5-5.天国からの手紙
この物語にでてくる薬名、治療法、一部の病名、一部の物理法則はフィクションです。
舞 :「こんにちは~」
舞が喫茶ファンダルシアのドアを開ける。今日は「パーティのため貸し切り」と書かれてなかった。
詩音 :「こんにちわ、舞ちゃん」
ポッチ:「よ!」
詩音とポッチがあいさつをする。
舞 :「あれ? 今日は、くるみさんはいないの?」
詩音 :「うん、毎年恒例の講演会。」
舞 :「そっか~、やっぱり大人って忙しいよね。」
詩音 :「うん」
舞 :「50人くらいの講演会?」
詩音 :「もうちょっと多いかな」
舞 :「百人くらい?」
詩音 :「そんなもんかな」
舞 :「なるほど~。一杯人がいて緊張しないかな?」
詩音 :「大丈夫。緊張するってくるみちゃんの辞書にはないから。」
ポッチ:「うんうん」
舞がクスって笑う。しかし、舞は詩音の適当な回答にごまかされたいた。実際には3000人を超える講演会で、それでも、チケットが手に入らなく、日本で一番チケットの手に入れにくい講演だと知るのはすっと後のことだった。
ポッチ:「じゃあ、そろったね。今日は何する?」
詩音 :「う~ん、うちに来ない? ママにホットケーキ作ってもらおう。」
ポッチ:「そうしようか。ホットケーキはやっぱりはちみつだよね。」
詩音 :「え~、いちごジャムだよ~」
ポッチ:「は・ち・み・つ」
詩音 :「い・ち・ご・じゃ・む」
ポッチ:「舞ちゃんはどう思う?」
でも、舞は固まっていた。
詩音 :「どうしたの?」
舞 :「ママって和恵ママだよね。」
詩音 :「うん、そうだよ。それがどうかした?」
ポッチ:「詩音…」
詩音 :「あ、ごめんなさい。」
舞 :「ううん、こっちこそ。まだ、心の準備ができてない。」
ポッチ:「やっぱり、うみの母親って会ってみたいもの? 冬ちゃんじゃダメなの?」
詩音 :「ポッチ!」
舞 :「ううん。慣れてるから、産んでくれたお母さんのことを質問されるのも、冬ちゃんのことを質問されるのも。私にとって冬ちゃんは大事なお母さん。一緒にいてても楽しいし、優しいし。でも、産んでくれた和恵ママのことを思うと、胸が締め付けられるの。」
詩音 :「ポッチ、舞ちゃんいじめてどうするの?」
ポッチ:「別にいじめてない。私のお父さんも生まれる前にお母さんと別れたから同じだと思って聞いてみただけ。」
舞 :「そっか、確か、今のお父さんは再婚したんだよね。」
ポッチ:「うん、小学校に上がる前に再婚した。でも、とっても私に対して優しいし、大切にしてくれる。だから、本当のお父さんに別にあってみたいと思わない。お母さんを捨てた人だから。」
舞 :「そうだったんだ。でも、私を産んでくれたお母さんはお父さんとケンカして別れたわけじゃない。だから、産んでくれたママとあってみたい。でも、ポッチが言うように、冬ちゃんは私を大切にしてくれる。だから複雑。」
詩音 :「そうだよね。もう少し待ってもいいよね。」
ポッチ:「あら、詩音にしては珍しく強引じゃないのね。てっきり、無理やり会わせて楽しむのかと思った。」
詩音 :「そんなひどいことしないわよ。他人の嫌がることをするのはどうかと思うわ。でも、じゃあ、今日はどうしよう?」
ポッチ:「じゃあ、啓蟄ごっこ」
詩音 :「あは、それ面白い。」
舞 :「何それ?」
詩音 :「地面を掘るの。ところで、舞ちゃん、カエルとかヘビとか得意?」
舞 :「ぜんぜんだめ、カエルなんか触れないし、ヘビなんか見たくもない。」
