第26話
憂生イツカ @ueikuitsukav
【お知らせ】「イツカ杯」開催決定!参加者募集開始!!
何と今回、審ミナモ(@akiraminamoo)、そして暁野ひなた(@akenohinatadesu)の二人を正式に運営メンバーとして迎え、共同で開催することになった。(敬称略)
フルパワーでお送りする「イツカ杯」是非参加してくれよな!
詳細はこちら
https://
#イツカ杯
審ミナモ@akiraminamoo
いつも応援してくれているみんなへ
この度はご心配をおかけしてごめんなさい
協議の結果、私も運営兼選手として参加する運びとなりました。選手として大会に出るのは初めてだから緊張しています
みんなも一緒に盛り上げてくれると嬉しいわ
#イツカ杯
─引用
憂生イツカ @ueikuitsukav
【お知らせ】「イツカ杯」開催決定!参加者募集開始!─
暁野ひなた@akenohinatadesu
というわけで! 運営として私も参加することになりました!!!
ミナモちゃんも参加者のみんなも全力で暴れられるようにサポートするからみんな安心してね~!
#イツカ杯
─引用
憂生イツカ @ueikuitsukav
【お知らせ】「イツカ杯」開催決定!参加者募集開始!─
[待って、あの炎上から運営ってどういう展開?]
[みなーもの行動力凄すぎん?]
[正直憂生イツカって奴の売名にしか見えない]
[みなーも全力応援!]
[回ってきたんだけど何これ?公式サイトまであってガチやんw]
[事務所パワーで圧力かけたんだろうな]
[ひなたんの安心しては安心出来ないんよw]
[みなーもグラマスタッチしてたよね?参加のハードル相当高いぞ]
[推しと推しのイベントがまた見られて感謝]
三人から一斉に放たれた告知により、タイムラインは混乱に包まれていた。
その混乱の中、一際大きな反応を見せる男がいた。
彼の名はGEN。彼はいつものように背もたれに深く腰掛けながら、配信上でリスナーたちと談笑をしている。
画面上には控えめに主張を続けているスポンサーロゴ。彼の肩書はプロゲーマーであった。
「みんな見たか?イツカ杯!みなーも出んねんで!しかも、ひなたそもおるって神やん!めっちゃ出たいんやけど!いい?いいよな?」
[GENさんが出たら大会壊れますってw]
[正直みたいです]
[やめとけ]
「いやいける!おんなじグラマスやん。決めた、もうエントリーした」
彼は迷いなくマウスをクリックし、エントリー完了の画面を配信に映し出した。
[あーあw] [抽選で落ちたら面白い] [出禁確定]
「二十歳そこらの若手が遊びにきただけやって。」
GENはニヤリと不敵な笑みを浮かべながら、癖の強い関西弁を響かせていた。
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目覚ましの音が鳴り、俺は目を覚ました。時計を見ると朝六時。起床時間だけを見て健康的だと言い張る、そんな日常に俺は戻ってきていた。
戻ってきたとは言ったものの、以前のような退屈感は無い。欠伸が出るほど平坦だった道も、マクロに見ればフローリングの板の一枚に過ぎないのだ。
散乱するゴミ袋を尻目に俺はそんなことを考える。
そんな意味のないことを考えてしまうのは、今の生活が充実しているからでも、汚すぎる廊下から目を逸らしたいからでもない。
単純に厄介事が多すぎるからだ。
今日はトーナメント発表の日。公には言っていないが、完成したトーナメント表を俺の配信で公開する予定となっている。
作業を終えた俺は、配信を開始する。
「よっすお前ら。元気してたか?」
[よお]
[プロゲーマーがお前の大会に出たいらしい]
[GENも出るってマジ?]
[ウルトラコバンザメ成功してて草]
[GENが出るって言ってたぞ!]
[練習しなくていいのかよ]
俺が挨拶をするや否や関心はプロゲーマーGEN参戦に向けられている。
ちなみにGENの参戦は確定している。なぜなら俺は運営だから。それくらいは知っていて当然だ。
そして厄介事というのもこの件に他ならなかった。
「突然だがお前ら、イツカ杯のトーナメントをここで発表しようと思う」
そう言うと俺は画面にトーナメント表を映し出す。
幾重にも伸びる枝の先、トーナメント表の最初に見える場所には「GEN」そして見慣れた名前があった。
[うええええええええwwwww]
[GENまじで草]
[一回戦でプロと主催が当たるwwww]
[憂生イツカ終了のお知らせ]
[明らかに見えざる手があって草]
俺の初戦の相手は何とプロゲーマーGENだったのだ。
この事実に沸き立つコメントだが、俺は狼狽えていた。
「お前ら分かってんのか!?相手はプロなんだぞ。あのGEN氏だぞ!やべーだろ!」
[お前がトーナメント操作したんだろ]
「操作なんてしてねえ!誰が好き好んで初戦でプロと戦うんだよ。」
[見たことない慌て方で飯が美味いw]
[そんなこと言いつつ絶対やってる]
こうなったのは完全に運である。このトーナメントを見たときは目を疑った。正直逆に操作してやろうかと思ったが、どうせどこかで当たるので諦めた。てか何でプロが出張ってきてんだよ。ちょっとGEN氏ー?本業サボるの辞めてくれません?
「こうなったからには練習するしかねえ。とりあえず今日の配信ではランクマする。」
焦燥感に駆られながら配信を終えた俺はふとスマホを見る。
すると、いつも何もないはずのメッセージアプリに赤く数字が灯っている。
アプリを開き確認すると九十九からのメッセージが届いていた。日付は少し前になっている。
メッセージを確認する癖も消え、さらにこの忙しさで見逃してしまっていたようだ。
[大丈夫?なんかヤバそうなことになってない?]
心配した様子のメッセージがそこにあった。
ヤバそうじゃなくてヤバいことになっていると返信すると、しばらくしてまたメッセージが届いた。
[そっかそっか] [でもその様子なら大丈夫そうじゃん]
俺はまた返信する
[どの様子が?]
[そういうとこ]
[だからどういうとこなんだよ]
[普段からヤバいじゃん。自覚ない?]
[自覚は無いけどどういう意味だよ]
[自覚無いのはぴえんだね]
[ぴえん、だな?]
[ぴえんは分かるんだ]
[いやわからん]
[あたしも分かんない]
[なんでだよ]
[最上級としてぱおんがあるらしいよ][ここテストにでます]
[教えてくれてありがとう]
[そこはありがとうじゃないよね]
[ぴえん、だな]
よくわからないがどうやら俺は大丈夫なようだ。




