第4話 私は町を出ることにした①
新連載四話目ですっ!
ここは私の家のリビング。
目の前には、おばあちゃんとお母さんとお父さんがいる。おじいちゃんは最近ずっと炭小屋に籠ってる。なんでも、究極の炭が出来そうとか言ってたから、しばらくは出てこないだろうなぁ。ご飯も、近くのモンスター狩って食べてるみたいで、ウチにも帰ってこないし。
まぁいっか。さぁて……
「みなさん! 私、フラムは一大決心をしました!」
「おや? フラムどうしたんだい?」
「ほらフラム。ご飯中なんだから座りなさい」
「朝早くから一体どうしたんだい? 僕、昨夜は遅くまで書き物してたから、少し眠いんだけど」
まともに聞いてくれてるのがおばあちゃんだけの件……。
ちなみに、私の髪と瞳の色はおばあちゃん譲り。家族で銀髪紅眼なのは、私とおばあちゃんだけなの。珍しいみたい。
おじいちゃんとお父さんとお母さんは黒髪灰眼。こっちは割りと見る色なんだって。
さて、本題本題。
「あのね、私、町を出ようと思うの!」
「おや、それはまたどうしてだい?」
「夢があるの! それは多分、いろんな所に行かなきゃ叶わないの!」
「夢があるのはいいことだねぇ。フラムならきっと叶えられるよ」
「おばあちゃ〜〜ん!!」
やっぱりおばあちゃんはわかってくれてる!
後はお母さんとお父さんなんだけど……
「アタシは別にいいけど、お父さん次第かな? アナタ、どう? 」
「…………」
「お、お父さん?」
返事がない。ただの……
「ちゃんと起きてるからね?」
「良かった。てっきり寝てるかと」
「まさか。今、考えてたんだ」
「そ、それで……どうかな?」
「そうだね。とりあえず、朝食を食べたら庭に出ようか」
庭に? なんだろう?
とりあえず早く食べちゃおう。
そして今は、みんなで庭に出てきてる。
お母さんとおばあちゃんはすぐ側の椅子に腰かけていて、私とお父さんは、数歩分の距離を開けて向かい合っていた。
「フラム、久しぶりに僕と手合わせしようか」
「お父さん……」
……やっぱり。
確か、おばあちゃんが読んでくれた本にもこんな状況あったなぁ。
けど、そういうのって……
追放された冒険者が色んな所を旅して自分の限界に行き詰まった時に出会った強者にボロボロに負けてそこからの弟子入りして修行して仲間のピンチに気付いて師匠の家から飛び出そうとするときに師匠に止められてそこで成長の証を見せるためになんやかんや……(早口)
「おーい、フラム? 聞こえてるかい?」
……はっ! いけないいけない。
「うん、聞こえてるよ。手合わせだよね?」
「そうだよ。フラムはまだFランクだから心配でね。僕に一撃でも入れられたら旅に出るのを許可するよ」
そう良いながらも、いつも通りにニコニコするお父さん。
お父さんから一撃かぁ。最後に手合わせしたのは確か、八歳の時だったかな? あの時は手も足も出なかったんだよね。よし、本気でいこう。
「わかった。じゃあ……いくよっ!」
私は掛け声と同時に右足を踏み込む。地面が足の形にへこむ程に。
その一歩で、一気にお父さんの目の前まで行くと同時に、左足をお父さんの足の間に入れて踏み込む。これで間合いは無くなった。
今の私だと、秒間にせいぜい八十発が限界だから、それを一気に叩き込む!
あたれぇぇぇぇぇぇぇ!
「グッッハァァァァァ………」
……あれ?
面白いじゃん!続きはやくっ!って言ってくれる方がおりましたら、⭐で評価、レビュー、感想等お待ちしています!