舞が身震いをする。
詩音 :「ママと同じ。だったら、舞ちゃんにうってつけの遊びだよ啓蟄ごっこって。さあ、一緒に行きましょう。」
そういって、3人は花の丘公園に向かった。
3人を見送りながらマスターがつぶやく。
瑠奈 :「人の嫌がることはしないんじゃなかったけ? 詩音ちゃん。」
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ここ2~3日娘の行動がおかしい。あんなにふさぎこんでいたのに急に明るくなった。それはいいことだ。どうやら、この頃新しい友達ができて遊んでいるらしい。
しかし、行く度に何かもらってきている。羽根の生えたリュック。空中に浮くボールペン。妙なデザインの木箱。本人は隠しているつもりだが、かまぼこ板のような電子機器をもっている。そして今日は冬眠中のかえるだ。
元気を取り戻した舞を見て俺と冬子は最初は喜んだが、2~3日様子を見て、さすがにこれ以上は放置できなくなった。
あきら:「舞、俺と冬子にうそは無しだ。誰とあってるんだ。」
舞 :「…」
冬子 :「舞ちゃん」
舞 :「言わなきゃダメ?」
あきら:「ああ、おれも、冬子も心配してる。」
舞 :「信じてくれる?」
あきら:「ああ、俺たちは特別な親子だ。信じるさ。」
舞 :「あのね。詩音ちゃんに会ってるの。」
冬子 :「詩音ちゃん? どこの子ですか?」
舞 :「対世界の楠木詩音ちゃん。不思議な風景の世界の先に住んでるの。」
あきら:「はあ、詩音ちゃんに会ってきただと?! もう一人の自分に会って来たっていうのか?」
…とうとう、ショックで現実世界から逃避してしまったか…
舞 :「パパ、今、私がとうとうおかしくなっちゃったと思ったでしょ。顔に出てる。信じるっていたくせに」
あきら:「いや、そんなことないぞ。信じてるさ」
舞 :「うそっぽい」
舞 :「それにくるみさんにも会ってきた。」
あきら:「くるみ? どんな感じだった?」
舞 :「ふわふわ~とした人。にこにこしててとても大学教授とは思えない人。」
そういうとかまぼこ板みたいな電子機器に画像を映す。画面を見ると4人が映っていた。そこには舞とそっくりな女の子、知らない女の子、そしてくるみが映っていた。
舞 :「これが詩音ちゃん、こっちがポッチ、そしてくるみさん。マスターがとってくれたの」
あきら:「でも、確かにくるみだ。日本に帰ってきてたのか? でも大学教授? くるみはまだ大学教授になっていないはずだ。というかあの若さで大学教授などなれないだろ。」
舞 :「でも、スタンフォード大学の教授だって言ってた。」
あきら:「スタンフォード大学? くるみはマサチェーセッツ工科大学のはずだ?」
舞 :「マサチェーセッツ工科大学? そんな大学きいたことない。後ノーベル賞受賞してるって。」
あきら:「え? 今までに日本人女性でノーベル賞受賞した人なんかいないぞ。」
あきら:「あ、待て。」
思い当たる節があり、本棚を見る。そこにはくるみエッセンシャルが置いてある。その本を取り出してみてあらためて見てみる。確かにノーベル物理学賞受賞。スタンフォード大学教授と書かれてる。
舞 :「それとその本、返してほしいって。」
この本にはたしかにこの世界には同じような世界があり、その間を特別な空間でつないでいると言っている。つまり不思議な風景の世界のことだ。くるみはこの世界の謎を解いたというのだろうか?
