後奏19
一方こちらは、リリアとミスカが気まずい雰囲気の中
取り残された状態だった。
まず、口火をきったのはリリアだった。
「私、なんてひどいことをお願いしてしまったのでしょう・・・
ルルカさんに、どうお詫びすれば許していただけるのでしょうか?」
そう言いながら、もう涙腺全開で涙が流れ落ちていく。
「意地を張らずにお断りをしていれば、こんなことにはならなかったでしょうに。
これは、きっと、欲張った私への罰ですわ」
「そんなに自分を責めちゃだめよ、リリア!
止めなかった私たちにも責任があるわ。
あなたはただ、神殿への援助を申し出たかっただけなのでしょう?」
「気付いていらしたのですか、ミスカお姉様!」
「当たり前でしょう!何年一緒に暮らしていると思ってるの?
おばかさん」
「ミ、ミスカおねえさまあ~」
姉巫女にぎゅっと抱きつき、えぐっえぐっとなきつづける。
そう、月神殿の懐事情は決して豊かなものではなかった。
一神殿たいてい4,5人定員のところを拾い子の自分まで養ってもらい
それでもみんな不平を言わずに慈しんで育ててくれた。
舞を気に入ってもらえたら、ご褒美に神殿の予算を増やしてもらうことで
恩返しが出来ると考えたのだ。
結果、姉巫女たちに迷惑をかけたばかりか、ルルカには取り返しのつかない
ことをしてしまう結果となってしまったのである。
「さあ、懺悔大会はその辺でおしまいにいたしましょう!
せっかくのお茶が冷めてしまいますわ。」
ノアさんにお茶を進められ。一口こくんとのむ。
「・・・美味しい。
ありがとうございます、ノアさん」
「大切なことは、何が起こったかではなく、
これから何ができるか、ですよ」
「これから、何が、できるか・・・
そう、そうですわね!
ルルカさんの目覚めていただくためにできることを考えるべきですわね!」
そんなリリアを頼もしそうに見つめるミスカは、こう思っていた。
ーいつの間にか大きく成長していたのね。
いつまでも子どもだと思っていたけれど・・・
もう、あの小さなリリアではないのね。
成長を喜ぶと同時に、寂しさも感じるミスカであった。




