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僕たちの7日間戦争  作者: たまきまた
12/19

第12話 DAY2 救出作戦①


日本を出発して10時間。僕たちは機内で作戦を詰めつつ、十分な休息を取って準備をしていた。

飛行機はもう少しで現地に到着する。


モトジャ「いやぁ〜驚きました。本当によく出来ていますねこのロボット」


タケシ「モトジャさんからの要望のスライディングと横ローリング機能も追加しました。また何かあれば言って下さい」


モトジャ「いやいや、本当に十分すぎる機能です。あとは、頑張りましょう!」


機内アナウンス

「まもなく着陸します。着陸体制に移行しますので、着席とシートベルトをお願いします」


皆が座席に座りシートベルトを締め、静かに飛行機が着陸するのを待った。


飛行機の窓から見える地上は、辺り一帯が広範囲な砂漠地帯である事がわかる。街というか、小さな集落がポツポツと見え、飛行機が海側に近づくにつれ、少しづつ緑が入り、空港周辺が栄えているのがわかった。


豪華な飛行機とはいえ、長時間のフライトだったため滑走路に着地した時は、早く外に出たくてたまらなかった。



着陸した空港には旅客機のような機体は僕たちの機体のみで、他の飛行機は皆さんに軍事用の輸送機や戦闘機ばかりが並んでいた。


ワタリ「到着しましたね、北へ向かう準備をしましょう」


僕たちは飛行機を降りてすぐに感じた。


中東という感じ…


空気は乾燥していて、砂埃りで建物や路面が茶色く濁る。

少し風が吹いただけで目や口に砂が入ってくる。


周りには国連の車両や機体だらけで、軍人しかいない感じが周辺地域が不安定であるのを感じさせた。

最近攻撃されたのか、黒く焦げて砕けた滑走路のアスファルトを修復している作業員も見える。

工事車略や飛行機の音で周りは騒々しい。


なつみ「うわぁ…なんか寂れた外国の中東って感じだね」


タケシ「そ、そうですね」


何というか、なつみさんのTシャツに書かれた"自宅警備隊"という文字に、日本を感じて少し癒された気分になった。


そうこうしていると、巨大なトラックが僕たちの飛行機に向かって進んで来た。


パッパッパー!とスゴイエアーホンを鳴らしながら巨大なトレーラーを引っ張った、トランスファーマーのコンボイのような車両が目の前に止まり、中からアジア系の日焼けした軍人が降りてきた。


