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僕たちの7日間戦争  作者: たまきまた
11/19

第11話 DAY1 控えめに言って最強


自衛官拘束後、最初の犠牲者が出た映像は犯人グループのウェブサイトにて公開されており、すぐに日本中のメディアが取り上げた。


その残虐な行為への怒りの矛先は、日本政府へと向いていた。



〜首相官邸記者室〜


菅村官房長官「現状、詳しい事はお伝え出来ませんが、首相官邸内に特別対策室を設置し全力で情報収集と対応に当たっております」


マスコミ「政府はどこまで把握してるんですか!救出は出来ないんですか!犯人の要求は通りますか!?」


菅村官房長官「人命に関わる事なので詳しくお伝え出来ません。マスコミの皆さんも報道内容には細心の注意を払うようお願い致します」


マスコミ「当該地域はまだ安全と言えますか!責任は誰が取るんですか!!」


菅村官房長官「お伝え出来る情報が入り次第また…」


マスコミは報道で政府を煽り、官邸の外ではデモが行われ多くの人が集まっていた。


官邸内の特別対策室にて、大泉首相は防衛大臣より報告を受けていた。



大泉首相「ロボットを救助作戦に使うだと!?」


岡本大臣「はい、私も最初は驚きましたが、模擬訓練の映像を観て驚きました。」


岡本大臣はPCを取り出し首相に模擬戦の映像を見せた。



大泉首相「これは驚いた…日本にこんなものが…」


岡本大臣「私も大変驚いております。ですが、現状操作出来るのは開発チームのメンバーでして、一般人が救出に向かう事になります」


大泉首相「なるほど…情報が漏洩しないように細心の注意を払うのと、この開発チームに最大限のサポートを頼む」



岡本大臣「わかりました」


防衛大臣はタケシ達のチームを出動させる準備をすぐに進めた



〜 茨城県 茨城空港〜


タケシ達はワタリさん主導のもと自衛隊の航空施設がある茨城空港で積み込みの作業を行なっていた。


使用する飛行機のエンジンチェックや機体チェック、積み込み品の確認などかなりの人数がドタバタと動いている。


飛行機のキィィィインというアイドリング音だけでもかなりの轟音で騒々しい


タケシ「ワタリさん、自衛隊の飛行機で中東に向かっても大丈夫なんですか?反対派からのクレームが心配ですが」


ワタリ「大丈夫です。実はこの飛行機は現地自衛隊の撤退用でもありますので」


タケシ「なるほど、撤退用でもあるんですね」


ワタリ「それにしても、かなりの荷物になりましたね」


タケシ「はい。ロボットは予備を含めて20機、それと装備品やコントロールルーム一式、備品など多数あって」


ワタリ「アメリカ軍からの船舶や航空支援の話しはお聴きになりましたか?」


タケシ「はい。かなりのバックアップ体制に驚きました。十分活用出来して役立てるようにします」


ワタリ「離陸までまだ数時間あります。しっかりと準備されて下さい」



タケシ「ワタリさん、僕からの要望の件ですが…」



ワタリ「まだ可能かどうかは解りませんが、部下が動いていますのでもう少しお待ちください」



タケシ「ありがとうございます」


ワタリ「それではまた後ほど」


ワタリさんが去って行くとテンカさんが僕を呼びにきた。



テンカ「タケシ、みんな会議室に集まってるよ」


タケシ「わかりました、行きましょう」


僕とテンカさんはチームメンバーの集まる会議室に向かった。




〜作戦会議室〜


会議室ではチームメンバー全員が無言で座っており、少し重たい空気だった。


タケシ「離陸までまだ数時間あるので、作戦会議をしましょう」


ショウ「そうだな。あいつら全員ぶっ殺す完璧な作戦を立てよう」



なつみ「気持ちはわかるけど目的は救出でしょ、熱くなりすぎだっつーの」



ユウ「飛行機は何時間くらい乗るの?」


タケシ「シリア南部まで10時ほど乗って、そこから2時間ほど北に向かうらしい。現地ではフランスの傭兵部隊に所属している日本人がエスコートする事になってる」


トミィ「フランスの傭兵部隊が絡むんだね」


タケシ「僕たちも形上は海外の傭兵部隊にするらしい。シビアな話しだけど、日本人や自衛隊としては救助に行かない設定だよ。」


ショウ「俺たちは水面下の人間だからな…」


タケシ「一応、この件に参加する事でロボットの開発資金や僕たちのチームの活動資金が海外口座に振り込まれる。お金の流れを複雑にするために海外の傭兵扱いになるんだろうね」


