由佳ちゃんのリコーダー
R15指定は下品だからです。食事中に読むのはお勧めしません。
「……よし、誰もいないな」
放課後の誰もいない教室で、ひとりの少年が忍び寄る。
名前は雅也。中学二年のバカ男子である。
「由佳ちゃん……キミはもうすぐ僕のモノになるんだ。うへへ」
このバカは職員室から忘れ物をしたと嘘をつき、自分のリコーダーと学園のアイドルらしい存在、横浜由佳のリコーダーを交換しようとしているのだ。
「由佳ちゃんのロッカーは……ここだぁ!」
薄暗い教室で素早くリコーダーをすり替える。
「由佳ちゃん……げへへへ」
汚い笑いを浮かべながら、由佳のリコーダーをズボンの中にねじ込み教室を出て行った。
☆
「おーい、雅也。先生からここにいるって聞いたが……いないか?」
雅也が教室を去ってから5分後、友人の拓郎が顔を出す。
「なんだあいつ、鍵も掛けずに帰ったのかよ……ん?」
拓郎が横目で見つめた先にあるのは、先ほど雅也がすり替えたリコーダーが入った由佳のロッカー。
「……誰も、いないよな?」
辺りを執拗に見渡した後、自分のロッカーからリコーダーを取り出し由佳ちゃんのリコーダーとすり替える。
「うへへ、これで明日から由佳ちゃんのリコーダーをしゃぶれる……ぐへへへ」
拓郎は気持ち悪い笑みを浮かべ、涎を垂らしながら教室から出て行った。
☆
「雅也~、拓郎。いないのかー?」
それから30分ほど後、担任教師の松林が教室に現れる。
「まったく……戸締りをして鍵は職員室に返しに来いと言ったのに」
教室に誰もいないことを確認すると、松林は自前の鍵を取り出す。
「……誰も、いない?」
脳裏に電撃が走る。この松林和義、30年以上も教師を務め今年で50。未だに独身でおまけに童貞。見てくれはオッサンだが、女に飢えまくっている。
「由佳ちゃん……キミはこんな先生にもいつも優しい笑顔を浮かべてくれているよね」
我を忘れ、ふらふらと由佳ちゃんのロッカーに歩み寄る松林。
「もう、キミに可愛い顔を向けられるたび、ずっと我慢してきたんだ。いいよね、このくらい許されるよね。由佳ちゃん、キミが悪いんだよ……!」
松林は女に飢えすぎたため、女子中学生だろうが手を出すクズ教師に成り果てていた。由佳ちゃんのリコーダー(本当は拓郎の)を掴みとる。
「おや、あいにく私はリコーダーを持っていない。これで我慢してくれ」
鞄からディルド(息子の形をした大人のおもちゃ)を取り出し、リコーダーとすり替える。
「明日から、それで演奏するんだよ……ゲヒョォッ」
松林は飛び上がり、我を忘れて教室を走り去った。
どうしてあんなクズが教師になれたのかは誰も知らない。
☆
「うふふふふ……お姉さまぁ」
今度こそ誰も来ないと思ったら、今度はレズの百合香が教室に不気味な顔で現れる。
「リコーダーを交換しに来ましたわ……身も心も私に委ねて下さい」
由佳のロッカーに近寄り、自分のリコーダーとすり替えようとした百合香は絶句する。
「な……ディルド?」
誰でも女子のロッカーに息子の形を模した物が入っていれば驚くだろう。だが、百合香はその程度では引かなかった
「お姉さまも、立派に成長なされているのですね。百合香感激。ならば、誠意をもって取り換えて差し上げます」
百合香は熱い吐息を漏らしながら、ディルドとリコーダーを取り換える。
「お姉さまも……こんな物を咥えるようになったのですね……うひひひひひ」
☆
「うぅ、やっちゃったよぉ……」
由佳は自室で枕をぎゅっと抱きしめる。
「つい思わず、昼休みに雅也君のリコーダーと私のリコーダーすり替えちゃった」
昼休みの体育の前は、みんな教室からいなくなる。その隙に由佳は思いきって自分のリコーダーと雅也のを交換していた。
「今さら戻すわけにはいかないし……ま、いいか」
思わず笑いが込み上げ、枕を強く抱きしめ押し殺した。
☆
当然、翌日の音楽の授業は大変なことになっていた。
「あー、そこの男子、雅也君だっけ? ちょっと深く咥えすぎよ」
「ふぇ? ひょぉれふか?」
音楽の先生は注意するが、雅也はリコーダーを舐めるのをやめようともしない。
「拓郎君も! なんて卑猥な咥え方をしているんですか!」
「ふへへ、ぺろぺろ……」
「百合香さん! それリコーダーじゃなくアレですよね! なんて物学校に持ち込んでいるんですか!」
「ちゅぱ……れろれろ……なぁにぃ?」
「みんな優等生の由佳さんを見習いなさい。こんなしっかりと演奏しているのに」
「♪~♪~」
「(((由佳ちゃんが僕のリコーダーを咥えてくれている!)))」
――みんな、同性のリコーダーを貪っているとも知らずに。
こんな作品を最後まで読んでくださりありがとうございました。
次はもっとまともな作品が書けるように頑張ります。