クドウ「どうも、皆さん!待ってました!」



ワタリ「クドウさん!お久しぶりです!宜しくお願い致します!」


ワタリさんは僕たちにクドウさんを紹介した


ワタリ「この方はクドウさんです。フランスにある傭兵団に所属している日本人なんですよ」


テンカ「へぇ!日本人なんだ、日本語うまいと思った!」


クドウさんの顔立ちは沖縄とかフィリピンとか、そんな感じの系統だが、日本人と言えば日本人という感じの顔立ちだ。

クドウさん以外にも10人傭兵団の人が僕たちの護衛で待機してくれていた。その人達は黒人、白人といった感じでいかにも外国人といった集団だ。


クドウ「皆さんのチームを可能な限りサポートします。宜しくお願いします!」


そう言うとクドウさんは僕たちをトラックの引いて来たトレーラーに案内した。とにかく馬鹿デカイトレーラーだ。


茶色く塗装され砂埃にまみれているが、パッと見ただけでハイテクな感じ?がわかる。


モトジャ「これは驚きました。このトレーラー、最高級なヤツですね」


クドウ「ハッハッハッ!このトレーラーハウスは同じ型をあのウィルスミスも所有しているんですよ!」


ちょっと日本ではお目にかかれない感じのトレーラーハウスだった。中に入るとさらに驚く。


ショウ「うお!マジかよ!2階建て!?」


タケシ「こんなのってあるんですね…」


中はかなり広々とした空間で1階部分は10人掛けくらいのコーナー型のソファやテーブル、キッチンまでついている。

階段を上がると2階部分は何もなくガランとしているがかなり広いスペースだ。


クドウ「2階部分はベッドルームやウォークインクローゼットがあったんですが、全部撤去しています。皆さんの機材を入れて下さい」


僕たちはC3輸送機に積んであったコントロールルームの機材をトレーラーに移動した。

トレーラーの2階部分はPCやモニター、ゲーミングチェアで埋め尽くされたが、かなり充実した環境が整った。


タケシ「これで戦える環境は整いましたね」


ショウ「はやく出発しようぜ!」


僕たちがトレーラーの準備を終えるとPCにスカイプの着信が入りワタリさんの映像が映し出された。


ワタリ「自衛隊からのサポートはここまでになります。ここからは皆さんと、クドウさん達での行動になります。ご武運をお祈りしております」


タケシ「わかりました。あとは作戦通り全力を尽くします」


ワタリ「それから、大泉首相が少しお話しになりたいそうなのでお繋ぎ致しますね」


タケシ「えっ!?」


ショウ「マジかよ、総理大臣!?」



ワタリさんがそう言うとPCのモニターに総理大臣が映り出した




大泉首相「皆さん、この度は遠いところまでありがとうございます。皆さんの模擬戦、拝見致しました。実に素晴らしい技術と実力をお持ちです。どうか、お力添えを頂き、人質になっている自衛官を助けてあげて下さい」


