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僕たちの7日間戦争  作者: たまきまた
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第1話 スカイアンドリバーホテル襲撃事件

〜スカイアンドリバーホテル〜


中東にある小規模な川沿いのホテル。内戦の混乱に一般市民をホテル内へ受け入れ、自衛隊と医療ボランティアチームが食品の救援物資の輸送拠点としていた。外も薄暗くなり、まもなく夕食の配給を始めようと着々と準備を進めていたその時、突然の爆音と轟音で瞬時にパニックは訪れた!


ドガガガガン!ゴガガガガガガガカ!!!!!!


ドガッと鳴った瞬間に耳をキーーーンという音が覆い、割れたガラスの破片がバラバラと地上に落ちてくる!周りの声も聞こえないままホテルの外にいた人達は慌てて屋内へ駆け込み押し合いになっている!耳のキーーーンが収まると同時に「キャァァァァァァア!!!」という大勢の悲鳴が耳に飛び込んできた!


警備に当たっていた護衛チームが体制を立て直し始めた。


自衛隊隊長の声が無線機を走る


「くそ!アルファチームをワン !ツーに分離!直ちに建物の北口、東口を封鎖!ブラボーは中の人間を地下に避難誘導!」


「チャーリーチーム!」と言いかけたところで大きな声が隊長の無線の声をふさぐ!


「RPG!!!!!!」


全員が一斉に頭を抱えて地面に飛びつく!


隊長の頭上1メートルをロケット弾がかすめてホテルロビーに直撃する!

ドカッ!!!!!!バリバリバリ!!!

爆音とガラスの破片、悲鳴と噴煙でロビーはめちゃくちゃだ!

ベータチームが倒れた人を引きずり奥へと消えて行くのが見える…

多数の銃弾がホテルの壁と窓に被弾している!


そしてすぐに次の爆発音!

ドコン!と少し離れた場所で聞こえた瞬間にホテル全体の電気が消えた


隊長「クソッ!チャーリーチーム!屋上から周辺の索敵を開始!」


チャーリー「屋上より索敵開始!建物北200mの丘上に敵の装甲車部隊1部隊30人規模接近中!東口250m先より敵の歩兵部隊30人規模が3部隊に分かれて接近中!半径1キロは停電した模様!」


隊長「本部への応援!救援要請!チャーリーは川を含めた撤退ルートを確認!」


チャーリー「アルファワン!敵が北口に向かってRPG発射確認!!伏せろ‼︎‼︎」


ドガガガン‼︎‼︎


爆音と共に北口の門が吹き飛びアルファワンチームが噴煙の中に消えて行く!


隊長「アルファワン‼︎安否‼︎」


アルファ「負傷者なし‼︎入り口をトラックで塞ぎます‼︎」

ゲホゲホ!とムセながらアルファワンの1人がトラックへと走り出した


隊長「ベータチーム状況報告!」


ベータ「ベータより!現在爆撃により負傷者15名、安否不明者多数、死亡確認3名!」


チャーリー「川上から3隻のボートが武装集団をのせて接近中‼︎完全包囲されます‼︎」



隊長「クソ‼︎全員屋内退避‼︎地下への入り口でバリケードを作れ!」


アルファワンチームが北口をトラックで塞ぎホテルのロビーへ走り出す!アルファツーも隊長と共にロビーへ走った

‼︎

隊長「いいか‼︎発砲及び反撃の許可は出していない!許可を出すまで撃ち返してはならない!急いでバリケードを作れ!」



ホテルが攻撃され始め数分がたち、本国日本にも第一報が入った


〜首相官邸〜


秘書官「総理!」


ゲストとの昼食会を終えたばかりの総理大臣に秘書官が慌てた様子で駆け寄ると、総理の耳元に小声で話し出した


秘書官「中東復興支援中の自衛隊1部隊とボランティアチームが攻撃を受けています」


総理は笑顔を保ちながらゲストへ軽く会釈をし席を立った


総理「申し訳ございませんが、少し失礼します」

秘書からスマートフォンを受け取り、速くなく、遅くなく、執務室へ向かって歩き出す


秘書官「防衛大臣と繋がっています」

総理がスマートフォンを耳に当てるとすぐに防衛大臣が話し出した


防衛大臣「中東へ派遣している復興支援部隊が攻撃されました。1部隊20名とボランティアスタッフ15名、計35名の日本人と現地人100名程度が攻撃され複数の死傷者が出ています」


総理「非戦闘地域への派遣だと聞いていたが!?一体どうなってるんだ!かなりまずい事になるぞ」


防衛大臣「現在全力で情報を収集中です。私も数分で官邸に入ります」



〜スカイアンドリバーホテル〜


ホコリ立ったホテルのロビーにカウンターやテーブル、イスを積み上げバリケード作成が続いている


隊長「もっとテーブルとイスを‼︎」

指示を出し続ける隊長の元に1人の男性が駆け寄る。

手にはハンディカメラを持ちスマートフォンのマイクを隊長に向けた。 日本人ジャーナリストだ。


「隊長さん!ここは非戦闘地域ではないのですか!?誰から攻撃を受けているんですか!?日本人の負傷者もいますが救出部隊は来ますか!?」


隊長「危険ですので地下へお願いします!お願いですから今は言う通りに!」


「隊長さん!1番近い他の部隊でも数百キロ離れていますよね!皆不安です!助けはいつ来ますか!」


カメラを向けられた隊長の背後からドガゴゴゴン‼︎‼︎と物凄い轟音が響く


隊長が目を向けると北口を塞いでいたトラックをつき飛ばして装甲車が敷地の中に入って来た!


隊長「早く地下へ!」隊長が叫ぶと他の隊員がジャーナリストリストを羽交い締めにして地下への階段へ引きずり込んで行った


ロビー前には装甲車が停止し数十人の敵兵士がロビーに銃口を向けて立ち塞がった


隊長が再び隊員に無線を送る

「いいか、発砲してはならない、発砲許可は出していない」


鳴り響いていた轟音が静まり、パラパラと外壁のコンクリートの粒が落ちる音が聞こえる程あたりは静まり帰った

辺りは暗くなり、敵のライトとこちらのライトには砂埃がゆっくりと漂うのが見えるだけ


静寂もつかの間、息の上がる隊員達の呼吸音をかき消すように、ホテルの外からハンドマイクを通した声が響き渡った


「ニホンノミナサン!コンニチワー!ジュウヲステテ!イウ、トオリニ!シテ、クダ、サイ!」




一方その頃、


〜日本 埼玉県〜

遠い異国の地で起きている事件を僕たちは当然知る事もなく、いつもと同じような毎日を過ごしていた。


この事件に深く関わる事なんて知らずに…


つづく



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