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ここまでのあらすじ

 時代は二〇●●年、日本。

 世間で戦国ブームが再燃している中、ひとりの少女は日々喧嘩に明け暮れていた。


 名前は陽徳院(ようとくいん)愛華(まなか)。日本では知る人ぞ知る陽徳院グループの令嬢である。

 だが、彼女はどんなに良い成績をおさめても父親から必要とされていない事がコンプレックスとなっており、そのストレスを喧嘩で発散するようになっていた。


 しかし、その代償はすぐに払わされる事となる。

 いつものように喧嘩を終え、唯一親友・小豆(あずき)打音(うちね)と街中をブラブラとしていると、喧嘩で始末したはずの男がナイフを持って現れた。


 打音を庇おうと身を乗り出すが、ナイフは愛華の急所を貫いた。

 親友が泣き叫ぶ中、愛華の日本での人生はここで終了する。


 次に目が覚めると、そこは戦国時代末期。

 アニメや漫画でよくみるテンプレに驚きを隠せない愛華であったが、自身が伊達政宗の正妻『愛姫』に転生してしまった事が判明する。


 第二の人生を謳歌する一方、戦国武将で一番嫌いな伊達政宗の正妻というポジションを拒否し続けるが、政宗の実母・義姫が政宗を相手にしない素振りから彼を生前の自分と重ね合わせてしまう。


