表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
紡ぐ  作者: Licht
1/15

Prologue

物語の世界のむかしむかしのお話です。

ただの昔話、絵本的なもの


昔々、まだ世界に国というものが成り立っていなかったころ・・

それは、凍えと餓えで血を分けた子供や大切な人、自分の死もが常にある恐怖の日々の世界

襲い掛かる終りのない災害から生き残る為に人は群れを作り、安息の地、楽園の地を求め、世界中を旅していた。


そして、ついにあるとき一つの群れが、世界の果てに楽園の大地を見つけた。

暖かく、見たこともない華やかな色とりどりの花といろんな種の草木が優しい風よって踊っている。

次から次へと木に大きな果実が実る。さらさらと終りなく緩やかに流れる水、穏やかに温かな日の光浴びるそんな広大な土地


季節が一廻り、二廻りしても、その大地は変わらず、災害に犯されることはなかった。

体と心を凍らし、命を奪う雨と雪は、その地では天の恵みだった。

人の群れは、その地に永住することを決めた。

また、一つ、二つとこの大地に他の群れが辿りついた。


さらに幾つもの季節がめぐり、大地には多くの人が住み着いた。

あるとき人々はふと気がついた。かつて雪が消えた頃、愛を歌う鳥たちが居た事を

緑の大地で風に揺れ踊る花が、どんな色と形をしていたか。

かつて巨木に次々に実っていた大きな甘い果実が今は、片手に収まるほど小さく甘くない。

育てていた穀物は年々、痩せている。

恵みの雨と雪は、また体と心を凍らせ、大切な人の命を奪うものになった。


災害から逃げ続けていた過去を人々が思い出した。


甘くない小さな一つの果実を多くが争う。アイツが居なければ、俺一人だけものだった・・

人と人が争い、群れと群れが争い、多くの血が流れた。

緑と虹色に輝いていた地が赤く染まる。


一つ、二つと小さな家は燃える。

一つ、二つと小さな群れは消えた。


楽園の地に居続ける為に人々は、強い群れに加わり群れを大きくしていった。


そして、三つの国が出来た。

三つ国の争いは、勝敗がつかずまた何年も続いた。


そんな中、一つの国に緋色の髪を持つ子が生まれた。

子は、大きくなり、青年になった。

青年は、痩せた大地に緑を呼んだ。

青年は、甘い果実を実らした。

小鳥が青年の傍で歌を歌う。

そして、青年は皆に望まれ一つの国の王になった。

でも、三つの国の争いは、終らなかった。


争いで流れる血がまた緑の大地を枯らす。

青年は争いを終らす為、二つの国の王に、“永遠に争わない”という約束をしてもらうかわりに

緑を呼ぶ術を教え、自分の国を無くしその地を2つに分け、それぞれの国へ明け渡した。

二人の王は、青年に“永遠に互いの地を侵さない”と約束した。

青年は、その約束を信じ、ひとり大地を離れどこかへと旅たっていった。


二人の王は、青年との約束を守り、それぞれの土地を育て、争いをやめた。


楽園の大地は、二つの国の名前を持ち、また豊かになり、人の血が流れることもなくなった。

大地で暮らす人々は、また平和と幸せを手にしたのでした。






物語と共に二つの国の王家では、王から次の王へと語り継ぐ


----始まりの二人の王と青年が交わしたその約束の行方は、紅い魔物が常に看ている。

誓え“隣の国を永遠に侵さない"ことをそして肝に命じよ、“赤竜の子に触れてはならない”と

そなたが少しでも長く王で居続けたいのであれば。

そして必ず次の代へも語り継げよ、“知らなかった”では、赤い魔物は許してくれない。----


王の言う“赤い魔物”がなにかは、分からない。

王の言う“赤竜の子”があの一族を指すのかも知らない。


ただ“約束”が守られている時だけ、平和は続いた。

あるとき自惚れた王が語り継がれる約束を信じずに戦を始めた・・

その王の軍は、たった一夜で亡くなった。運よく生き残った兵が言う。

「赤い魔物が10万の兵士を一口で喰らった。

口にするのも恐ろしく、愚かな王と醜い全ての人間の腹を裂いて心臓を抉り出した。


恐怖した人々は、もう二度と約束が破られないように未来へ紡ぐ。

忘れてはいけない。二人の王と一人の青年がした約束を

どんな理由であれ、正義の戦いだとしても、約束を反故にすれば、紅い魔物は現れ、再び悲劇が起こる。



【清廉に生きよ、紅い魔物は、醜い心を喰らうから】

【むやみに血を流してはいけない。その匂いは紅い魔物を呼び覚ます】





>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>to be continued.

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