後奏7
リリアの体調を考慮して、領主婦人との面会は午後からとなった。
案内されたのは,私的な客人を招く暖かな雰囲気のへやだった。
領主婦人はふくよかな体つきの優しい笑顔をした女性だった。
世継ぎの君の乳母として城仕えをしていたが、役目を終えた後は
領内の教育や福祉に尽力され、領民からも慕われていた。
月神殿の巫女長様とも深い交流があり、情報交換というなの女子会がたびたび開かれ
巫女長様を通じて月神殿への配慮も大変細やかだった。
ー思ったよりお優しそうなお方でよかった
リリアがいすに腰掛けると、ノアさんがお茶の準備をはじめた。
「はじめまして、リリアさん。
足の具合はいかがですか?」
「ありがとうございます。だいぶよくなって参りました。
昨夜はご迷惑をおかけして申し訳ありませんでした」
「お気に召されずに、2、3週間ゆっくりなさって下さいね。
巫女長様もそのようにおっしゃっておいででしたから」
「いいえ!そんなに長くお世話になるわけには参りません。
明日にでもおいとま申し上げようと思っております」
リリアがあわてて辞退しようとすると、領主婦人は真剣な顔つきをして
とんでもない話を始めた。
「実は、あなたは世継ぎの君の婚約者候補なのです」
「っへ?」
絶句したリリアはそのままフリーズしてしまったのは言うまでもないことであった。




