第18話 DAY7 最終作戦①
〜東京 首相官邸〜
執務に追われる総理の元に菅村が訪れる
菅村官房長官「総理、ヨシモト確保作戦が始まります」
大泉総理「わかった、」
大泉はゆっくりと立ち上がり執務室へ向かう
菅村官房長官「これで金山を終わりに出来るといいですね」
大泉総理「この件は明るみに出来ない、、、必ず墓場まで持って行かなくてはならない、、、私が国民に謝罪して退陣するんだ、、金山を道連れに出来なくては死んでも死にきれん」
菅村官房長官「日本人がテロリストに金を渡して自衛官を殺すなんて前代未聞ですからね…しかも目的が政権転覆とあっては…国民感情がどこへ向かうのか検討もつきません…」
大泉総理「とにかく、、今はヨシモトを捕まえて全てを吐かせなくてはどうにもならない…」
深くため息をつきながら大泉は執務室の椅子に座る。モニターに目を向けると映っているタケシが話し出した。
タケシ「これからヨシモトの確保に動きます」
ワタリ「成功を祈ります」
大泉総理「君達が無事に帰還することを望む。無理はしない様に」
クドウ「トレーラーをホテル南方15キロ地点に配置完了。ユウさんのロボットが遠視目的の為に目標地点へ向かっています」
タケシ「了解、ショウとノラ、トミィのロボットはトレーラーにて待機、僕とモトジャさんはタイミングを待つ」
ワタリ「米軍爆撃機が間もなく上空に到着します。指示はそちらにてお願いします。」
ノラ「了解、上空12000メートル、米軍爆撃機確認。コンタクト開始します」
米軍機「米海軍より時刻1:00ジャスト バンカーバスター投下に向けて準備開始。天候、視界良好」
ショウ「緊張の瞬間だな…」
モトジャ「度肝を抜いてやりましょう」
ユウ「ロボットが目標地点に到着、ホテル西側100メートルのビル屋上を確保。ドローンを飛ばします」
ユウのドローンが静かにヨシモト潜伏中のホテルに近づく
ユウ「ドローンのサーモカメラ起動!ホテル屋上プール付近10名、その下階のレストランに15名以上の敵護衛確認」
菅村官房長官「一般客は大丈夫ですか?」
ワタリ「現地は現在深夜の為、レストランもプールも稼働はしておりません。職員の待機も1階ロビーと地下になっており、一般客の宿泊棟とヨシモト達の潜伏フロアは別の建物です」
菅村官房長官「わかりました。一般客を巻き込まないよう細心の注意をお願いします」
ユウ「プールの護衛の武装を確認。レストランも同様と思われます」
〜その頃、ヨシモト潜伏中のホテル〜
ヨシモトと談笑しているアサドのスマートフォンがピカピカと光り軽快なラップの音楽が鳴る
アサドは窓の外を眺めながら電話に出た
アサド「見つかったか?」
アラジン幹部「国境のカメラに映っていたトレーラーが美術館の駐車場に入るのを見たという情報が入ったので向かっています」
アサド「分かった。やつらも武装しているから沢山連れていけ。皆殺しにしたらもう一度連絡しろ」
アラジン幹部「全員蜂の巣にして犬のエサにしてやりますよ」
アサド「ああ、それと、、アレを忘れるな。必ず持っていけ」
アラジン幹部「ええ必ず」
アサドは電話を切り、両手を軽く広げてダンスしながらヨシモトに笑って見せた
アサド「ヤツらを見つけたぜ〜ヨシモト!すぐに終わるさ」
不安そうなヨシモトは笑えないでいた
ヨシモト「変なロボットもいるぞ、、、本当に大丈夫か??」
アサド「俺たちもバカじゃないぜ!まあ座ってろ」
その頃、、、
〜埼玉県 防衛医科大学病院〜
入院しているテンカの病室にひとりの自衛官が入室した
自衛官「失礼します」
お見舞いに来ていたモコとナツミ、ベッド上のテンカが同時に入り口に顔を向けた
テンカ「ど、どうも、、自衛隊の方?タケシ達に何かあったの?」
嫌な報告ではないかとテンカが顔を曇らせる
自衛官「これよりタケシさん達の部隊が最終作戦に挑みます。ワタリ局長より、ご希望であれば作戦の様子を見守る事ができるとの報告に上がりました」
テンカ「私、見たいです!」
テンカはベットから体を起こした
自衛官「わかりました。では」
自衛官は持参したノートパソコンをテーブルに出して準備を始めた
自衛官「現地は現在深夜の0時40分過ぎです。あと20分ほどで作戦が開始されます」
テンカ「そうですか、、、わざわざ、私達の事まで気にかけて頂いてありがとうございます。」
テンカ、モコ、ナツミは息を飲みながらノートパソコンが起動する画面を見つめた
自衛官がソフトを立ち上げるとワタリさんの顔が画面に映し出された。
テンカ「ワタリさん!」
テンカの声にワタリが画面越しに反応したのが分かった
ワタリ「テンカさん、モコさん、ナツミさんもご一緒ですね」
ワタリがカメラ目線で話しかけた
ワタリ「もうすぐ最後の作戦が開始されます。その前に少しだけタケシさん達とお話しできますが、お繋ぎしますか?」
テンカ「お願いします!」
テンカは画面に食いつくように即答した
ワタリが笑顔で頷くと、ノートパソコンの画面が分割され、タケシや総理の顔が並んだ
テンカ「タケシ!」
テンカの声に驚いたように画面の向こうのタケシが反応した
タケシ「テンカ!怪我は大丈夫!?」
テンカ「私は大丈夫!タケシは大丈夫なの!?」
タケシ「この作戦が終われば、僕も少しゆっくりできるよ。もう少しなんだ」
テンカ「無理はしないで、、、」
少し泣きそうなテンカにタケシは笑顔を見せる
タケシ「テンカの元気そうな顔が見れて良かった、、、僕もすぐに日本に帰るよ、、、」
少し時差を感じさせる会話に、お互い遠くにいる事を実感した。
ワタリ「それでは作戦行動に入ります。テンカさん達もそのままご覧になってて下さい。」
時刻は作戦時間へ刻一刻と迫り、全員が成功を祈りつつ緊張の時間が流れた