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桜まみれ

作者: 三千


桜まみれ



散った

花びら

風に

遊ばれ

すべて

日だまり

雨だまりに

落つ


新緑の季節を 肺いっぱいに迎えてもなお ぽつりと記憶のどこかで 桜を思い出すのは それだけ現実の桜に 心残りがあるからなのだろうか 満開のバラの香り ツバメが飛び交う青空 久しぶりに焼いたシフォンケーキ 宵に浮かぶ朧の満月 気をひくものは数多(あまた)あるというのに 桜色の儚さだけが理由でよみがえってくるというなら それは間違いで記憶違い なんの心残りがあるというのだろう



散った

花びら

風に

遊ばず

すべて

日だまり

雨だまりに

浮かぶ



きっと私の中に桜があって いつも私はそれを見上げていて 私の中で永遠に咲いていて 私の中で永遠に散っていて 散った花びらに埋もれながら その冷ややかな肌寒さを保っている



いつまでも忘れずに

どこまでも桜にまみれて

そのまま浮かんでいたい


桜まみれの

春を越して


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― 新着の感想 ―
[良い点] 磁石のように自分の中にある桜と現実の桜が引かれ合っている、という解釈が好きです。春の風物詩はたくさんありますが、やっぱり桜は特別な感じがしますので、そういう見方も分かると思ってしまいました…
[良い点] 記憶の中の桜の姿は、願いでもあると思うんですよね。 来年も、その次の年も、春を美しく彩ってほしい。 そして、桜の季節が来たら、記憶の中の桜と実物の桜を照らし合わせて、美しさを感じ取る感性…
[良い点]  文章で遊ぶ。  そんな遊び心が感じられました。  ジャンル見たら詩でした。  私の読み違いかな?  あとの二つも……。  遊びじゃなくて工夫にします。
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