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第六話――vs. 村長 part2――

 考えろ。例えば大きい動きでよけようとするならば到底間に合わない。また、間に合わせようと早く動き出しても村長に対応され結局攻撃を食らうだけだろう。だとすれば最小限でかつ効率的な動きで避けるしかない。


 そうこうしている間に、村長の右ストレートが……フェ、フェイント!? 動きだけは見えているのを逆手に取られた。村長の右足が胴体へ迫る。住んでの所で腕で防ぐが、凄まじい衝撃が体を走った。急所への攻撃は避けたが……これではとてもじゃないが反撃には移れない。バックステップで間合いを取る。


「目だけは良くても、体が間に合わないのなら意味がありませぬ」


 村長は俺に対してたしなめるように言った。村長もこれでいて、あくまで客人をもてなしているつもりなのだろう。本気でラッシュなんかをかけられたら本来ひとたまりもない。


 しかしながら、村長が今のままでいてくれるなら、突破口もある。


 村長がまたも間合いを詰めてくる。――そう、村長の攻撃をあぶりだすのが第一条件。圧倒的格闘経験の差がある以上、こちらの攻撃は全ていなされてしまうだろう。しかし、だからこそ、村長は油断している。そこをつけ狙う。


 村長の右ストレートがボディーを狙う。――これではない。腕でしっかりカードする。威力をうまくいなす技術がない以上、ここで反撃するのは無理だろう。


 次いで左足で顔面をけり上げようとしてきた。――これも違う。咄嗟の判断でスウェーバック。体重が後ろにかかっている以上、有効的なカウンターは厳しそうだ。


 そして左ストレートが顔の方に伸びてくる。――これだ! ギリギリまで悟られないように、かつ最小限度の動き……ほとんど首を傾ける程度でかわす。意外とでも言わんばかりの村長の表情。右耳をかすめる村長の拳。その外側を行くように俺も右手を繰り出す。村長は攻撃態勢であり、完全に油断していたためガードできる姿勢ではなく、もちろん俺の攻撃も避けることは叶わないだろう。加えて村長は前に体重をかけている。故に俺の右フックの威力には村長自身の勢いも加えられてしまう。


 ――クロスカウンター。空間に響き渡る打撃音。乾いた音が戦闘に狂っている男共の汗をはじく。一秒か二秒か、あるいはそれよりも長いかも知れないし短いかも知れない、不確かな時間が経過した後、村長は膝から崩れ落ちた。


「ふっ……なかなかやりますな」


「お、親父ー!」


 とすっかり蚊帳の外だったケビンが叫ぶ。お、親父?


「まったく情けない、どうやら衰えてしまったようだ……ユージ殿、私はあなたに謝らなくてはなりませぬ」


 そう言いながら村長はよろよろと揺らめきながら意志の力だけで立ち上がった。しかしいざ立ち上がると鋼鉄の芯が通っているかのようにその姿はぶれなかった。


「ユージ殿。フェンリル討伐の手助けをしてもらいたい」


 村長は真っ直ぐこちらを見つめながらそう言った。


「……はい! よろこんで!」

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