表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
27/29

第26話

憂生イツカ @ueikuitsukav


【お知らせ】「イツカ杯」開催決定!参加者募集開始!!


何と今回、審ミナモ(@akiraminamoo)、そして暁野ひなた(@akenohinatadesu)の二人を正式に運営メンバーとして迎え、共同で開催することになった。(敬称略)

フルパワーでお送りする「イツカ杯」是非参加してくれよな!


詳細はこちら

https://

#イツカ杯




審ミナモ@akiraminamoo


いつも応援してくれているみんなへ


この度はご心配をおかけしてごめんなさい

協議の結果、私も運営兼選手として参加する運びとなりました。選手として大会に出るのは初めてだから緊張しています


みんなも一緒に盛り上げてくれると嬉しいわ 

#イツカ杯


─引用

憂生イツカ @ueikuitsukav

【お知らせ】「イツカ杯」開催決定!参加者募集開始!─




暁野ひなた@akenohinatadesu


というわけで! 運営として私も参加することになりました!!!

ミナモちゃんも参加者のみんなも全力で暴れられるようにサポートするからみんな安心してね~!

#イツカ杯


─引用

憂生イツカ @ueikuitsukav

【お知らせ】「イツカ杯」開催決定!参加者募集開始!─



[待って、あの炎上から運営ってどういう展開?]

[みなーもの行動力凄すぎん?]

[正直憂生イツカって奴の売名にしか見えない]

[みなーも全力応援!]

[回ってきたんだけど何これ?公式サイトまであってガチやんw]

[事務所パワーで圧力かけたんだろうな]

[ひなたんの安心しては安心出来ないんよw]

[みなーもグラマスタッチしてたよね?参加のハードル相当高いぞ]

[推しと推しのイベントがまた見られて感謝]


三人から一斉に放たれた告知により、タイムラインは混乱に包まれていた。


その混乱の中、一際大きな反応を見せる男がいた。


彼の名はGEN。彼はいつものように背もたれに深く腰掛けながら、配信上でリスナーたちと談笑をしている。

画面上には控えめに主張を続けているスポンサーロゴ。彼の肩書はプロゲーマーであった。


「みんな見たか?イツカ杯!みなーも出んねんで!しかも、ひなたそもおるって神やん!めっちゃ出たいんやけど!いい?いいよな?」


[GENさんが出たら大会壊れますってw]

[正直みたいです]

[やめとけ]


「いやいける!おんなじグラマスやん。決めた、もうエントリーした」


彼は迷いなくマウスをクリックし、エントリー完了の画面を配信に映し出した。


[あーあw] [抽選で落ちたら面白い] [出禁確定]


「二十歳そこらの若手が遊びにきただけやって。」


GENはニヤリと不敵な笑みを浮かべながら、癖の強い関西弁を響かせていた。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


目覚ましの音が鳴り、俺は目を覚ました。時計を見ると朝六時。起床時間だけを見て健康的だと言い張る、そんな日常に俺は戻ってきていた。


戻ってきたとは言ったものの、以前のような退屈感は無い。欠伸が出るほど平坦だった道も、マクロに見ればフローリングの板の一枚に過ぎないのだ。


散乱するゴミ袋を尻目に俺はそんなことを考える。


そんな意味のないことを考えてしまうのは、今の生活が充実しているからでも、汚すぎる廊下から目を逸らしたいからでもない。


単純に厄介事が多すぎるからだ。


今日はトーナメント発表の日。公には言っていないが、完成したトーナメント表を俺の配信で公開する予定となっている。


作業を終えた俺は、配信を開始する。


「よっすお前ら。元気してたか?」


[よお]

[プロゲーマーがお前の大会に出たいらしい]

[GENも出るってマジ?]

[ウルトラコバンザメ成功してて草]

[GENが出るって言ってたぞ!]

[練習しなくていいのかよ]


俺が挨拶をするや否や関心はプロゲーマーGEN参戦に向けられている。


ちなみにGENの参戦は確定している。なぜなら俺は運営だから。それくらいは知っていて当然だ。

そして厄介事というのもこの件に他ならなかった。


「突然だがお前ら、イツカ杯のトーナメントをここで発表しようと思う」


そう言うと俺は画面にトーナメント表を映し出す。


幾重にも伸びる枝の先、トーナメント表の最初に見える場所には「GEN」そして見慣れた名前があった。


[うええええええええwwwww]

[GENまじで草]

[一回戦でプロと主催が当たるwwww]

[憂生イツカ終了のお知らせ]

[明らかに見えざる手があって草]


俺の初戦の相手は何とプロゲーマーGENだったのだ。


この事実に沸き立つコメントだが、俺は狼狽えていた。


「お前ら分かってんのか!?相手はプロなんだぞ。あのGEN氏だぞ!やべーだろ!」


[お前がトーナメント操作したんだろ]


「操作なんてしてねえ!誰が好き好んで初戦でプロと戦うんだよ。」


[見たことない慌て方で飯が美味いw]

[そんなこと言いつつ絶対やってる]


こうなったのは完全に運である。このトーナメントを見たときは目を疑った。正直逆に操作してやろうかと思ったが、どうせどこかで当たるので諦めた。てか何でプロが出張ってきてんだよ。ちょっとGEN氏ー?本業サボるの辞めてくれません?


「こうなったからには練習するしかねえ。とりあえず今日の配信ではランクマする。」


焦燥感に駆られながら配信を終えた俺はふとスマホを見る。


すると、いつも何もないはずのメッセージアプリに赤く数字が灯っている。


アプリを開き確認すると九十九からのメッセージが届いていた。日付は少し前になっている。

メッセージを確認する癖も消え、さらにこの忙しさで見逃してしまっていたようだ。


[大丈夫?なんかヤバそうなことになってない?]


心配した様子のメッセージがそこにあった。


ヤバそうじゃなくてヤバいことになっていると返信すると、しばらくしてまたメッセージが届いた。


[そっかそっか] [でもその様子なら大丈夫そうじゃん]


俺はまた返信する


[どの様子が?]

[そういうとこ]

[だからどういうとこなんだよ]

[普段からヤバいじゃん。自覚ない?]

[自覚は無いけどどういう意味だよ]

[自覚無いのはぴえんだね]

[ぴえん、だな?]

[ぴえんは分かるんだ]

[いやわからん]

[あたしも分かんない]

[なんでだよ]

[最上級としてぱおんがあるらしいよ][ここテストにでます]

[教えてくれてありがとう]

[そこはありがとうじゃないよね]

[ぴえん、だな]


よくわからないがどうやら俺は大丈夫なようだ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