なつみ「今回は別にお金目的じゃないけど、もらえるものは貰うからねリスクリワード」


タケシ「もちろんです。話しを作戦に戻しますが、コントロールルームは敵の半径20キロ以内に設置されなければならないです」



モコ「かなり敵と近いですよね」


タケシ「一応、砂漠の砂丘に隠れるのと、保護色のトレーラートラックが準備されてます」


トミィ「人質の場所は把握してるんですか?」


タケシ「人質の自衛官達が連行される前に小型のGPSを隠し持っていたようです。発信機の情報が確かであればそこにいるはずです」


テンカ「まずは人質がそこにいるかの確認が必要だね」



タケシ「はい。救出作戦は可能な限り隠密に敵に感知されないように進める必要があります」


ショウ「ステルスゲームなら俺に任せろ。SSSランクの腕前を見せてやる」


なつみ「私もステルス系はかなりやってるからね〜ショウより上手い自信あるわ」


ショウ「なつみ、お前なんて背後からの近接攻撃で秒殺だよ」


タケシ「僕も小島作品はかなりやり込んでますよ、そうですね、作戦名はスネーク作戦にしましょう」


ショウ「ガハハ!賛成!」


ノラ「僕とモコさんはバックアップ体制を整えますね」


タケシ「お願いします」



話し合っていると会議室ににワタリさんが入ってきた



ワタリ「すみませんが、皆さんが乗る飛行機に案内させて頂いて宜しいでしょうか?」


タケシ「はい。お願いします」


僕たちはワタリさんに案内されて飛行機へと歩いた。

そこには軍用機とは異なるタイプ、というか普通の旅客機が待機していた。


テンカ「私たちはアレに乗らないのね」

テンカさんが軍用機を指差しながら言った



ワタリ「あのC3という機体は輸送機でして、皆さんは現地までゆっくり出来るように特別機を準備しました」



なつみ「ワタちゃんやるじゃん!わかってるねぇ!」


旅客機内に入るとその豪華さに全員が驚いた。


ショウ「うぉ、なんだこりゃすげぇ」


タケシ「これ、この飛行機もしかして…」


ワタリ「はい、これは旧型の政府専用機です。天皇家や総理大臣が海外へ行く際に使用されていた機体です」


テンカ「スゴイ、ベットルームに会議室、シャワーまである!」


ショウ「こりゃVIP気分だな」


タケシ「ワタリさん、心遣いありがとうございます」


ワタリ「いえいえ、当然の配慮です。では、出発までもうしばらくお待ち下さい」


僕たちは豪華な機内に圧倒されつつ、出発の時を待った。





テンカ「いよいよ出発だね」

テンカさんが真面目な表情でうつむきながら僕に話しかけた。


タケシ「とりあえず、僕たちの全力を出しましょう。必ず助け出せますよ…」


テンカ「すごく緊張するね…でも、やらなくちゃ…」


出発の時間が迫ってくると、テンカさんだけでなく皆からの緊張を感じ取れた。もちろん僕も緊張している。


僕たちはただの一般人だし、皆ただのゲーム好き人間だ。

それが今は重要な任務を託され、バーチャルな世界から現実世界での戦闘に足を踏み入れようとしている。


マウスのボタンを押せは実弾が発射され、命中すれば人が死ぬ。


人殺し。


殺し合い。


戦争なんて無い方がいい…戦争なんて、誰も幸せにならない…


生きて帰りたい。


戦地に向かう兵士の気持ちを、僕たちは感じていた。


少なくともこの70年くらいは、日本は平和だった。その事に本当に感謝したいと僕は思った。






出発も間近になり、皆が座席に座ってシートベルトなどを確認していると、ワタリさんが機内に入って来た。


ワタリ「タケシさん、来てくれましたよ!」


ワタリさんの声に僕たちは立ち上がり、ワタリさんの連れて来た人物に目をやった



モトジャ「どうも〜皆さんオハコンバンチワ!モトジャでぇ〜す!」



モトジャが来た。


なつみ「ギャー‼︎本物モトジャ!?ウソでしょ‼︎」


ショウ「え!?この人モトジャ!?マジかよ‼︎」


タケシ「うわ!本当に来てくれた!」


僕たち全員が驚いたこのモトジャという人物は、日本のゲーム界隈では知らない人はいないゲーム実況配信者で、生放送をすれば瞬時に数万人が視聴に訪れ、FPSやTPSといったガンシューティングゲームにおいては神様級のテクニックを持つ人物だ。

モトジャさんがスゴイのはテクニックだけでなくブレないメンタルだ。常に冷静で、熱くならず、的確な判断で立ち回る。それでいてしかも、面白く楽しい配信をする。僕たちの憧れるスーパースターだ。


モトジャ「話しは大体聞きました。微力ながらお手伝いしたいので、どうぞ皆さん宜しくお願いしますね」


タケシ「そそ、そんな、微力だなんて、、、お、よ、宜しくお願い致します!」


僕が可能であればとダメ元でワタリさんにお願いしていた件がこのモトジャさんへの参加依頼だった。

モトジャさんの参加があれば戦力だけでなく、全員の気持ちに変化が起こると考えたからだ。


ショウ(こりゃ控えめに言って最強だ…)


なつみ(こりゃ私たち最強だわ…)


テンカ(スゴイ、、これは最強チームだわ)


モコ(スゴイ精神安定剤来たわ…)


トミィ(控えめに言って最強とはこの事だ…)



チームの皆が思った。


「控えめに言って最強とはこの事だ」


僕たちはモトジャという強力な助っ人を得て、中東へ向かう飛行機を離陸させた。


つづく







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