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トリックエンジェル ~院内学級の物語  作者: まーしゃ
第3章 エジソンプロジェクト編
26/88

3-6.魔法使い(前篇)

この物語にでてくる薬名、治療法、一部の病名、一部の物理法則はフィクションです。

詩音 :「ポッチ、鏡の角度OK?」


ポッチ:「2枚とも水平角、上下角ともにOK」


詩音 :「よし、これで明日の準備は完了ね。」


ポッチ:「あとは明日予報どおり晴れてくれればいいわ。」


詩音とポッチはこの春2年生に進級する。明日は入学式。去年はピカピカの1年生で迎えられたが、今年からは迎えるほうになる。


----------------------------------

次の日


先日までの春の嵐は去り、きれいな青空が広がった。

まだ、落ち着きのない新入生とご両親を迎え、一生に一度しかない小学校の入学式を迎える。先生たちもこの日はいくばくか緊張して参列する。在校生たちも、この日は入学式に参列してこの晴れの舞台をお祝いする。だけど、小学生。先生が普段と違うことを察知して普段より落ち着きがない。中にはちゃんと並ばない子供もいて、その子供をしかりつけ並ばせる。しかし、親の手前、ぶん殴るわけにも行かず、ますます子供たちがいうことをきかず、先生たちは、普段より時間をかけて並ばせる。このような状況では、細部にまで目が行き届かない。この環境では、重大な見落としがあっても、先生ばかり責めるのは酷というものであろう。


教頭 :「では、続きまして校長先生のあいさつ」


校長 :「こんにちは。今日は昨日までの嵐がうそのように収まり、暖かい日差しがもどりました。太陽も皆さんの入学をお祝いしているようです。」


すこし頭が薄くなり額が広くなった校長先生が挨拶をする。

そのときだった。


・・・ピカー・・・


その校長先生のその額に太陽の光が照らされ、その額が明るく輝く。

在校生がどっと笑う。父母の席からもクスクスと笑いがもれる。


校長先生もその異様な雰囲気をさとり、思わず話を止める。晴れの入学式が台無しだ。こんないたずらするのはこの小学校のなかではたった二人しか考えられない。


ポッチ:「(やった!)」


詩音 :「(だいせいこう~)」


ガッツポーズをこっそり決める二人。しかし、後が良くなかった。


先生A:「こら~、楠木、神崎、おまえらなにやった!」


先生B:「今日という今日は許さないぞ!」


先生ふたりがポッチと詩音のところに駆け込む。そして、「ポカッ」「ポカッ」と二人でそれぞれ詩音とポッチにげんこつを加える。


詩音 :「いた~い。二回も殴ることないじゃない」


ポッチ:「そうよ~。体罰反対!」


先生A:「なんだと~、おまえら自分が何やったかわかってるのか!」


先生がポッチをひっぱたく。ポッチの唇が切れて、血が流れ出る。そして、詩音を方をもう一回殴ろうとした。


そのときだった。父母席から突然男が二人声を上げる。


男A :「貴様らなにやっている~!」


男B :「おまえらこそ自分が何やったかわかってるのか!」


その声に教師二人はおもわずそっちのほうに目が行く。男二人が一目散に教師二人めがけて走っていく。


教頭 :「やめてください! ここは神聖な教育の場です! 先生方、その保護者二人を止めてください。」


教頭の声に耳も貸さず一目散に男たちは二人の教師に向かっていく。それどころか、来賓席から男が立ち上がり、教頭のほうに向かって歩いていく。


そして男二人は、教師二人を一瞬でねじ伏せ、床に叩きつける。


男A :「傷害の現行犯で逮捕する!」


先生A:「ぎゃ~、腕が折れる」


男B :「楠木詩音さん、大丈夫ですか? 暴漢は取り押さえました。後は私たち警察に任せてください。」


教頭の前に初老の男が現われる。


男C :「ちょっと事情をお伺いさせていただけませんか?」


あまりの事態に呆然とする一同。教師二人と教頭はそのままパトカーに乗せられ小学校から去っていく。


校長も真っ青だ。


年配の学年主任がとっさに壇上に駆け上がった。


主任 :「一旦、休憩します。30分後に再開します。」


そういうのが精一杯だった。


-----------------------------------


和恵 :「はい、楠木です。え?詩音がまたいたずら? 申し訳ございません。なんとお詫びしたらいいのか? え? 警察? そんなことやったんですか? はい、急いでいきます。ええ、夫と一緒にいかせていただきます。」


