入門編、小説・吸血鬼の村

１９．黙っている奴は吊るされる

　初日夕刻の投票はすみやかに終了し、やがてその結果が報告された。

GM葵子「初日処刑投票の結果を報告させていただきます。

　高椿子爵は、通行人西野に票を投じました。

　蝋燭職人菊川は、通行人西野に票を投じました。

　土方中尉は、通行人西野に票を投じました。

　令嬢琴音は、通行人西野に票を投じました。

　女将志乃は、通行人西野に票を投じました。

　執事大河内は、通行人西野に票を投じました。

　行商人猫谷は、通行人西野に票を投じました。

　散髪屋高遠は、通行人西野に票を投じました。

　久保川医師は、通行人西野に票を投じました。

　通行人西野は、執事大河内に票を投じました。

　通行人西野が九票、執事大河内が一票を獲得しました。

　通行人西野の心臓に聖なる杭が打ち込まれました」

　夜になって、吸血鬼同士の秘密の会話が長々と交信されている。吸血鬼の襲撃先は前日の議論の最中にすでに指定されており、それに従って夜間の襲撃が執行されるのだが、夜の議論ではその件に関する互いの意志の確認と今後のゲームの展望が話し合われる。

吸血鬼K「ということで、今宵は感染狙いで＊＊を襲うこととした。だから、わたしは目配せでお前に別な人物を襲撃するよう指示を出したのだ」

吸血鬼Q「さすがは、Kさまです。もちろん異論はございません」