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5.チェックボックス

 梅小路琴音を操作している人物のもとにも、小間使いがいっていた黄色い枠の画面が表示された。そこには、「第一日目の処刑投票先」と書いてある。


 彼女は思案した――。

 どうしようかなあ。ゲームの内容もいまいちよく分からないし、とにかく誰かに一票を入れなければならないみたいだ。

 高椿子爵を操る人物は、このゲームに関して長けているのはどうやら疑いはない。何となくだが、彼について行けば、ゲームに勝利する可能性が高いようにも思われる。

 そして、彼女が今の段階で最も吸血鬼らしいと感じている本命の人物は、何を隠そう、女将志乃であった。

 昼の議論の時点では、志乃は誰からも吸血鬼であると疑いをかけられてはいない。だからこそ、この私が志乃の正体を今晩の観測で暴露してやろう。

 昼の議論の最中で彼女は、子爵を観測先に指定すると公言したものの、それは真っ赤な嘘であったのだ。

 きっと今夜、観測先である志乃が飛び立つ姿を私は観測するであろう。そうなれば、明日の議論でそのことを皆に告げて、志乃を処刑投票で吊し上げてしまえばよいのだ。それで、村人側の勝利が確定する。

 すでに今夜の観測先を指定する青いチェックボックスには、柳原志乃が指定済みである。

 でも、処刑投票で柳原志乃に投票するのは止めておこう。なぜなら、志乃が今日の投票で吊るされることは全く期待できないからだ。ここで志乃に投票することは、白票を投じることと同じといえよう。

 彼女は、マウスを動かすと、ある人物の黄色いチェックボックスにしるしを打ち込んだ。

 土方中尉――と名前が記されたチェックボックスに……。


 土方晃暉中尉を操る人物のもとへ、小間使い葵子が転送した黄色の入力画面が映し出された。そこには、「第一日目の処刑投票先」との文字が書かれている。

 彼は怖れていた――。

 今日の処刑者は、間違いなく、自分か行商人猫谷となってしまう。

 今にして思えば、昼の議論で皆が正体を告白している間に、自分も吸血鬼でないとはっきり告げてしまえばよかった。

 あんな後になってから、慌てて自分が村人だと告げても、すでに時遅し。むしろ、最後まで徹底して正体を明かさなかった猫谷の方が、いくぶん有利になってしまったような気もする。

 さあ、どうしたら助かるんだ。もはや抵抗する手段はないのか? せめてこの投票で、ライバルの猫谷に一票を投じるくらいしかできることはなさそうだ。

 彼は、神に祈るような気持ちで、猫谷の名前が書かれたチェックボックスをクリックした。

 でも、本当に猫谷は吸血鬼なのだろうか?


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