入門編、小説・吸血鬼の村

１０．決着

　初日と同様の形式で、三人の間で処刑投票が粛々と進行した。

GM葵子「申し上げます。投票の結果を発表いたします。

　行商人猫谷は、女将志乃に投票しました。

　女将志乃は、高椿子爵に投票しました。

　高椿子爵は、女将志乃に投票しました。

　女将志乃が二票、高椿子爵が一票を獲得しました。

　女将志乃の心臓に聖なる杭が打ち込まれました」

　小鳥のさえずりのような甲高く澄み切った小間使いの声が響き渡る。それに引き続いて、彼女はゲーム終了の宣言を下した。

GM葵子「吸血鬼と健全な村人の数が同じになったので、村は吸血鬼の手に落ちました。吸血鬼側の勝利です！」

GM葵子「さて、ここで、皆さまが演じられた役割の報告をさせていただきましょう。

　高椿子爵は吸血鬼でした。生存しました。

　令嬢琴音は天文家でした。死亡しました。

　女将志乃は善良な村人でした。死亡しました。

　行商人猫谷は善良な村人でした。生存しました。

　土方中尉は善良な村人でした。死亡しました。

　以上です」