ポッチと詩音の両親が学校に緊急で呼び出される。タクシーを捕まえて学校に向かう途中、


あきら:「さすが、わが娘。いつかはあると思ったが小学2年生で両親ともども警察沙汰で緊急呼び出し受けるとは思わなかったぜ。」


なんとなく楽しそうだ。


和恵 :「あきら君、何言ってるんですか? 詩音のいたずらで入学式がめちゃくちゃになって、警察沙汰になってるんですよ。なにをのんきに。」


ぷんぷん怒る和恵。


そう言っている間に学校に付く。さすがにあきらも気が重い。


あきら:「こうやって考えると、俺も学生のころはさんざん悪さして親不孝のことをしたよな。親の立場なんも考えなかったんだな。」


和恵 :「でしょう。まったく、詩音ちゃんは。」


あきら:「とりあえず、謝り倒すしかないかな。」


まあ、親の因果が子に報いってやつかと考える。先生が二人すでに待っていた。


あきら:「うわ~、いくら俺でもここまで先生怒らせたことなかったぞ」


和恵 :「詩音ちゃん、何やったのよ~。」


恐る恐るタクシーを降りる。先生の前に出るなり和恵が謝る。


和恵 :「あの、このたびはうちの詩音が...」


しかし、その言葉をさえぎり迎えの先生たちが謝りだした。


先生 :「このたびは我々の不徳の至り本当に申し訳ございませんでした。」


あきら:「へ? えっと どうしたんですか?」


先生 :「校長と市の教育委員長がお待ちです。こちらへどうぞ。」


和恵 :「あ、あの、担任の先生は?」


先生 :「先ほど辞表を出されました。」


あきら:「ええ? ちょっとおかしくありません?」


先生 :「楠木さんのご両親のお怒りはごもっともです。本当に申し訳ございませんでした。担任も責任を重々感じております。どうかお許しを。」


謝り倒すはずが謝り倒されている。


和恵 :「えっと、えっと担任の先生は今どちらに。」


先生 :「ご安心ください。同僚の先生がついてご自宅まで送っていっています。ええ、精神的に不安定なので自殺しないよう同僚がついています。」


自殺? なんで自殺しなければいけないんだ?


あきら:「詩音は? 今どこに?」


先生 :「はい、楠木さんは神崎さんと一緒に保健室で休まれています。ご安心ください。少し、精神的にショックを受けているようですが保健の先生がついております。ご安心ください。」


詩音が精神的にショック? あの心臓に針金生えている詩音がか?


先生 :「どうか校長室までお越し願えないでしょうか?」


あきら:「は、はあ」


先生に案内されて校長室の前に来る。やっぱり何年経ってもこの雰囲気はなれない。いやなもんだ。


先生 :「校長先生、楠木様をお連れしました。」


楠木様? 様付けってどういうこと?


