表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
僕たちの7日間戦争  作者: たまきまた
2/19

第2話 僕たちの腕前



ホテル襲撃事件の1年前


〜ニューヨーク〜

2019年、世はバトルロワイヤルのオンライン対戦ゲームが空前のブームとなり、沢山のゲーマーを引きつけていた。


僕たち4人は日本のプロゲームチームの代表として最終決戦が行われるニューヨークに来ていた。

数万人の観客が見守る中、僕たちのチームは最終試合に挑んでいた。


アナウンス「さあ!残る試合もこれで最後!最後まで生き残ったチームが本当の世界1だ!残りは日本チームとアメリカチーム!生き残りをかけた戦いから目をはなすな!」


4人の25チームで争っていたバトルロワイヤルも終盤。

残り2チームとなり日本チームが勝てば世界戦初勝利。

ただならぬ緊張がチームメンバー間に走っていた。

数万人の観客が発する声が地響きのように体に伝わってくる…


タケシ「あと2人!相手チームはあと2人だ!」


ユウ「N50!N50に敵発見!N50に2人ともいるぞ!」


ノラ「N50!2人確認!左から回り込む!」


テンカ「顔を出したら私が撃つわ!壁の外に誘き出して!」


敵を誘い出す為にノラが先頭を切って突っ込んだ!

ノラはグレネードを投げて敵を壁の裏から動かした


タケシ「ロケラン!!」

僕が叫ぶも時すでに遅しだった


グレネードの爆風を割いて出てきた敵がロケットランチャーのミサイルをノラめがけ発射!


ドガガ‼︎

ノラに直撃しノラの持っていたアイテムが宙を舞う!


ノラ「チクショーやられた!」

ノラの落としたアイテムに敵の1人が近づく!


テンカ「見えた!撃つわ!」

ズギュン‼︎とテンカのヘビースナイパーライフルから轟音とともに銃弾が飛びだし一直線に敵の頭部に突き刺ささり一撃で倒した!


テンカの一撃に観客席から天を割るような大歓声が沸き起こった!大きな声の響きが全身にビリビリと伝わってくる


テンカ「やった!ワンダウン!」

倒した敵のアイテムが宙を舞い落下している横からキラッと小さな光がテンカの目に入った


テンカ「あ!ヤ(バ…)」


光の直後、ズギュンと敵のスナイパーライフルの音が鳴りテンカに銃弾が直撃!


テンカ「ギャー!やられた!」


プレイヤーの1プレイ1プレイに観客も興奮し足を踏み鳴らし、小規模な地震のようにゴゴゴゴゴ‼︎‼︎とスタジアム全体が揺れだした


タケシ「テンカさんがやられた!」

ユウ「大丈夫!あとはもう2対1だ!挟み込め!」


敵の左に回り込むユウさんを確認して僕は右から回り込んだ

テンカ「お願い!マジお願い!1億円!1億円!」

タケシ「テンカさん!今お金の話しは!プレッシャーですよ!」


そう、大会の賞金は100万ドル。この最後の1人を倒せば僕たちのチームは1億円を超える賞金を手に入れる事が出来る!


しかし、会場は完全アウェイな状態。敵の最後の1人に割れんばかりの声援が鳴り響く


観衆「USA!USA‼︎ USA‼︎ USA!!!」


観衆のUSAに合わせて、僕たちのヘッドフォンの中ではテンカさんの1億円コールが響きわたる!


テンカ「1億円!1億円!1億円!お願い!賞金でベガスに行きたい!私をベガスに連れてって!」


ギャンブルかよ!ってチーム全員が心に思った


ユウ「行くぞ!最後!」

ユウさんが敵との距離を詰めるのを見て僕もショットガンで距離を詰める!


射程距離を縮め最後の照準を合わせようとした瞬間、敵ぐ上空に飛び上がった!ジャンプパッドだ!


飛び上がった敵はグライダーを開き逃げさろうとする!


ユウ「アサルトで落とせ!」


ユウさんの声に僕はアサルトライフルにすぐに持ち替え

2人で空中の敵目掛けて弾を撃ちまくった!


