後奏16
「ありえない!あの元気玉のルルカがこ」
思わず叫んだ自分のことばに、一瞬思考が止まる。
「ルルカ!ルルカ!!ルルカ!!!
そう、そうだ!!
彼女の名前はルルカだ!
なぜこんなに大事な名前を今の今まで忘れていたんだろう?
俺はなんて馬鹿者なんだ!
バカだ、バカだ、バカだ、バカだ、バカだ・・・」
ボコボコボコボコボコボコボコボコ。
バカだバカだとくりかえしながら、頭をボコボコたたき続ける間抜けな光景に
あきれ果てていた兄君だったが、当分止めそうにない弟に腰掛けていたいすのクッションを
思いっきり投げつけた。
バフン。
顔に思いっきり命中し、お馬鹿弟の一人劇場に幕が下りた。
「落ち着け!バカワイイ弟よ!
それで、ロイ、風の一族の長はなんといってきたんだい?」
ロイは、すっと書面を差し出した。
「何だ、これは?
請求書と書いてあるが?」
「薬草師のおばば殿からグラディアス様宛てに預かって参りました。
月光樹の実代の請求書だそうです」
「!」
ーこの実一つで一国家一年分の予算がとぶよ、ふぉっ、ふぉっ、ふぉっ
そう言ったおばば様の顔を思い出し、また別の意味で真っ青になったハルフォードであった。




