表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
15/17

十五華

「明日、藤里様に身請けを受けるとご報告します。

だから、花街の今までの思い出とこれからの4年間を過ごすために…一晩だけ、一緒に過ごしてください」


俺は戸惑った。まさか菖蒲がこんなことを言うとは思わなかったし、その雰囲気にはけして引かない強さがあった。


(…女ってやつはこれだから怖い。たった21歳でこんな目をしやがる…)


俺は初めて中庭で菖蒲を見た時を思い出した。


凛とした雰囲気を纏い、一挙一動は繊細。しかし会ってみるとその瞳には熱いものを秘めていた。


「わかった」


窓からは日が沈んだ後の薄明かりが差し込んでいた。


俺は菖蒲の腕をつかみ床に押し倒した。


「女を抱く時までいい先生じゃいられないぜ…いいんだな?」


菖蒲は目を閉じて頷いた。


「ん…ふぁ…」


いきなりの深い口付けに菖蒲は濡れた声をあげる。


俺は着物の帯に手をかけた。紺色に銀の花柄の着物の前を開くと若々しい身体に指を這わせる。


「きれいだな…」


俺は菖蒲の身体をゆっくりと溶かしていった。


「んぁ…はぁっ、んっ…」


部屋には密やかなお互いの衣擦れや水音が満ちていた。


「菖蒲、いいか?お前が欲しい…」


俺は菖蒲に負担をかけないように尋ねる。


「は…い、きて…」


誘うように菖蒲は俺の背に手を回す。

それに応えて俺は身を沈めた。


「ぅんっ…あっ、ぁん…遠藤…様」


「こんな時に様付けか…?要だ」


「かなめ…さん?…はぁ、あっ…」


「いい子だ…」


俺が言うと菖蒲はぎゅっと回した腕に力をこめ口付けをしてきた。


「ぅんっ…要さん…かなめさんっ…あっ、はぁ…ぁんっ」


そうして俺達は互いに求めていった。





評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