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ブートブーリン・ブーゲンブルー

光の曲がった日〜ブートブーリン・ブーゲンブルー〜

作者: 一飼 安美

 ……光ってるヤツってのは、信用しないほうがいいんだ。すごそうな感じするだろ?光ってるだけなのに。昼になれば日が登って、夜になれば星が出て、火をつければ明るくなる。何も珍しくないのに、すごそうな気がする。光って、すぐ曲がるんだぜ?光の中から僕らのために、なんていくら歌ってもいつのまにか中身が変わっている。何が兄弟だ、何が家族だ、何が愛だ。光ればいいなんて思ってるヤツの、考えそうなことだ。


 人間ってのは、単純でな。派手なものを見ると驚いて、地味なものを見ると黙り込む。目に見えるものにほとんど頼ってるから、目に見えるものだけを見る。お前は今、自分の背中も見えないのに全部見ていると思っている。見えないものがいくらでもあるってのによ。ふん、ここWi-Fi飛んでんなあ。


 二つの物がぶつかったとする。どっちから見るかで、どっちがぶつかったか変わる。あっちとこっち。子供でもわかることが、中学生にもなるともうわからない。見るものが全部信用ならなくて、信用ならないのが普通だと思ったら、もう何もわからない。あーあ、ホントくだらねえよな。なんでこんなことになっちまったんだか。


 ……光に騙されない、いい方法を教えてやる。第六感ってヤツだ。何かおかしい、気味が悪い。こう思ったら、おかしいと思うこと。こいつは隙間の感覚だ。バカなてめえと、素直なてめえ。この二つの境目に、こいつがある。隙間があったら、気が付きさえすれば、あっちとこっちのどっちに行けばいいか、多分わかるだろ。気がついていれば、あとは見たまんまだ。あっちの空に明けの明星が出たとき、お前は何を思うか……。そうだな、バカみたいだ。オレもそう思う。


 気をつけろよ。お前の命に、少しはいいことがあるように。ああ、それから。眼鏡はあまりかけない方がいい。オレからはそれだけだ。じゃあな。ブートブーリン・ブーゲンブルー。

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