あきら:「他には何か言ってなかったか?」
舞 :「これ。」
舞はポッチからもらったボールペンを取り出した。
そして、宙に浮かべてスイッチを押した。
舞 :「えい!」
そのまま手を離す。ボールペンはしばらく宙に浮いたままだった。
俺と冬子は茫然と見つめる。
冬子 :「どういうことでしょう?」
舞 :「詩音ちゃんがいうには『あるふぁべくとるくうかんのりにあじゃいろ』がうんたらかんたらとか」
冬子 :「さっぱりわかりません。」
俺は鳥肌が立った。
あきら:「ジャイロで安定させてるのか。そしてリニアなのか? ということは超電導コイルか?!」
舞 :「うん。『高温ちょうでんどう』とかいってた。マイナス180度なのに高温っておかしいよね。」
あきら:「液体窒素で冷やすのか。高温超電導を起こす物質は発見されているが、それを使って実用化されたなんて聞いたことがない。」
冬子 :「ごめんなさい。冬子、信じられません。まだ、神様に会ってきたって言われる方が信じられます。」
あきら:「でも、ここまで証拠があるとな。しかも、向こうの方が少し科学が進んでいるようだ。」
他にもかまぼこ型携帯電話なども見せられると納得せざるを得ない。
冬子 :「でも、くるみさんの性格を考えると素直に受け取れません。今にもドッキリカメラの看板持って出てきそうです。」
あきら:「ああ、大のいたずら好きだからな。」
くるみはあの、天然ボケの顔をしながら、かなりの策士だ。これくらいのことはやってもおかしくない。
冬子 :「そして、この、写真の喫茶店見たことあります。これは駅前の…」
あきら:「喫茶エルベだ。」
冬子 :「はい、何回か行ったことがあります。小さいけれどとてもアットホームでいい雰囲気のお店です。それで覚えています。」
舞 :「ふぁんだるしあっていう喫茶店だった。名前が違う。」
あきら:「他にはないのか? 何か決定的なもの。」
舞 :「これなんかどう?」
舞は別のものを探した。木箱を取り出してきた。
舞 :「ポッチからオルゴールももらってきた。」
冬子 :「わあ、かわいい木箱です。お星様が付いているのがグッドセンスです。開けてもいいですか。」
舞 :「うん、いいよ。」
そういって、冬子が木箱をあける。
パーーン!
中から何かが飛び出した。
冬子 :「キャー!」
舞 :「びっくり箱…」
あきら:「うまい」
ドッキリの落ちとしてはまあまあだ。やっぱり、くるみが舞の状態を気にして元気づけたのだろう。
冬子 :「舞ちゃん、『ドッキリ』ですね。大人を担ぐものではありません。やっぱり、本当はどこに行ったのか教えてください。くるみさんと会っていたんでしょう。」
舞 :「本当に対世界に行ったんだって。ポッチの奴、なんで、オルゴールがびっくり箱なのよ。これじゃ台無しじゃない。」
舞がいつになく真剣に訴える。嘘を言っているとは思えないのだが。
舞がごそごそとリュックの中を探してる。そして、中から手紙が出してきた。
舞 :「くるみさん、気を利かせて書いてくれたんだ。助かった」
舞 :「はい、手紙があります。きっと、ここに事情が書いたあると思う。」
そういって舞は手紙を俺に渡した。宛先は「楠木あきら様、冬子様」になっている。
俺はくるみが事情を説明するために書いた手紙と思い受け取った。
あきら:「くるみも日本に帰ってきたのなら、寄ってくれればいいのに。薄情だな。」
しかし、俺は手紙の差出人を見て固まった。差出人はくるみではなかった。
あきら:「まさか」
冬子 :「どうしたんですか?」
あきら:「差出人・・・」
冬子 :「差出人が変な人なんですか? 実は神様とか? え?」
あきら:「うそだろ。」
その手紙で俺たちは舞を疑ったことを恥じた。決定的な証拠だった。
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冬ちゃん、あきらさん
楠木和恵です。
こんにちは。お元気でしょうか? ご無沙汰しています。
