第2話 はい、解ってます。捨てられますよねー (前編)
短くちょくちょく更新するつもりです。
「…」
皆が"は?"って感じの顔してる。
まあね、いっくら可愛くても、誘拐は不味いっしょ。
大体、中1を色気で釣ろうとか、考えてる訳じゃないよねー…
「あ、あの、突然言われても解りませんよね。すみません」
明らかにしゅん…ってなってるわ。これ不味いね。
うちのクラス結構馬鹿が多いことで有名だからな、ほだされるんじゃないかな…
「い、いや‼取り合えず話は聞くよ‼」
「そうそう!ウチラ子供でも何か出来るかも知れないし!」
「出来ることは何でも付き合うよ‼」
ほだされたー!オワタ/(^o^)\
王女様らしき女の子が目をめっちゃウルウルさせて、
「ありがとうございます…!」
と、感情たっぷりにお礼をした。女の子は自らをアリエル、と名乗った。
アリエルって、神話に出てくる[救いの糸]を垂らす、聖女アリアドネから取ってるんだって。
そんな感じするわー。
あ、話の本筋から外れちゃったね。ごめんごめん。
女の子―アリエル―は、本題を切り出した。
「実は、この国は現在、魔神の軍に襲われているんです‼
彼等は国境近い辺境の村で略奪と暴虐を尽くしていて…私達は民が虐げられている事が許せなくて…
どうか…どうかお助け下さい…!勇者様…」
アリエルの顔は可哀想な位蒼白くなっちゃって、今にも紙切れみたいに飛んでっちゃいそう。
「わかったよ!協力する‼魔神を倒せば良いんだろ⁉」
皆―私は含まれては無いけど―が賛同したことによって、私達1年3組は"異世界の勇者"として、このナルキス王国の王城に、留まる事になった。
そこからお披露目だの、謁見だのお勉強(この世界の事何も知らないもんね)だので、あっという間にに1週間もたった。
勿論私への嫌がらせは止まなかったし、王女達城の人々も見て見ぬふりをしたんで、もうパシりを越えて召し使いの様な扱いを受けてます。
そしてイベントフラグ立っちゃいました。
「皆様、今日はご自分のステータスを調べて頂きたいのです。」
「ステータスってあの魔法とかHPとかが載ってる奴?」
「マジか。ゲームじゃん」
何でも、ステータスって言うのは板、と言うか金属製のプレートに記録されてて、この国では産まれた時に近くの教会に行って、祝福と一緒に貰ってくる物らしい。
出産届けと身分証明書を纏めちゃったものって言えば分かりやすいかな。
成長したり、新しい事を身に付けたりすれば、HP が伸びたり、スキルを獲得したりできるらしい。
そのプレートを貰って、名前を彫りこんで―もう彫りこんで貰ってる―を持って、ステータス・オープンと言うと、出てくるらしい。早速やってみる。
「ステータス・オープン」
うっすらぼんやりプレートが光って、ステータスが記される。
咲無 瑞輝 女 (12)
レベル ―――――――――
HP ――――――――――
MP ――――――――――
敏捷 ――――――――――
腕力 ――――――――――
固有スキル 言語理解
…なんだコレ。