ユウ「撃ち落とせー!」

テンカ「1億エーン!」


2発、3発と敵に被弾しダメージを与え飛び去る敵を追い詰めて行く!


タケシ「あと1発!あと1発!」

ユウ「弾が切れる!」

ユウさんがリロードに入り僕はスナイパーライフルに持ち替えた

慎重に照準を合わせ最後の一撃を狙う


息を止め、グライダーで地上へ下降する敵をスコープで追い集中を高める


全てがスローモーションに感じた。唸るような観客の声も、テンカさんの1億円コールも耳には入らなかった


敵の下降速度、距離、弾道を計算し、僕は何もない空中にスナイパーライフルの弾を発射した


ズギュン!


(たのむ…)祈る気持ちを乗せて弾丸は飛んで行く


そして僕の一撃は吸い付くように空を飛ぶ敵に命中した!


グオオオオオオオオオオオオオオ‼︎‼︎‼︎‼︎と聞いた事も無いような轟音の歓声と地響き


そしてゲーム画面にはビクトリーの文字が踊った!



タケシ「やった!ヤッタァァァア!!オーマイグッネス!アイザイマス‼︎」


テンカ「ギャァァァァア‼︎ァァァア‼︎ヤッタァァァア!!イヂオグエん!」


ノラ「やった!スゴイ!勝った!」


ユウ「勝った!勝ったー‼︎俺たちが世界1だ!ハハハハハ!」


会場の観客も全員総立ちで歓声がやまない


この規模の大きな大会で日本人チームが優勝するの初めての事だ。


そして、賞金1億円越え獲得という話題性は、すぐに日本のネットニュースだけではなく、テレビのニュースでも取り上げられるほどだった。


僕たちはゲームを職業にしているが、収入のメインはゲーム動画の配信によるものがほとんどで、その収入を上回る今回の賞金というのはとても意味のあるものだった。


4人で割ってひとり2500万円。1年間ゲームをして暮らすには十分すぎる金額だ。

僕たちは本当に大きな利益を得て日本に帰国した。


僕は24歳になるがまだ実家で生活していた。動画の配信やゲームの仕事である程度収入はあったが、まだまだ安定した稼ぎとは言い辛く不安があったからだ。


ニューヨークから帰り実家の2階にある自分の部屋で荷ほどきをしてると1階から呼ばれる声がした。


「タケシー!タケシー!」


と僕を呼ぶ父の声が聞こえ、僕は1階に降りていった。


父「帰ったんだな、おめでとう!ネットで試合観てたよ」


タケシ「ハハ!夜中に起きて見てくれたの!ありがとう」


日本では真夜中の試合時間だったのにもかかわらず観てくれた事に僕は驚いた。


父「定職に就かず毎日ゲームばかりと心配してたけど、だいぶ安心したよ。本当におめでとう」


家族に心配をかけているのは知ってたし、常識的に考えて親が納得出来る状態ではないと自分でもわかっていた。肩身の狭い毎日を過ごしていたけれど、父からのこの言葉に少し救われた気がした。


父「少し相談なんだが…」と父が話し続けた。


父「明日、一緒に父さんの会社に行かないか?見せたいものがあるんだ」


父から会社へ行こうなんて言われた事は今まで1度もなかったしタイミング的にも????とクエスチョンマークが頭に並んだ


タケシ「うーん…明日はテンカさんと会う約束があるんだけど…」


父「テンカさんも一緒に来るといい、きっと面白いから。」


テンカさんは何度か家に来て僕の家族とご飯を食べた事もあり、結構親しい関係だった。付き合うとか、そこまではいってないけれど…


タケシ「わかった。テンカさんに聞いてみるよ」


テンカさんに連絡を取ると、僕の父の仕事に随分と興味を示し、翌日一緒に父の仕事場を見学しに行く事となった。




今思えば全ての始まりは、この父の誘いが発端だった




つづく




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
よろしければ広告下の【☆☆☆☆☆】より評価、又はブックマークしていただけましたら、創作活動の大きな励みになります! 素人なのでコメントにて感想やご意見など頂けるととても嬉しいです!よろしくお願いします^_^
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