いきなりで、ご迷惑かと思いましたが、舞ちゃんの力になれたらと思い、手紙を出させていただきました。
お友達がなくなられて2週間たちましたが、相変わらず、舞ちゃんはαベクトル空間でボーとしていることが多いようです。話を聞いてちょっと心配です。
舞ちゃんのおかれている状況を聞いて大変ショックでした。仲の良いお友達を立て続けになくされるなんて。小学2年生にとって過酷な運命すぎると思います。私も泣いてしまいました。本当は今すぐにでもそちらに行って抱きしめてあげたいのですが、くるみさんに聞いたら、まだ、無理とのことでした。残念です。
きっと、冬ちゃんもあきらさんも舞ちゃんの側について、しっかり心のケアをされていると思います。でも、舞ちゃんのことですので、きっと、心の傷を表に出さず、自分で溜め込んでるんじゃないかと思います。
時がたてば解決するのでしょうが、今の舞ちゃんを思うと不憫でなりません。それで、みんなと相談してみました。舞ちゃんがどうしたら元気になるかです。
それで、実は一つアイデアがあります。舞ちゃんが立ち直るきっかけになってくれればと思います。そのアイデアとは「アニマルセラピー」です。一人っ子とか、精神的な傷を負った子の心を落ち着かせる治療法です。字を見ておわかりかと思いますが、動物と触れ合うことにより心を穏やかにさせる方法です。
本当は猫とか犬とかを飼うといいのでしょうが、それはそれで世話が大変かと思います。
でも、いい方法があります。近くの牧場でホースセラピーを行っています。ホースセラピーは未就学児や児童を相手に馬に餌を上げたり、馬と一緒に歩いたり、馬に乗ったり触れ合うことにより、心の傷を癒していく療法です。
その牧場、普段は観光牧場ですが、相談してくれれば特別に対応してくれるそうです。この前、遊びがてら行ってきましたが、牧場の方々もいい人ばかりでした。多分、そちらでも同じだと思います。
是非ご相談してみてはいかがでしょうか? 舞ちゃんもきっと喜ぶと思います。
子育てがんばってください。私も決して人様のことは言えないのですが。私も娘のことで苦労ばかりでいつも悩んでます。自信をいつもなくしちゃいます。でも、楽しいです。いつもそばに居てあげたいです。
そして、舞ちゃんのママとパパは冬ちゃんとあきらさんなんだから。自信をもってくださいです。
悩みがあったら、遠慮なく相談してください。3人とも自分で抱え込みそうなので心配です。手紙を舞ちゃんに持たせて娘に渡してくれればとどきますので。
私や娘も舞ちゃんのことを応援しています。そして、いつかお二人にお会いできる日を心待ちにしています。
和恵
PS.冬ちゃんへ。
あのときの二人の約束は守れませんでした。あきらさんと生まれてくる子と幸せに暮らすという約束です。ごめんなさいです。でも、冬ちゃんがあきらさんと舞ちゃんを幸せにしてくれてとても安心しました。遠慮とか気遅れとかする必要はないです。それが和恵の望みですから。
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俺は読み終えてしばし呆然としていた。
あきら:「和恵…」
冬子 :「天国からの手紙…」
その書き方といい、気の回し方といい和恵そのものだ。
冬子 :「天国から和恵さんが手紙をくれました。」
あきら:「ああ。」
冬子 :「最後の文章は冬子と和恵さんだけの秘密の約束です。この手紙書いたのは本人です。誰かが代わりに書いたんじゃありません。本物の和恵さんです。」
あきら:「字も間違いなく和恵の字だ。」
舞 :「天国のママからの手紙?」
あきら:「ああ。和恵からの手紙だ。」
そう言って俺は舞に手紙を渡した。舞は手紙を大事そうに胸に抱えた。
懐かしい思い。忘れていた幸せな思い。でも、幸せな思いとともに恥ずかしさを感じる。
冬子 :「天国から和恵さん見ていて、それで、舞ちゃんを助けられない冬子を見て手紙をくれたんです。」
あきら:「ほんとだな。俺たちは親としてダメダメだ。」
