだろう。神が俺に干渉してくるなど、あり得ないのだから。



《いや、あるから、というか神のお告げを聞けい!》

「な、何、脳内に直接ッッ!?」



 変な目で見られたが、俺は気にしない。この程度の事はいつもの事だ。



《あぁ、そうそう。君に一つ言ってない事があったんだよ。実は、君には能力を開放しておいたから、いきなり死なれても、嫌だからね。少なくとも、この世界で生きてく上で、困らない程度の力を――》

「どんな力だ?」

《うーん。まずは身体能力を向上させておいたよ。それで大体、この世界の一般人と同じぐらいの強さだよ。そこからは自分で鍛えてね? あとは、魔力も開放しておいたから、どれぐらいの数値かは知らないけど、君の潜在的な魔力は引き出しておいたよ。あと君のその刀も模擬刀だったから、使えるようにしておいたよ。一応、真剣になっているから――神様の優しい心遣いで、ちょっとやそっとじゃ壊れない最上級にもしておいたしね。まぁ、やれる事はこれぐらいかな? あまり干渉しすぎると、危険ってのもあるし》

「ふっ、俺の力は――危険すぎるしなァ……」



 片手を抑え、俺はそう呟くように言う。



《はいはい、じゃ、僕はこの辺で。それにしても、君……まるで独り言喋ってる危ない人みたいだね? 少なくとも周りからはそう見られてるだろうけど》

「フッ、ヤツらは、俺のように特別ではないのだ……この程度の目線は慣れたものさ」



 片手を握りながら、そう呟く。そう、俺は孤独なのだ。特別な者は、孤独になりやすい。俺も例に漏れないという訳だな。

 俺はそのまま酒場へ向かう。そういえば、所持金が無いな。どうするか……まあ、問題ないだろう。金を稼ぐ方法などいくらでもあるだろうからな、もしかしたら、酒場へ向かって、そこが丁度ギルドとかだったら、最高なんだけどな。

 そうして、木でできたジョッキのマークが書いてある店へと入る。十中八九ここが酒場で間違えないだろう。見た目でわかる。ギィ、と戸を開ける、俺が中に入ると、扉はバタンッと強く閉まる。ここは殺風景で辺りを見回しても、人が一人も居ない。俺はそのままカウンターへと真っ直ぐ向かって、座る。



「おい、マスター。どこかで金を稼ぐ方法を教えてくれないか?」

「バイト募集ならしてねぇぞ」

「いや、ここでバイトも悪くないが……俺は大いなる目的があるからな……」

「ほう、その大いなる目的っつーのは、なんだ?」



 興味津々という感じで、身を乗り出してくるマスター、おそらくこの手の話が好きなのだろう。ハゲた三十代ぐらいのおっさんの癖に、なかなか、いい目をしてるじゃねぇか。



「まぁ、マスターを危険な目に遭わせない為にも、これは内密さ……」

「そうかい、そりゃぁ、悪ぃ事を聞いちまったな」

「気にするなよ、マスター。それでマスター話は戻るが」

「あぁ、金な。それなら、ここから真っ直ぐ行けば、大きい建物があんだ。真っ白な。そこはギルドっつってな。まぁ、ここの治安維持活動っつーか、魔物の討伐を依頼してんだ。そこに行って、なんでもいいから依頼を貰えれば、報酬として金をギルドの方から用意してもらえるぜ?」

「そうか……ありがとうマスター。また来るよ。今度は冷やかしじゃなくな……」

「おう、そりゃ、助かるぜ」



 そのまま扉の方へと一直線に向かい、ギルドへと依頼を受けに行く事が決定した。



駄文をここまで読んでいただき、ありがとうございます。



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