後奏8
「リリアさんは、月刀を扱うことがおできになるのでしょう?」
「はあ、まあ・・・」
それが一体世継ぎの君とどう結びつくのかわからなくて、
間の抜けた返事しかできない。
「この国ではかつて月刀を扱える巫女が王族と婚姻を結ぶと、
豊かな実りと穏やかな治世が訪れました。
しかし、この数百年は月刀を扱える巫女が現れなかったのです。
ところが、あなたが現れた。
その上、あなたの舞は本当に素晴らしいものでした。
そのため、あなたへの婚姻話が殺到しているとか・・・
王家の意向としてはあなたを確保しておきたいのです」
ーちょっとまって!
つまりは、私、ルルカさんと勘違いされてる?
じゃあ、あの男の方も、もしかして、ルルカさんの・・・
黙り込んでしまったリリアを心配し、
領主婦人は懐かしそうに告げた。
「乳母としてお育て申し上げた私が言うのもおこがましいのですが、
殿下はとても気さくでお優しいかたですよ!
たった一つの病気を除けば」
「あの、どんなご病気なのですか?」
心配しておずおずたずねると、思いもしない答えがかえってきた。
「弟だいすきすき病です」
ーこの国の病気って、一体・・・・・・
もう、突っ込めません。




