第2話 麦わら帽子の女の子
僕が住んでいる町は田舎だが、雰囲気のある自慢の田舎だ。都会の人が憧れるような自然に囲まれ生きてきた。
勿論、地元の人の顔は皆んな知っているし小さい頃から仲良しだ。
いつもの場所にいた人影は麦わら帽子を被った色白な女の子だった。
集合時間より少し早く来ていた僕は、その女の子に無意識に話し掛けていた。
「どこから来たの?」
そんな僕の質問に笑顔で返す彼女は、顔立ちが綺麗でモデルみたいな人だった。
話している内に少し分かった事がある。
隣の家のおじいさんの親戚で夏の間遊びに来ているということだ。
話している間、楽しくてあっという間に時間が過ぎていた。
集合時間より少し遅れて、三人が向こうから一緒に歩いてくるのが見えた。
三人は家の方向が同じで、来る途中の田んぼの交差点で集まって集合場所にくる。
三人の姿が見えて僕は少し焦っていた。優と翔太に冷やかされる、千佳にどう思われるか分からない。
そんな事が一瞬頭に過ぎっていた。
しかし彼女の変わらない笑顔で語りかけてくる姿を見ると、そんな事を思っているのが馬鹿に思えた。
僕が三人に彼女を紹介すると、すぐに皆んな打ち解けていた。それから僕らは夏休みを一緒に過ごすことになる。