勢いよく校長先生と見慣れない紳士が二人の前に出てくる。深々と頭を下げる。


校長 :「このたびは本当に申し訳ございませんでした。」


ふたりとも、恐怖でひきつった顔でぶるぶる震えながら謝っている。


男の人:「あやまってすむ問題じゃないだろ~。おまえたち自分がやったことがわかってるのか?」


校長室の中から怒鳴り声が聞こえる。


男の人が中から出てくる。


和恵 :「神崎さん!」


ポッチのお父さんだ。確か弁護士をやっている。


神崎 :「おお、楠木さん、来られましたね。ご安心ください。楠木さんの怒りごもっともです。私もはらわた煮え繰り返る気持ちです。ここまで日本の教育現場が酷いとは思いませんでした。」


あきら:「えっと、あの、いまいち状況が飲み込めていないのですが。」


神崎 :「ああ、到着されたばかりでしたね。大丈夫です。裁判で徹底的に追求します。こんな学校は先生総入れ替えすべきです。」


あきら:「えっと、今回は詩音とポッチちゃんがいたずらしたんですよね。それで、げんこつ食らった。悪いのはいたずらしたほうで、いたずらの罰は受けなくては。」


神崎 :「楠木さ~ん、楠木さんがそういうこと言ってもらっては困りますね。確かにいたずらしたのは、我々の娘です。しかし、体罰をふるうのはいかがでしょうか? 周りの子に暴力ふるったとか、機材を壊したというのならわかります。しかし、たかが鏡で光を反射させただけで暴力をふるうのは絶対許されません。」


あきら:「まあ、確かに。でも、ここまで...」


神崎 :「うちの娘はそれで怪我したんです。娘の身体は楠木さんもご存知でしょう。それはちゃんと学校に伝えています。しかし、学校側はそれを無視した。ことは重大です。」


神崎 :「校長、教育委員長どちらも管理不行き届きです。お二人には即刻辞任していただかなければなりません。また、暴力をふるった教師二人には、しっかり実刑を受け反省していただかないといけませんね。」


確かにポッチには怪我をさせたのは悪い。しかも、ポッチの身体を考えればそれは重大な問題になる。しかし、いたずらしたのは子供たちふたりだぞ。それがここまでおおごとになるのか? あきらは疑問に思った。


あきら:「まあまあ、落ち着きましょう。」


神崎 :「落ち着いていられますか。体罰は法律で禁止されているんです。日本は法治国家なんです。それを、教育者自らやぶり、挙句の果てに怪我をさせる。言語道断です。」


とりつくしまもない。なんとか神崎さんをなだめようとした。その時だった。よく知っている男の声が校長室から聞こえた。


男の声:「楠木、おまえ、ことの重要さを理解していないぞ。今回のことは神崎さんの話以上の大問題だ。学校側のとんだ大失態だ。」


校長室から良く知っている男が現われた。


あきら:「南!」


和恵 :「南さん!」


なんでここに南が。南は俺の高校時代の悪友で、和恵とも友達である。


南  :「神崎さん、申し訳ない。こいつ状況が飲み込めていないんです。私のほうから説明しておきますんで、許してやってください。」


神崎 :「いえいえ、楠木さんに怒ってなんかいませんよ。私が怒っているのは、この無責任な二人です。まったく事態を理解していない。」


南  :「楠木、行くぞ。詩音ちゃんを迎えに行って、お前の家で説明する。」


なにがなんだかさっぱりわからない。とりあえず保健室に行く。


詩音 :「パパ、ママごめんなさい。なんでこんな大騒ぎになっちゃたのか。私にもわかんない。」


詩音が和恵に抱きついて泣き喚く。ポッチは呆然としている。


あきら:「ポッチ、怪我は大丈夫かい。」


ぽっち:「うん、大丈夫。」


でも目はうつろな状態だ。


南  :「詩音ちゃんは引き取る。ポッチちゃんはもう少しかかりそうだ。まだお父さんの怒りは静まっていない。当然だ。先生、もう少しポッチちゃんについていてあげてください。」


