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鳴海響夜、召喚!

「……………………………ぅん」



ふと目を覚ますと、俺は背中の感触からベッドで寝ていたことが分かった。どうやら、公園で倒れた後どこかの家に連れてこられたらしい。公園で遊んでいた子供の家かもしれないし、たまたま通りかかった親切な人の家かもしれない。いや、でも暑い中倒れたら熱中症とか思われて病院に連れてこられるのが普通だと思うのだが、天井を見る限り病院ではないことが分かった。



目を開けて最初に視界に入ったのが、天井にぶら下がっているシャンデリアだった。首を上げて俺が寝ていた部屋の中を見てみると、なんというか、無駄に装飾が多かった。まるで、西洋の貴族の家のような感じがした。



近所にこんな家あったっけ、と頭に手を当てて考えようとすると、ジャラという音が聞こえ、自分の手が動かないことが分かった。


何事かと思い右手の方を見ると、



「………………………………ぇ、なにこれ、手錠?」



右手にしっかりと手錠が付けられていた。手錠と言っても警察が使うような輪が2つ付いているやつではなく、輪がついている方に俺の手がはめられていて、その先はベッドに鎖で固定されていた。



何故か無事だった左手を使い、手錠を外そうとするが、ガチャガチャ音がするだけで手錠が外れる気配が全くない。


しばらくすると、音が聞こえたのか、部屋のドアが開かれ1人の女性、じゃない少女が部屋の中に入って来た。



容姿は腰まで長さがあるウェーブがかかった桜色の髪に、二重まぶたの垂れ目。率直に言ってすっげぇ可愛い。100人にこの娘が可愛いか聞けば、102人が可愛いと答えるような美少女だった。身長は俺より短くほっそりとしていて、純白のドレスを身にまとい落ち着いた感じで俺が寝ていたベッドの隣に置いていた椅子に座ると、



「やっと起きたんですね、もうお昼ですよ?ふふ、貴方ってお寝坊さんなんですね。」



そんなことを言ってきた、そして、



「おはようございます。だぁりん♡」



俺はもう1度深い眠りについた。




「あわわわ!ご、ごめんなさい!まさか私の可愛さのあまり驚いてしまうとは思わなかったので!今すぐ水を………」



「おい、その水でどうするつもりだ?」



「あ、起きたんですね。2度寝をしようとしてたから冷水をぶっかけて目を覚まさせようと思ったのですけれど、良かったです。」



「いや、俺が良くねぇよ。」


さきの言葉にショック死しかけようとした俺にこの娘は俺を凍死、もしくは溺死という追い討ちをしようとしたらしい。


ふぅ、と溜め息をつきベッドに横になろうとした矢先、また、


「2度寝するなら、冷水を…」



「やめて!?君俺を起こさせようとしてるつもりだけど死ぬからね!?起きるどころか永眠しちゃうからね!?」


恐ろしいことを言うものだと、俺はまた急いで起き上が…ろうとしたが、右手には手錠がかけられていたので立ち上がることができなかった。ベッドの上に座ることが精一杯だった。









とりあえず、いまいち状況が理解出来ていない俺だったので、隣に座っている少女に色々と質問することにした。


「色々と聞きたいことがあるけど、まず、ここはどこだ?」



「ここは、私の屋敷です。正確には、グローリア王国の中枢に位置するグローリア家の屋敷ですね。所有権は私にあるのですが、管理はアルドに任せています。あ、アルドっていうのは私専属の執事です。あとで紹介しますので。」


グローリア王国、か。うん、なんか今の状況大体予想できた。確証を掴むために2つ目の質問をすることにした。


「じゃあ今って何年?」



「?今は、アルベール歴896年の春季ですが?」


全く聞いたことがないワードからして確信した。俺はどうやらラノベやアニメでよくある、異世界召喚をうけたらしい。


どういう原理でこうなったかは知らないが、隣の少女が嘘をついていなければ、俺は間違いなく異世界に来たのだ。


異世界召喚には必ずしもお約束というものがある。俺が思うにそれは、第1にはじめに会ったひとは今後俺の人生を左右する重要な人物だということだ。つまり、俺が最初に会った人は、この少女なわけだが、


ちらりと少女を見ると少女は頬を膨らませて、垂れ目をつらせてこちらを睨めつけていた。


「何?」



「何じゃないですよ。世界中のだれもが知っているような当たり前のことだけ聞いて、私の事なんかちっともきいてくれないじゃないですかっ」



「あーー、つまり君の事を聞いてくれと?」



「コクコク」


うわ、コクコクって頷く音自分の声で発した人初めて見たわ。まぁ、今後人生を左右する人かもしれないし後で聞こうと思ったけど今聞くことにした。


「えっと、君は誰?」



「はぅ!じ、自己紹介ですね、そんな、まだ心の準備が…」


おい、自分から言ったこと無かったことにしてるよこの娘。


「で、でわ……」


少女は一息つくと


「私はグローリア王国第1王女、エシリア・カルテル・フォン・リン・グローリア。いずれ、貴方と印を結び将来を誓い合い今後貴方と共にこの国を導いていく、絶対可憐美少女ーーーーーでっす!」


今世紀最大にひいた。



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