冬子 :「冬子はやっぱり、舞ちゃんのお母さんになれないのでしょうか? 生みの親の和恵さんには勝てないのでしょうか?」
あきら:「ああ。」
冬子 :「…」
あきら:「いや、違う。」
俺は何か違和感を感じ、その原因に思い当たりため息をついた。
あきら:「母親になったんだな。和恵。」
冬子 :「え?」
あきら:「もう、母親になって何年もたったんだな。俺が知っている和恵はもっと頼りなく、折れてしまいそうな人だった。こんなにしっかりした人ではない。」
冷静に考えたら天国からの手紙なんてあるわけない。
あきら:「この手紙は対世界の和恵のものだ。本当にあるんだな対世界は。ごめん、舞、疑って悪かった」
舞 :「う、うん」
舞も茫然としている。
もう、舞が対世界に行ったとか行かないとか疑うレベルではない。親として恥ずかしかった。舞を信じてあげられなかったこと。舞を元気づけられなかったこと。俺たちが行うべきことを向こうの和恵たちがやってくれている。毎日会っている俺たちよりも、会ったことのない舞のことを理解している。詩音ちゃんの母親だからといえばそれまでだが、母親らしい手紙だった。俺が覚えている和恵よりももっと成長した感じの大人の女性になっている。
あきら:「そして、冬子、俺たちと向こうの和恵さんと比べてもしょうがない。向こうは母親になって8年も年季をつんでいる。俺たちは、本当の意味ではまだ数年だ。そんなの比較してもしょうがない。向こうも自信を持ってってちゃんと書いてある。」
冬子 :「はい、少し気が楽になりました。実は、冬子、和恵さんが怒っているかもと心配でした。舞ちゃんをとってしまって。でも、和恵さんが許してくれました。認めてくれました。舞ちゃんのママは冬子だって。」
あきら:「そうだな。最後のところはまるで天国の和恵が認めてくれたみたいだった。ちょっと情けない両親だけどな。」
舞 :「和恵ママの手紙。うれしい。」
舞は手紙を読んでそう言った。
あきら:「会ってみたいか?」
舞 :「え?」
あきら:「和恵に会ってみたいか? 今日の話だと会うのは簡単だぞ。向こうの詩音ちゃんの家に行けばいい。」
舞 :「うん、でも。」
舞は冬子の方を見る。
冬子 :「冬子のこと気にして遠慮することはありません。」
舞 :「うん、でも、やっぱり今はいい。私にとってママは冬ちゃん。」
あきら:「ああ、そうだな。舞のママは冬子だ。」
舞 :「うん!」
舞が和恵に会うのはまだ早いか。俺はそう思った。
あきら:「そうだ、手紙にも書いてあったように週末に牧場に行くか? 馬に乗せてもらえそうだ。」
舞 :「うん、美鈴も誘っていい?」
あきら:「ああ、みんなでいこう!」
あきら:「(血の繋がってない、新米の親子。でも俺たちは本当の親子なんだ。和恵、ありがとう。そしてごめん。)」
冬子 :「あきらさん、この手紙の返事出してもいいですか?」
あきら:「ああ、もちろん。ちゃんとお礼言わないとな。」
冬子がうれしそうな顔をする。冬子にとっても和恵は大切な友達だった。きっと、いろいろ話をしたいだろう。
「話をしたい」それは俺も同じこと。でも、会って、何を話すんだ? 冬子と結婚したことを謝るのか? 冬子はそのときどう思う。 向こうの和恵にも旦那がいる。
あきら:「難しく考えるのはやめよう。」
俺はそう自分にいいきかせた。
つづく
ポッチ:「舞ちゃん、良かったね。信じてもらえて。やっぱり、和恵ママって偉いよね。他の人は信じてもらえなくても、和恵ママは信じてもらえる。」
詩音 :「あら、だれかさんのビックリ箱がいけなかったんじゃないかしら? あれさえなければ素直に信じてもらえたんじゃ?」
ポッチ:「テヘッ。」
詩音 :「ったく。さて、次回のトリックエンジェルは?」
ポッチ:「『短編職員室』です。」
詩音 :「前山先生と川上先生のお話です。」
ポッチ:「詩音が二人をとっちめる話のような。」
詩音 :「コホン。それじゃ、またね~。」