南は保健の先生に挨拶する。


南  :「じゃあ、行くぞ楠木。」


状況が良くわからない。なぜここまで大事になる、なぜ南がここにいる訳がわからない。



先生 :「今、タクシーご用意いたしますので。もちろん費用は学校でもたさせていただきます」


南  :「ああ、2台お願いする。」


あきら:「おい、何言ってるんだ、自分たちで帰るよ。」


和恵 :「そうです。タクシー代もってもらうなんておこがましいです。しかも2台なんて。」


先生 :「いえいえ、どうか私たちの立場を理解してください。お願いします。」


南  :「楠木~。和恵ちゃん。相手のことも考えろよ。学校は誠意を一生懸命みせてるんだぞ。それを断って帰ってみろ。今度は県の教育委員会が菓子折り持って、おまえの家に押しかけるぞ。事態をこれ以上大げさにしなかったら、先生たちの厚意に甘えるべきだ。それが大人の対処だ」


タクシーが2台来て俺たちはまず和恵の実家に向かった。


タクシーが和恵の実家のレストランにつく。タクシー一台は帰ったが一台はそのまま待機してもらった。


南  :「和恵さん、申し訳ないが祐美子さんを呼んでくれないか?」


和恵 :「あ、はい。」


祐美子さんが怪訝そうな顔で出てくる。


南  :「祐美子さん、ご無沙汰しています。急で申し訳ないのですが、詩音ちゃんを少し預かってていただけませんか?それで、詩音ちゃんの側にいてほしい。大丈夫、詩音ちゃんは悪いことしていない。馬鹿な大人に巻き込まれただけだ。」


南  :「楠木と和恵ちゃんに話をしたい。このまま楠木の家に向おう。」


祐美子:「わかりました。あとでちゃんと説明してくださいね。」


待たせていたタクシーで俺達は自分の家に向った。



-----------------------------------


あきら:「さあ、説明してもらおうか。」


和恵と俺が家に着くなり説明を求める。


南  :「ああ、まずは俺の立場を説明しよう。」


南は懐から手帳を出し、2人に見せる。


2人 :「け、警察手帳!」


あきら:「どういうことだ。おまえ、東京で大企業に勤めていたんじゃないのか?」


南  :「ああ、ひょんな事から警察と一緒に仕事をすることになって、色々あって、今は警察庁に勤めている。」


あきら:「おまえがか? 信じられない。あの不良の南が? 警察にお世話になることはあっても、警察に勤めるなんてありえない。」


南  :「さんざんないわれようだな。」


あきら:「わかった。百歩譲って信じよう。それで、おまえは警察で何をしている?」


南  :「楠木詩音護衛班の班長だ。」


あきら:「はあ~~~~~~~?。」


南  :「本当、おまえ学校から何も聞かされていないんだな。それだけで学校側の責任は重いぞ。怠慢もはなはだしいな。」


あきら:「全然、わからない。説明を受けたつもりがますますわからないぞ。楠木詩音護衛班てなんだ?」


南が顔を横に振り、ふ~とため息をつく。


南  :「おまえ、本当に詩音ちゃんのことわかっていないんだな。」


あきら:「失礼な、これでも親だぞ、一番わかってるつもりだ。」


南  :「おまえ、トーマス・エジソンって知っているか?」


こいついきなり何言ってるんだ。


あきら:「電球発明した人だ。」


南  :「ああ、そのとおりだ。それ以外にも色々発明して世界の発明王と呼ばれた人だ。そのエジソンの小学校時代の逸話を知っているか?」


あきら:「そんなの知るか!」


和恵 :「えっと、たしか、いたずらばっかりして退学させられたんでは? その後、お母さんが憤慨して自ら教えたんじゃなかったでしたっけ。」


南  :「さすが和恵ちゃん良く知ってるね。楠木とはえらい違いだ。そのエジソンだが、小学校のときに1+1はなぜ2になるのかって言って散々先生を困らせたんだ。 だって、水を注いであるふたつのコップを大きな一つのコップにいれれば1+1=1じゃないかっていったんだ。天才は発想からして常人と違う。それ以外にも実験と称して納屋に火をつけたりしている。そして学校の理解が得られず3ヶ月で問題児のレッテルを貼られて退学になったんだ。」


