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僕たちの7日間戦争  作者: たまきまた
17/19

第17話 DAY6 睨み合い


〜埼玉県 防衛医科大学病院〜


テンカ、ナツミ、モコを乗せた飛行機は茨城空港へ到着した後、テンカを入院させるため埼玉県の病院に移送された。



ナツミ「日本にも帰って来れたし、ようやく落ち着けたね」



テンカ「ごめんね、埼玉に寄り道なんてさせて…はやく東京帰りたいでしょ…」



ナツミ「そんなしょぼくれたこと言わないでよ、私たち戦友でしょー」


モコ「そうですよ、埼玉に寄るくらいなんでもないです。テンカさんと生きて帰って来れて本当に良かったですよ」



テンカ「タケシたち、大丈夫かな…」



ナツミ「ほんと、、、ドバイまで行くなんて、、、早く戻って欲しいよね…」





〜アラブ首長国連邦 ドバイ〜



タケシたちは、ヨシモトの入ったビルを監視しつつ作戦を考え膠着状態になっていた。



クドウ「ヨシモトの入ったビルですが、この辺では有名な麻薬組織が経営しているホテルでして…かなり巨大で危険な組織なんです」


ショウ「悪人とわかっててもドバイではホテル経営させるのかよ!」


モトジャ「ホテルの経営を行っているのは組織の一部の人間なのでしょう、直接の関係は見えないようになっているんでしょうね…日本のヤクザが無くならないのと一緒ですよ」


クドウ「こういった麻薬カルテル(犯罪組織)は警察も買収していたり、武装もしていたり、戦うとなると本当に厄介な相手です。要人に対する護衛の数も多いですし」


タケシ「ヨシモトのパソコンから抜き取ったデータはどうですか?」


クドウ「その辺の話しを今からPCでワタリさんと大泉総理も含めて話したいと思います」


クドウさんが言うとモニターにワタリさんと大泉総理が映し出された


大泉総理「皆さん、ご苦労様です。何か進捗があったようで」


クドウ「ヨシモトという容疑者のパソコンから抜き取ったデータの件です」



ワタリ「証拠が出ましたか?」



クドウ「はい。ヨシモトは、いわゆるマネーロンダリングのプロです。仮想通貨を利用してテロリストや麻薬の密売の利益を洗浄したり、今回に至っては政治家からテロリストへの資金提供、政治献金の作成などを行なっています」



ワタリ「そんな予感はしておりました」



大泉総理「そのヨシモトと政治家の直接的なやり取りは掴めたということですか?」



クドウ「いえ、ただのお金の口座間移動ではないので、お金での結びつきは完全には見えません。お金を受け取った側の口座との照合が必要になると思います」


ワタリ「やはり捕まえて自供させるしかないですか…」


クドウ「ヨシモトはかなり高度なマネーロンダリングのプロです。物証を上げるのは困難かもしれませんので、捕まえて自供させるのが良いとは思うのですが…」



タケシ「ヨシモトを匿っている組織ですね…」



クドウ「はい。アラジンと言う巨大な麻薬カルテルがヨシモトを(かくま)っているので…かなり難航しそうです」



ワタリ「アラジンとの接点が…」


大泉総理「アラジンという麻薬組織を聞いたことはあるな」


クドウ「現状、警察も手を出せない犯罪組織です。組織の根も深く広く、完全な武装解除にはかなりの犠牲を出す覚悟が必要なんです…」


クドウさんの言葉に皆が沈黙した


ヨシモトという男ひとりのために巨大な麻薬組織と戦うリスクが釣り合うかは全く不透明だからだ…


だが、ヨシモトを捕まえないと黒幕の裏も取れない…


全員が誰とも目を合わせない、重い空気が流れていた





「やりましょう」





モトジャが皆の沈黙を切り裂いた



モトジャ「そのために来たんです。ドバイに」



ショウ「そうだよな…」


タケシ「そうですよね」



クドウ「しかし、、、相手はロボットに追われた事も知ってる。かなり武装した状態で護衛していると思います」



モトジャ「大丈夫です。僕たち6人のロボットで、必ずヨシモトを捕まえます」


タケシ「確かに、麻薬カルテル全体と戦うわけでは無いですし、ロボットなら勝ち逃げ出来るかもしれません」


ワタリ「ハッハッハッ!頼もしい人達になりましたね!」


大泉総理「頼もしいのは確かだが、安全には配慮してほしい。クドウさん、タケシ君たちの安全な脱出ルートの確保をお願いします」



クドウ「わかりました。タケシさん達のバックアップに全力を尽くします」



こうして、モトジャさんの一声に僕たちは立ち上がり、ヨシモト確保の作戦を考えた




〜その頃、ヨシモトの潜伏するビル〜




ヨシモト「悪夢でも見たような気分だ、、、ロボットに追われるなんて思いもしなかった…」



アサド「ハッハッハッ!まぁ、俺達のビジネスは敵が多い。ロボットにも、エイリアンにも命を狙われてる覚悟が必要さ、」



ヨシモト「ジョンが音信不通になった後からヤバイとは思っていたんだ…まさかこんなに早く追手がくるなんて…」


アサド「まぁ、何にせよ俺達に攻撃するのは自殺しに来るようなもんだ。逃亡先を探してやるからそれまでゆっくりしてろ。お前の妻と息子も安全に出国させてやる」


ヨシモト「ああ、ありがとう…相応の報酬を支払うよ」



ヨシモトがコーヒーカップに口を当てると、慌てた様子でひとりの男が部屋に入って来た


「アサド!怪しい奴らを見つけたよ!」


アサドに声をかけた部下がPCを持って駆け寄った。ヨシモトもそれを除き込む


アサド「国境の映像か?」


部下「ヨシモトの家から追って来た奴らを監視カメラの映像を使って探してたんだ…見てくれ」



映像にはクドウの部隊の車列とタケシたちのトレーラーが映り込んでいた


アサド「これは…海外の傭兵部隊だな」


部下「ああ、間違いない。数は少ないけどかなり武装してるし、このバカデカイトレーラーがロボットを運んでるんだろ!」


ヨシモト「きっと日本政府が雇った傭兵団だ…おそらくジョンもこいつらにやられたんだ…マズイな…」


映像を観たアサドはすぐに部下に指示を出した


アサド「このトレーラーを全力で探せ!すぐに見つかるはずだ」


アサドの声に数人の部下が携帯を片手に部屋を出ていく


アサド「ハッハッハッ!こっちから潰しに行ってやるよ!」


不安そうなヨシモトの肩を叩き、アサドは手に持ったブランデーを飲み干した


窓の外は日が落ち、数百万ドルの夜景が広がり始めていた。



〜作戦準備に取り掛かっていたタケシ達〜


ワタリ「タケシさん、米軍に協力を得てバンカーバスターの準備を進めています。夜明け前には発射出来ますよ」


※バンカーバスター

大型貫通爆弾(おおがたかんつうばくだん、Massive Ordnance Penetrator、MOP)とは、アメリカで実戦配備中の大型地中貫通爆弾の1つである。分厚いコンクリートを貫通して爆撃を与える。

アメリカ軍における制式名称は、GBU-57A/B。



タケシ「ありがとうございます。こちらも準備を進めます」


モトジャ「一瞬でカタをつけましょう。僕達ならヨシモトを確保出来ますよ」


ショウ「しかしドエライ作戦とはこの事だな!ワクワクするぜ」




こうして6日目の夜は終わりを迎え、7日目の早朝、この事件最後の戦闘を僕たちは迎える

しかし僕たちは、アサドの部隊が迫っている事を察知する事が出来ていなかった



つづく




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