 そして、天正九年(一五八一年) 三月十五日。ついに、政宗の初陣を迎える。

 自身の実力を示す事で戦場に参陣する事を認められた愛姫だったが、敵大将・相馬(そうま)義胤(よしたね)の奇策により本陣手前で衝突する事となる。


 互角の戦いを見せるものの、最終的には義胤の体力が上回ってしまい、いきなり最大のピンチを迎えてしまう。

 そこに政宗が駆けつけ、見事義胤を撤退させる事に成功。お互いの離れる心はここで少しだけ距離を縮める事にもなった。


 続く、天正九年(一五八一年) 十月。米沢にとんでもない漢が現れる。

 その漢の名は明智光秀。城下町で紙芝居を披露している愛姫に興味を持ち、織田家の家臣にするため説得される。


 しかし、その縁談を愛姫は拒否。

 彼女の夢は天下統一であり、それは政宗との契りだったため、どんな強敵が相手だろうと彼女の義の心が揺らぐことはなかった。


 そんな中、ひとりになった瞬間光秀から襲撃を受ける。

 事の発端は愛姫の独り言なのだが、その内容が本能寺の変と光秀の関係性。


 身内の中でも知る人が限られる極秘情報を何故か知っている愛姫に遭遇した光秀は愛姫を拘束する。

 だが、愛姫の尿意は限界を迎え、彼女の身体はその場でお漏らしをする奇策を展開。親友の打音にそっくりな愛姫の忍び・ずんによってその場は丸く収められた。


 時は進み、天正十年(一五八ニ年) 二月。政宗の率いる忍び集団黒脛巾組(くろはばきぐみ)がとんでもない情報を入手する。

 それは政宗の母である義姫が廃嫡を企んでおり、跡継ぎを次男である小次郎にしようとしていた。


 既に義姫の使者が根回しを行っているという情報も得たため、愛姫達は事の証拠を押さえるために家臣達の城に足を運ぶ。

 道中偶然にも古民家で使者と遭遇し、証拠となる政宗廃嫡の連判状を入手することに成功。義姫の企みは失敗に終わった。


 年は変わり、天正十一年(一五八ニ年) 四月。

 相馬との戦も時間の問題と判断した愛姫は次の野望に向かい歩き始める。


 このまま時代の流れに沿っていては天下を取れないと判断し、輝宗と政宗に九州遠征を打診する。

 天正十年(一五八ニ年) 六月に起きた本能寺の変。逆賊・明智光秀を破った羽柴秀吉が九州仕置きする前に九州国と同盟を結ぼうと愛姫は考えたのだ。


 だが、想像以上に九州は荒れていた。

 『九州三国志』と呼ばれ、主に島津家と龍造寺家と大友家の三家で激しい戦が行われていたからだ。


 中でも島津と龍造寺は一枚抜けていた。

 実は、大友は先の『耳川の戦い』で島津に大敗した事、そして当主・大友宗麟がキリスト教に熱心な事から家臣達の心離れにより弱体化が進んでいたのだ。


 そんな事も知らずに手っ取り早く一番強い島津と先に同盟を結ぶため九州に乗り込む愛姫一行。

 しかし、大友領を通過中、休憩していた茶屋で色白短髪の美少女を助ける事から九州編はスタートとなる。


 色白短髪の美少女の名は立花誾千代(ぎんちよ)

 なんと、彼女は大友家家臣・立花山城城主である立花宗茂(むねしげ)の正妻だったのだ。


 誾千代から気に入れられてしまった愛姫はほぼ強制的に立花山城に招かれる事となる。

 しかし、そこにいたのは秀吉に『東の本多忠勝(ただかつ)、西の立花宗茂』と言われる漢である立花宗茂。愛姫の企みを見破り、逆に大友を救って欲しいと打診されてしまう。


 この時代で初めて出来た友達の願いでもあり、仕方なく誾千代と宗茂の頼みを聞く事にした愛姫。

 大友と島津を不仲を解消し、同盟を結ばせる事に切り替える決断をする。


 しかし、一筋縄ではいかないのが大友家。

 現当主である大友義統(よしむね)と元当主であるが権力を握ったままの大友宗麟とでお家が分断中。特に宗麟は大友領内にある寺社仏閣を壊し、教会や外国の建物を作ったりとやりたい放題であった。


 ここで愛姫の力ずくの交渉により大友宗麟は改心。

 領土拡大を条件に島津との同盟を了承するのだが、それは島津との戦をしなければならなくなってしまったのだ。


 無謀ともいえる戦に兵を出す家臣は限られていた。

 そのため愛姫は大友家が収監している囚人兵を仲間に引き入れる事を思い付く。その中には茶屋で誾千代を襲った賊の頭・豚丸の兄である寺僧の牛幻も閉じ込められていた。


 愛姫の強さに惚れ込んだ元賊の豚丸と、宗麟によって居場所を失っていた寺僧の牛幻。

 彼らの働きによって愛姫は数百の囚人隊を手に入れる事へ成功する。


 そして時は変わり、天正十二年(一五八四年) 三月二十四日。島津・有馬連合軍と龍造寺の戦『沖田畷(おきたなわて)の戦い』が島原の地にて始まった。

 日向の地を手薄にする事を読んでいた愛姫は、前日の二十三日の夜に船で日向灘から高城を見渡せる所まで近づいており、日向北の(あがた)で戦を始めた大友軍を合図に城攻めを開始する。


 松尾城、新納石城(にいろいしのじょう)、高城を落とされた報は島津を驚かせた。

 領土奪還に動くべく、島津の総大将・島津義久(よしひさ)は次男・義弘(よしひろ)、三男・歳久(としひさ)に日向攻めを命じる。


 歳久には勝利、義弘はなんとか撤退させる事に成功した愛姫。

 しかし、その裏で羽柴軍の軍師・黒田官兵衛の娘である黒田文子(ふみこ)が両軍に停戦するよう動いていた。


 大友、そして羽柴の勝手な行為に納得がいかない島津は一度停戦を飲んだものの、再度日向侵攻を決意。大友軍を耳川まで下げさせると両軍は川を挟んでの睨み合いに発展するのだった。

 そして、ある程度領土回復がなった島津は大友に停戦交渉を提案する。


 ここが最初で最後のチャンスと捉えた愛姫は停戦交渉の場で島津兄弟を説得。

 途中、黒田文子が現れるハプニングはあったが、逆に羽柴と敵対する意思を見せた愛姫に島津の心は同盟へ大きく傾くのだった。


 そして、天正十二年(一五八四年) 十月。

 相馬から正式に金山城、丸森城を返還され長かった相馬との戦は終了となった。ここに愛姫達が九州から帰国する事により物語は始まる。

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