あきら:「それと今回の話がどう関係ある。」


南  :「まあ、黙って最後まで聞け。そのエジソンだが、実は高等教育を受けることができなかったことで、発明に失敗したり、事業に失敗したりしている。つまり、理解のない学校のせいで、もっと活躍できる才能を奪ったとお偉方が考えたんだ。」


和恵 :「はあ」


南  :「そこでエジソンプロジェクトというのが文科省の肝いりで始まった。天才は子供の頃、枠にはまらない行動を起こすことがある。しかし、それが原因で初等教育につまづき、その後の人生がうまくいかなくなるのは国家の損失と考えたんだ。そのため、この国で、これはっていう子供がピックアップされ、その子が学校生活を問題なくすごせるように配慮されるようになったんだ。」


南  :「そして、10人の子供が選ばれた。その子たちが通う学校には優秀な先生が配置され、また、補助金がついて学校設備の充実が図られるという優遇処置が取られる。その代わり、その子が多少奇行に走っても、それを是として、正しく導いてあげることが課せられる。」


あきら:「つ、つまり、詩音はその10人に選ばれたということか。」


南  :「10人に選ばれたとか言うレベルでなく、その10人の筆頭だ。筆頭には専属の護衛部隊がつく。それだけ重要人物なんだ。」


あきら:「ただのいたずら娘だろう?」


南  :「本当にわかっていないな。ただの子じゃないだろう。すでに小学校1年生のときに微分積分はおろか複素数まで理解していた。そんな小学1年生いるか?」


あきら:「確かに、めったにいないだろう」


南  :「さらにはポッチもその10人の中に入っている。詩音ちゃんに隠れて目立たないが、IQだけなら詩音ちゃんよりはるかに上だ。詩音ちゃんが理数系に特化しているのに対して、ポッチは不得意分野がないオールラウンダーだ。」


南  :「そのため、詩音ちゃんたちのいたずらは大目に見られている。国家公認なんだ。しかも、今回の件は神崎さんがいっていたように、誰かを怪我させたり、器物を破損させたわけでない。たわいもないいたずらだ。それを入学式の父兄の前でぶんなぐった。認められている権利を無視して、公衆の面前で法律違反を犯した。守るべき人間が攻撃する側に回ったんだ。」


あきら:「だが、いたずらには相応の罰を与えるべきだ。」


南  :「あのな~。学校は補助金もらってるんだぞ。詩音ちゃんを守るべき立場なんだ。しかも、いたずらは大目に見る。そういう約束の中での暴挙だ。社会として許されないんだよ。」


南  :「それにもう一つ。おまえ親として責任放棄してないか? 詩音ちゃんを怒るのは学校の義務でなく、おまえの義務だろう。それを先生任せにしていないか?」


反論できなかった。南の言うとおりである。たしかに俺が甘えていた。


南  :「いっとくがぶん殴れって言ってんじゃないぞ。詩音ちゃんに自分の行為がどれくらい影響を与えるかそれをこんこんと諭すんだ。そうしないとあの詩音ちゃんは納得しないぞ。逆にそうすれば詩音ちゃんもわかるだろう。」


いつのまにか南が大人になっていた。


南  :「とりあえずは今日はここまでしよう。気持ちの整理が必要だろう。それに神崎さんのあの調子じゃ、今日は何言っても収まらないだろう。一晩あけて頭を冷やそう。」


あきら:「ああ」


南  :「それと明日、俺の代わりにエジソンプロジェクトの責任者の一人が説明に来る。文科省の役人だ。楠木だったら俺ですむが神崎さんを説得するにはその人が必要だからな。」


そう話すと南はいとまを告げた。学校に再び行って少し落ち着いていたら神崎家に説明するとのことだ。


エジソンプロジェクト。そんなプロジェクトがあるとは知らなかった。南がいうように詩音の能力をちゃんと俺は理解しているのだろうか?


そして、例えすごいとしても、周りから優遇されるようなことが正しいのだろうか。心に何か引っかかる。


後編につづく

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