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彼を寝かしつけるだけの簡単なお仕事  作者: 空月


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割のいいバイト




「1日1時間1万円、とりあえず3日間、時間帯は午後ならいつでもOK、もちろん危ない仕事じゃない。かなりいい条件だと思うけど、どう?」



 とある事情でバイト探しをすることになり、「何かいいバイトないかなぁ」と何の気なしに呟いたら時々講義が一緒になる友人――和宮くんがそんなことを言い出した。


 1時間1万円という言葉に「よろしくお願いします!」と飛びつきそうになるのをこらえて、努めて冷静に、詳しく聞こうと試みる。



「かなりいい条件っていうか……条件がよすぎてこわいっていうかだけど、内容は……?」


「ある人と会って会話――じゃなくてもいいな、とにかく喋ってほしい」



 頭の中に疑問符が躍る。何そのバイト。バイト……?



「さすがに1時間喋り倒せとは言わないけど、そうだな、絵本を何冊か読み聞かせするくらいの感じで想像してもらえれば。実際に読み聞かせしてくれてもいいよ」



 和宮くんが追加情報をくれたけど、ますます謎だ。

 1時間喋るだけで1万円とか意味がわからないけど、内容もふわっとしていて意味不明だ。



「その、ある人って?」


「俺の弟。引きこもり状態なんだけど、眠れないらしくてさ。でも高月さんの声聞いてたら眠れると思うんだよね」



 なんで私の声で眠れると思ったのかとか気になるところはたくさんあるけど。



「弟さんを、眠らせてほしいってこと……?」


「それは、最終的に結果がそうなればいいなぁと思ってるけど、声を聴かせてやってほしいっていうのが一番かな」



 『声』と言われても、私の声は特別きれいとか特徴的だとかがあるわけじゃない、至ってふつう――と言っていいのか、とにかく特筆するところのない声なんだけど。

 そんな人間の声が不眠解消に役立つんだろうか?


 いろいろ疑問はあったけれど、結局私は、「とりあえず1日お試ししてみてよ。ついでにお茶とお菓子もつけるよ」なんていう誘い文句に頷いたのだった。割の良さに負けたとも言う。




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