タケシ「あ、ありがとうございます…」


大泉首相「ですが、あまり無理はなさらず、皆さんの安全に可能な限り配慮されて下さい。皆さんの帰国をお待ちしております」


突然の総理大臣からの言葉に皆驚いたが、改めて気を引き締める事が出来た。


タケシ「それでは救出に向けて出発します。そちらでもロボットのカメラ映像がご覧になれると思います。どうか、見守っていて下さい」


大泉首相「はい。防衛大臣とともに、作戦を見守っております。成功をお祈りします。」


スカイプの映像を切り、僕たちは目的地に出発した。





砂漠の未舗装路を僕たちを乗せたトラックと、護衛団の車3台が車列を組み砂埃りを巻きあげながら進む。


僕たちはトレーラー1階のソファに座り到着を待っていた。



外はだんだんと暗くなり始め、パッと見た感じでは道路と

砂漠との境界線はわからない。



本当にこんなところに人なんているんだろうかというくらい、砂漠の中を進んでいった。



辺りがすっかりと暗くなり、トラックの揺れにも慣れてきた頃に、トレーラー内に無線の声が響いた。



クドウ「もう少しで到着します。ご準備願います。」


僕たちはトレーラー2階に移動してモニターの前に座った。


皆が無言で椅子に座っており、緊張感が漂う。


キキープシュ〜!と、トラックのエアブレーキの音が響きトラックが止まりエンジンを停止した。


トレーラー内はPCの冷却ファンの音が聞こえるほど静かだ。


外の車から護衛隊の降りるドアの音が聞こえてきた。


到着だ。


護衛隊はトレーラーと他3台の車に大きなベージュの布を被せてカモフラージュとして覆い被せた。


しばらくドタバタと外で作業が進み、トレーラー内に無線が流れた。


クドウ「目的地に到着し護衛の準備が完了しました。」


タケシ「了解!それでは、スネーク作戦を開始します!」


モコ「作戦開始了解!」


ノラ「作戦開始了解、米軍C1輸送機上空10000メートル待機中!全ロボット出動体制!」


タケシ「了解!次の合図で降下する。全モニターでマップの到着目標地点をマーク!」


モコ「到着目標地点にマーカー表示!敵拠点南1000メートル!」


タケシ「よし!全員、マーカーに向かって降下開始!」


上空10000メートルの飛行機からロボット7体が次々と目的地に向かって飛び出す


ショウ「ガハハ!バトロワゲームみたい!」


モトジャ「本当にリアルとは思えませんねぇ」


テンカ「私、降りるのはめっちゃ上手いんですよ!多分1番に着きますよ!」


トミィ「いるよねー降りるのはめっちゃ速いやつ!なんなのアレ!って感じ」


モトジャ「負けませんよ〜グフフフフ!」


真っ暗な中、7体のロボットが音もなく空を飛び、敵拠点の南1000メートルにパラシュートで着地した。


タケシ「敵拠点を望遠レンズで目視!」


モトジャ「では、作戦通り僕とショウ君で人質がいるかを確認して来ますね」


タケシ「お願いします!トミィ、ドローン頼む」


トミィ「了解!ドローン展開、敵拠点上空に向かいます」


モトジャとショウが静かに敵拠点に向かって走りだした。


何もない砂漠の暗闇の中に、ポツンと土壁に覆われた敵の拠点と思われる場所だけが明るく照明が焚かれていた。


建物は外から見ると2階建でそれを囲むようにコンテナが積んであったり、簡易的な小さな木造の倉庫のようなものが並ぶ。

建物の裏手にはトタンで出来た巨大な倉庫が見えるが壁や屋根は剥がれズタボロな感じだ。



モトジャ「敵拠点南100メートル地点に到着」


ショウ「音響センサー設置完了」


モコ「了解。ドローンのサーモセンサー起動。音響センサーとの照合開始」


ノラ「敵拠点のマップを作成中、少し待って下さい」


モコ「拠点内、人間と思われる反応50名ほどあります」


モトジャ「結構な人数ですねぇ」


ノラ「建物マップ完成、人間と思われる熱源を表示します。」


ショウ「なんだ、大半のヤツは建物北側の広間みたいなところにいるな」


モトジャ「ラッキーですねぇ、今のうちかもしれません」


タケシ「残りのメンバーも200メートルまで接近しよう」


ノラ「ドローンで広間を確認、何か、、お祈りしてますね」


タケシ「了解。広間に動きがあれば連絡してくれ」


モトジャ「敵兵の装備は薄いですが無線を持ち歩いている兵士も数名いますね」


モコ「無線の傍受を試します」


ショウ「了解。ジャミング装置も設置しよう」


モトジャ「ではショウさんはジャミング装置の設置と建物の電源を抑えて下さい。僕は中に入ります。」


ショウ「了解!」


モトジャは土壁を乗り越えて建物に侵入した


明かりと明かりの間にある暗闇に身を潜めながら静かにモトジャが動く。


ノラ「モトジャさん、おそらく建物には地下部分が存在します。動かない15名ほどの熱源が確認出来ますが、何処から下に降りれるかは不明です」


モトジャ「了解。地下ですね…」


ショウ「ジャミング装置ガソリンタイプの発電機数台を積んだトラックを発見。見張りはないのでC4爆弾を設置する」


モトジャ「了解です。それでは建物内に侵入します、侵入がバレて相手と撃ち合いになるような場合は電源の爆破をお願いします」


モトジャはゆっくりと窓から建物の中に入った。サプレッサー付きのハンドガンを構えてモトジャは建物の中を進んだ。僕たちは緊張の中、モトジャさんの映像を食い入るように見つめていた。


モトジャ「最初の敵発見。」

その瞬間ビュッ!と音が鳴りすぐに敵が倒れこむ。


倒した敵を乗り越えて廊下の角から少し顔を出し、突き当たり付近にいる2名の兵士を発見。


ビュ!ビュ!


2名の敵が音もなく倒れこみ、すぐにモトジャが近づいて周りを確認する。


この3人を倒すのに5、6秒しかかかっていない。

モトジャに迷いはないうえ、手際の良さが皆の目を引いた


ショウ「モトジャさんと同じルートで建物内へ侵入。」


ショウもモトジャの後を追い、倒れた敵を部屋に引きずり込んで死体を隠した。


モトジャは歩き続け、発見した敵をどんどん撃ち抜いて行く。ショウはそれを簡易的に隠して処理していく。


僕たちのヘッドホンの中にビュ!ビュ!という小さな発砲音が次々と聞こえ、パタリパタリと敵が倒れて行く。

侵入から2、3分で8名は倒した。モトジャの無駄の無い動きに全員が息を飲んだ。


モトジャ「階段発見、2階と地下へ行ける階段ですね。ショウさん、ここで見張りを」


そう言うとモトジャは地下に向かってゆっくりと階段を降りた。

絨毯(じゅうたん)

階段を降りてすぐのところに鉄製の扉がついており、扉についた小さな窓から奥の部屋が見えた。


敵兵が3名テーブルに座って雑談をしており、その右側に頭に黒い布を被せられ、オレンジ色のツナギを着た人質が十数人並んでいるのが見えた。


モトジャ「人質発見!」


モトジャは侵入から6分程で人質を発見した。




つづく



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